2015年4月24日

4月22日 岩手県大槌町 漁師を目指す高校生3

震災で、漁師だったおじいさんを失ったことをきっかけに、漁師になることを決意した岩手県大槌町高校2年生・菅野柚樹くん。海が好きで、釣りが好き好きでしょうがない・・・という柚樹くんはいま、まっすぐに自分の将来を見据えて、叔父さんの作業を手伝っています。


◆後継者として大槌をもっと活気づけていきたい!
(柚樹くんは色んなお手伝いをして、おじいちゃんの背中と叔父さんの背中を見て学んでいると思うんだけど、どんな漁師になりたいですか?)船は持ちたいですね。船舶免許を取ったら叔父みたいに稼ぎつつ、みんなで活気があってワイワイやる中で仕事がしたい。じいちゃんもそういう仕事をしていたから、後継者としてやっぱり大槌町をもっともっと活気づけていきたい。今は漁師が減っているんです。だから後継者が増えればいいと思っています。大槌のメインは海産物なんです。ワカメとかホタテとか鮭とか。それを獲る人がいなくなったら大槌から活気が無くなっていくんです。だから若い奴が増えてほしいですね。若い奴が増えないとダメなんで、増えない限りは良い方向にいかないと思うんですよ。だから自分から発信するしかないんでしょうね。俺は友達にも言っているんです。だれか漁師やっぺって。でもみんな「ええ〜、めんどくせえけん」みたいな。じゃあ俺しかいねえのかなって。誘ってるんですけど。一人でもいいんですけど、若い奴らがもう少しいたほうが活気づくからいいかなと思って。増やすしかないですね、どうにかして。(すごいね。自分がやりたいだけじゃなくて、本当に大槌の将来のことまで含めて漁師というものを考えているんだね)そうですね。とりあえず漁師をやって大槌町が有名になるように一所懸命やってます。
(お魚は美味しい?)旨いっす。食えないものがないので、ああうめえ!って食ってます。(何が好き?)なんだべなー、何が好きかって聞かれると、全部って言っちまうんだよな・・・なんだべ。ホタテかな。牡蠣もいいな。あ、無理だ。選べねえっす。選びきれない。(いっぱい大槌にはあるんだね)マジ大槌はいいっす。最高っす。この時季はワカメですね。あ、俺ワカメが一番好きかも。(ワカメどうやって食べる?)味噌汁かなやっぱり。けどやっぱり大槌の味噌汁と違うところの味噌汁は味が違うから。味が違うとまた違うおいしさも出てくるので。俺は自分ちの味噌汁が一番好きです。お母さんのが美味いです。でもたぶんワカメが美味いんじゃないですかね。



大槌の漁師になりたい!という夢を持つ菅野柚樹くんは、ただ自分の夢を追いかけるだけでなく、後継者不足という問題意識をしっかり持ち、町の未来をきちんと見据えていました。大槌の未来の星であることは間違いないようです☆
柚樹くん、がんばって!!

柚樹くんが手伝っている「丸正 佐々木」のHP

2015年4月21日

4月21日 岩手県大槌町 漁師を目指す高校生2

引き続き、岩手県大槌町から、漁師を目指す、高校2年生に焦点を当ててお届けします。



高校2年生の菅野柚樹くんです。毎朝 早朝から「見習い漁師」として、叔父さんの作業を手伝い、さらに地元の高校に通う、、、という生活を送っています。

でも柚樹くん、いまの毎日は全然つらくないそう。というか「楽しくてしょうがない」というんです。本当に海が大好きで、釣りも大好き。それを象徴するこんなエピソードがあるんです。

◆釣竿を持っているだけで興奮する!
震災があって、今まで海で釣りをしていたのが遠くなり、じゃあ今度は川だ!ってなったんです。そうだ川だと川釣りをはじめた。川もいいなと。ヤマメとかイワナとか。海の方が魚種が多いんで楽しいけど、海と違って川の魚は頭がいいので、その難しい中で釣れるのも面白い。最初はエサ釣りだったが飽きたのでルアーでやろうと。色んな川をめぐって最終的にはすごいでっかいニジマス、57センチのを釣りました。竿が折れそうでしたもん、ぐにゃっと曲がって。やばいもう無理だ!ってなって、釣れた時は本当に嬉しかったです。釣れた時が一番楽しいけど、竿を持っているだけで気持ちが興奮してくる。とことん好きなんですよ。


ちなみに、柚樹くんは中学の修学旅行で東京ディズニーランドへ行ったのですが、その時も東京湾でシーバスを狙おうと考え、「釣り竿持ってっていいですか」と先生に聞いたそう。当然ダメだった。

本当にやんちゃで、ただ好きだから、ずっと釣りをしてきた柚樹くんですが、震災をきっかけに、真剣に、将来のことを考えたと言います。おじいさんのような漁師になる。そう決めた時のことを話してもらいました。

◆海が好きだし、面白いから。
津波が来て(漁業を)誰もやろうと思わなかったんですよ。もういいや、みたいな。でもまさくん(叔父のまさしさん)が、「漁師やってたやつらがなぜ津波が来たからってやめるのか」と立ち上がり、海のがれきの撤去を始めた。みんなも「俺もやるべな」と。辞めた人もいますけどそれで漁師の人が増えていったという感じです。漁師はカッコいいっちゃカッコいいっすね。俺も釣りは好きだけど働くということは頭に無くて、漁師になるなんて当時は思っていなかった。でも「おめえも手伝え」って言われてやっていくうちに、こういうのも面白いと思うようになって、じいちゃんが亡くなって後継者のことを考えたら、これが宿命というか後継者になるしかねえのかなと思って。海自体が好きだし、これはもしかしたら自分に向いていると思った。けどぶっちゃけ言えば俺のかあさんは反対しているんですよ。そういうキツイ仕事をやらせたくない、つらい思いさせるのはイヤだと言っている。でも俺はやりたい。でもキツイぞと言われて、わかったと今はこうやって仕事を熱心にやっています。(面白い?)面白いです。なんかとりあえず面白い。たしかに辛い時、やりたくねえというときもあるけど、行けばなんやかんやで面白くなります。

           
柚樹くんが、漁師になるという話をする時、本当に何の迷いもありません。まっすぐ、よどみなく自分の夢を語る姿が印象的でした。



まだ、船に乗って漁をすることはできませねんが、高校卒業する頃には、船の免許を取って、叔父さんの船で海へ出られることになりそう。その話を叔父さんとする時の目のキラキラといったら・・・!



あしたも、菅野柚樹くんについてお伝えします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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