2015年4月16日

4 月16日 フィッシャーマンジャパン4


今週は、震災後に立ち上がった、宮城県の若き漁師たちの集団「フィッシャーマンジャパン」の中心メンバー、阿部勝太さんのインタビューです。

漁業をカッコよく をコンセプトに集まったフィッシャーマンジャパン。現在13人のメンバーには、それぞれ得意分野を生かした「持ち場」があります。その中には、「世界」に目を向けて活動をするメンバーもいるんです。

◆世界を視野に。漁師が自分の足で
うちも輸出に対してメンバーの一人が力を入れている。津田という魚屋さん。あとは「活魚屋」という生きた魚専門で取り扱う業者もメンバーにいる。魚屋の津田は特に、三陸の中でも魚種が一番多いとされる石巻のものについて誇りを持っていて、金華山という素晴らしい山があるから。世界中にこんな素晴らしいものがあるということを伝えたいという思いがある。ワカメを食べるのはアジアだけ。アジアでもここ10年で浸透したところ。最初は日本と中国と韓国くらいで、震災前にタイとシンガポールが食べるようになった程度。これからはヨーロッパの人にも食べてほしい。食べてこなかった文化に対して新しいものを入れるのは難しい。食べ方から教えなければいけない。でもそれをやりたい。入り込むところがあるということは浸透する可能性もあるということ。今は色んな所に教えを請い、組んでもらいながらやっている。漁師がそこに目を向けて自分の足でやり始めたのが重要。誰かに頼ってただものを下すだけではなく自分の力で1キロでも10キロでもいいから売ってみるというのがすごく重要。それが商売になるかならないか。それを当たり前にやっている商社さんからすると笑い話かも知れないが、まず一歩登ることが重要なんじゃないかなって。


その他、フィッシャーマンジャパンには、漁業体験と観光を組み合わせた企画を考えるメンバーなどもいます。阿部勝太さんはイベント担当。石巻のイオンモールで毎月第1日曜日の午前中に「朝市」を展開しています。さらに! メンバーの中にはDJやラップが出来る漁師さんもいて、ゆくゆくは音楽イベントも企画したいと話していました。

最後に、フィッシャーマンジャパンが目指すものを伺いました。

◆宮城発信で、日本の漁業の成功事例を
震災後の宮城って、この地域を何とかしたいという人がすごく増えた。日本で一番変われる県なんじゃないかなって思ったこともあります。田舎だけどやっと面白くなってきた。今まで新しいことの中心は都心で、そこじゃないと何もできないという想いがずっとあった。でもそうじゃない。地方発信型でも新しいこと、大きいことが出来ることを見せたい。うちらが宮城の漁業から小さい頃でも成功事例を作って日本の漁業自体がちょっとでも変わったらいいなと思う。自分も友達を震災で失っていて、あの時の犠牲があったから日本はこう変わった、みたいな。このままこの地域が人が減り無くなったら、亡くなったやつらに申し訳ないなという想いもあって。


フィッシャーマンジャパンの詳しい情報はこちらから。

2015年4月15日

4 月15日 フィッシャーマンジャパン3

今週は、震災後に立ち上がった、宮城県の若き漁師たちの集団「フィッシャーマンジャパン」の中心メンバー、阿部勝太さんのインタビューです。



石巻市・十三浜のワカメ、先週お伝えした牡鹿半島・牧浜の牡蠣、東松島市・大曲浜の海苔など、質の高い海の幸を獲る腕利き漁師集団、「フィッシャーマンジャパン」。年齢は20代から40代。現在13人のメンバーは、震災後、共通の想いから、集まったと言います。

◆浜を超えて、次の世代のために
フィッシャーマンジャパンは、浜を超えて何かを生み出したかった。漁師は自分の浜の漁師でさえチームを組むのは苦手。基本的に一匹狼。浜を超えて連携するというのは今まで無かった。結局フィッシャーマンジャパンの共通点は「六次産業化」。既存のやり方ではなく自分で取って自分で売るという形。それは今までやったことが無いからみんな勉強をした。震災後の勉強会の場で出会ったメンバー。今は気仙沼、仙台、亘理や閖上の地域の漁師がいないが、そこさえ入れば宮城県のは時からは時までざっくり言えば全部そろう。自分の損得じゃなくて夢を持っているメンバー。それは後継者を増やしたいということ。自分たちが最年少クラスで、その下が続いていないという話はどこの浜でも共通。各々やってきた活動は違うが、共通する思いは、なんとか次の世代へつなげたいということ。自分の地域がこのまま過疎化していく、自分の故郷が消えていくのは嫌だという。漁業者は過疎化の最後の砦といわれる。海で仕事をしなければいけないから朝も早い七カバに家を建てて出ていけないのが一次産業者。一次産業を守ることが過疎化を食い止めることにもつながってくる。会社の目標は10年で1000人。1000人てさほどじゃないじゃんと思われるかも知れないけど、今の漁業の世界から見たらとんでもない数字。年間1000人減ることはあっても10年で1000人増やすのは事例がない。それが俺らの目標で、来年6人入ることが分かっている。継ぐ気がなくて外に出てったやつが戻ってきたケースもあるし、全く関係ない福島県喜多方から高卒で入る子がいたり、宮城県の塩竈で高卒から郵便局員だったのに30歳から漁師になる子がいたり、様々ですね。(なぜ興味を持ったんでしょう)僕らのスタイルがカッコよく稼げる。稼げるだけでなくてカッコいいというのがポイントになっていて、漁師なのにアクセサリーを作ったり、音楽のイベントを開いたり。あいつら楽しそうにしているのにさらに稼げてるじゃん、という。それは漁師だけでなく、どの仕事だって楽しく稼げれば辞める人はいないし、憧れる。僕らは何種類もきっかけを作りたくて、無駄にPVを作ったり、無駄に手が込んでいる。そういうところでカッコいい職業でありたい。将来的には子どものなりたい職業トップ3に漁師がはいるような。

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パーソナリティ 鈴村健一

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