2015年5月14日

5月14日 相馬市松川浦・漁業のいま?

引き続き、福島県相馬市 松川浦で漁業再生に取り組む若き漁師、菊地基文さんのインタビューです。



震災前は、漁師一本でやっていた菊地さん。試験操業で水揚げがままならない中、現在は、漁協の青壮年部の若きリーダーとして、様々なことに取り組んでいます。

その一つが、漁師のまかない飯「どんこつみれ汁」の商品化。これが本当に美味しい! さらに松葉ガニを使った、漁師のお酒のつまみ「ガニミソ」も商品化を目指しています。

漁業の再生へ向け、菊地さんが考える、松川浦の魅力を教えてもらいました。

◆福島のフロリダです
色んな浜ごとに地域文化があって、それを一番重要視している。この土地に昔からあった良いものを、ただただ繋いでいきたくて。「福島県のフロリダ」と呼んでいる(笑) ここら辺の人たちはとにかく明るい。港町で市場のスタイルが全国探してもここだけじゃないか、という変わったセリのスタイルをしていて、男の人が市場にあまりいなくて女の人が300人くらい毎朝集まる。自分たちが獲って来た魚をお母さん、嫁さんたちがセリまでの一切を仕切る。選別して測りに乗っけて籠を片付けて・・・全部お母さんや女性の仕事。自分ら漁師は魚を上げたら船をつけて、寝て遊ぶだけ。だからすごくお母さんたちにすげえパワーがあって。相馬あるあるなんですが、ここのお母さんたちはみんな自分のことを「俺」って呼ぶ(笑) 「それ、俺んだ!」とか。俺も高校の時に寝坊したら母ちゃんが怒って、26インチのでっけえブラウン管のテレビを2階から投げられて壊されましたね。いやな思い出を思い出しました(笑)「いつまで寝てんだ!」って。セリから帰ってきてダダダって上がってきて。それくらいお母さんがた、浜の女性はパワフルなんですよね。言葉も汚いんですよ。外から来た人が市場の風景を見ると「喧嘩しているみたいだね」っていう。今はそれが無い。市場もないし。従来のセリのスタイルじゃないんですよね。だから活気もなくて。そういう良いところがあって、その中で育ってきたから残したいなと思うし、見たら面白いと思いますよ。どこの浜を探してもこんな風景無いですもん。今年の9月には組合の建屋が完成する予定で、完成したらそこで働くお母さんたちと仲良くなるというのも面白いと思う。外から来た人が浜のおかあちゃんたちと仲良くなって、旬の魚を送ってもらったり、向こうからお返しをもらったりというツナガリが震災前からあって。俺だったら浜の母ちゃんと友達になりますね。おせっかいじゃないけど、お客さんが来ると食いきれねえくらい魚を出すのが好きで。そういう御母さんも地域資源だし、そういう人達と外から来た人たちが関わったら面白いと思うんですよね。

2015年5月13日

5月13日 相馬市松川浦・漁業のいま?

引き続き、福島県相馬市 松川浦で漁業再生に取り組む若き漁師、菊地基文さんのインタビューです。

菊地さんは震災後、この港の再生を目指して、新たなご当地グルメを開発。放射線の影響で水揚げ量が限られる中、そのPRも積極的に行っています。

それが『どんこボール』! 元々、この地域の漁師さんの「まかない」だったものです。


こちらはどんこボールを使った、相馬市内の料理店のメニュー。こうして卵でとじて食べるの。旨いよ〜!!

◆漁師のまかない「どんこボール」!
どんこは、エゾイソアイナメというタラ科の魚。タラより柔らかくて上品な白身で肝が美味しい。東北や北海道の港町では食べられている。その魚を使って、身と肝をたたいてつみれにする。出荷制限がかかっているため北海道や青森、岩手から仕入れて作っている。最近、重点魚種に揚がったのでもうちょっとデータを重ねれば水揚げして良いということになりそう。ここのどんこが使えれば製造コストも下げられて安く提供できる。


ということでどんこボールの材料・エゾイソアイナメは、放射線のサンプリング調査が順調に進んでおり、「重点魚種」…つまり、水揚げに向けさらに詳しく調べる段階に。

さらにもう一つ、どんこボールをめぐる明るいニュースがあるんです!

◆復興グルメのナンバー1に!
おかげさまで、F1復興グルメ大会で初優勝できた。これもひとえに食べに来てくれた人たち、中西さんはじめ外から来てくれた人のおかげだと思っています。


復興グルメF1グランプリ去年の秋の大会で、どんこボールは見事優勝!こうなると どんこボールに続く新たなご当地グルメが気になるところ。これも教えてもらいました。

◆次なる相馬名物も構想中!
構想はいっぱいある。次はなにだそうか。ガニミソとか。ここのソウルフード。松葉ガニ(ズワイガニ)がこのあたりはいっぱい揚がるのだが、カニミソって指でペロッと舐めるペーストだがここのガニミソは、本当の味噌とガニミソと内子と半分にした甲羅を一緒に弱火で炒る。それをバリバリチューチューとむさぼる。それがまた酒が止まらなくなる。だから浜の人は酒飲みが多い。つまみが美味しいから。自分たちが商品に関わりたいというのが漁業者の中にあって、今度組合の建屋ができるのだが、そこに簡易加工施設も作ってもらうように協議している。そこで自分たちが獲って来た魚を、女性部のお母さんたちが製造して販売する。色々繋がってやりたい。加工はこれからの福島の魚にとってとても重要。加工品をPRしていきたい。地域全体で浜に携わる生産者から仲買さんから、お母さんまでみんなが関わって一つのものを作りたい。


松川浦では現在、水揚げした魚を加工する施設が不足しており、これも水揚げ量が制限される原因なのですが、この秋、新たな施設が完成する予定です。

どんこボールは・・・相馬市内の復興商店街にある報徳庵、東京日本橋「遠忠商店」、 で小売販売をしているほか、市内4店舗でお料理が食べられます。また、東京 板橋駅そばの「しめちこちゃん」というお店でも頂けます。

明日も、松川浦の漁師・菊地基文さんのインタビューをお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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