2015年1月12日

1月12日 成人の日特番『神戸に生まれて、二十歳の誓い』


今日は「成人の日」です。
そこで今週は、今年新成人となる2人の新成人にスポットを当てます。

いまから20年前の1995年1月17日。兵庫県南部を中心とした広い地域を、大きな揺れが襲いました。阪神淡路大震災。震度7の地震とその後の火災で、多くの方が命を落としました。

今日「成人の日」を迎える20歳の出羽亮介君は、被害の大きかった神戸市長田区の出身です。
誕生日は1995年1月2日。まさに、阪神淡路大震災の、2週間前です。

◆震災当日
1月2日に生まれて、7日が退院で、地震が退院の10日後に起こった。実家がすぐ近所で、自分とこの子(出羽君)、おばあちゃん、お兄ちゃんと寝ていた。彼が寝ていた真横に三面鏡が倒れて、数センチのところだったのでゾッとして、生きているのがビックリするくらいだった。泣きそうだった。あの地震の揺れは今でも忘れられない。この子が生まれてからは、生活に追われていた。


出羽君のお母さん、珠津子さん。震災後しばらくは、家族で親戚の家に避難し、避難生活と子育てに追われたそうです。そこで印象的だったのは、周囲の人との「助け合い」。折に触れてその時の様子を出羽君に伝えてきました。

そして出羽君は、現在神戸大学の法学部に通う大学2年生に成長。勉強とダンスサークルの活動で忙しい毎日です。出羽君が、神戸市内にある「神戸震災復興記念公園」、通称「みなとのもり公園」を案内してくれました。

◆20歳で鳴らす、復興の鐘
(鐘の音〜)ここには震災の時間で止まった時計と、神戸の復興の鐘がある。5時46分を刻んだまま震災から20年間ずっと止まっている。ダンスの練習などで使うときにこの鐘はよく目にしていたけど、今日はじめて鳴らした。簡単に鳴らしていいものではないと思っていた。自分の記憶として覚えているわけではないが震災で沢山の人が亡くなって、亡くなった人の数だけではない悲しみがあって・・・ちゃんとした気持ちで震災の記憶に向き合うのであれば鳴らしていいという気持ちがあった。
今、復興した街であったり、今の神戸の状態を思って、それを踏まえて自分が20歳になった時に、この鐘を鳴らすというのは、これからに向けての始まり、そういう意味のある鐘の音にしなきゃいけないと思いました。



JFN38局では、今日、成人の日に出羽君の成長を通して神戸の復興を見つめる特別番組を放送します。
「TOKYO FM/Kiss FM KOBE共同制作
『2015年成人の日特別番組・神戸に生まれて、20歳の誓い』


番組では、出羽君が宮城県の沿岸部を訪ね、東北の20歳の青年と語り合います。
放送時間など詳しくは、特設サイトをご覧ください

2015年1月8日

1月8日 東松島の一番詰み海苔

東北 沿岸部は、冬の旬・新海苔のシーズンを迎えています。 今朝は宮城県東松島市の若き海苔漁師から、旬の便りです。


相澤太さんは、東松島市・大曲浜でおじいさんの代から続く海苔漁師です。 震災からまもなく丸 4 年。相澤さんによれば、海苔の養殖も徐々に、収穫量が戻りつつあると言います。そしてこの冬もシーズン最初に収穫される海苔、「一番摘み」の時期がやってきました。



◆一番摘みで、海を感じて欲しい
今年の一番摘みは年末年始から刈り取っているが、気候も秋口からよくて育苗もちゃんとできた。海にも栄養があったので海苔も黒く柔らかく、風味も良い。さっそくストーブで炙って食べましたが、味も濃くて磯の風味もある。

自分が作る海苔に関しては海を感じてもらいたいというのがあるので、毎年海は違うし海苔の味も若干違うので、それをそのままお届けしたい。今年はそのとおりにできたかなと思っている。自分なりに良いものを食べてもらいたいと海苔を作っているが課題も見つかった。今回の海苔に関してはもうちょっと口どけが良ければインパクトを与えられるなと思う。来年はまたそれをクリアしたいと思えたので、そう思える時は自分が伸びる瞬間。そう感じられたのは良かったと思う。


そんな相澤さん、震災前には海苔の品評会で優勝も経験。高い評価を受けています。
実は先日も、年に一度の品評会があったばかり。結果はどうだったのでしょうか。

◆見た目ではなく旨さ
奉献乾海苔品評会という、宮城県内の生産者が塩釜神社に海苔を奉納して、その年一番自信のある一番摘みの海苔を出品し審査員が選ぶ。優勝と準優勝のみが皇室に献上される。自分は23 歳で準優勝をたまたま獲れて28 歳で優勝。今回は二等賞と三等賞の間の技術賞をもらった。昔からの品評の仕方があり、評価は色とツヤがメイン。黒くて光沢があるものが良いものという基準。 味ではない。食べておいしいのはちょっと違う。自分が選ぶ厳選の焼き海苔は見た目を重視していない。それでは味が落ちてしまう。品評会用に作るなら違う作り方をするし、焼き海苔として食べてもらう用に作るなら味を重視する。その境界線でやっていたので技術賞に収まった。



ひたむきに、"美味しさ"にこだわる相澤さんの一番摘み、1 月末には販売が始まる予定。 オススメの食べ方を教えていただきました!

◆醤油はいらない!
白いご飯に合う海苔なので、さらっと巻いて食べてもらうと米の温かさと甘味、そのあとに海苔の旨みがドンと追いかけてくるように仕上げている。料理とはいえないがご飯と海苔で食べて欲しい。醤油はつけなくてもいける。自分が作る海苔は塩分を全て抜かず、海に近い状態で仕上げているのでぜひそのままで一度試してほしい。それと、誰がどこで作ったのかを見て食べて欲しい。味を比べて評価を作り手に伝えてくれると我々も嬉しいしやりがいもある。今後の目標も増える。食べる人と作る人がつながってくれたらお互い幸せだと思っているのでよらしくお願いします。


相澤さんが収穫した一番摘み『厳選』は、 1 月末ごろから、インターネットショップのヤフー「復興デパートメント」、 東松島市のアンテナショップ「まちんど」で販売がスタートする予定です。

また、1 月10 日(土)から12 日(月・成人の日)までは、
東京都大田区東急プラザ蒲田で、東松島物産展が催され、 相澤さんの「バラ干し海苔」や、東松島の牡蠣やお米の販売もあるということです。

東松島 まちんど
復興デパートメント
«前の記事へ || 1 | 2 | 3 |...| 639 | 640 | 641 |...| 1066 | 1067 | 1068 || 次の記事へ»

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN