2015年1月7日

1月7日 ギフトショップ「TOHOK」が伝える東北の手仕事3

東北各地に、古くから伝わる工芸品や、震災をきっかけに生まれた手仕事を、ストーリーとともに紹介。新たにブランディングして販売するギフトショップサイト「TOHOK」。

サイトを運営する友廣裕一さんは、震災後、半年かけて東北各地を回り、「よいもの」を探し回ったと言います。その中から、もうすぐ販売がスタートするアイテムを教えていただきました。

◆赤べこに新たな命を吹き込む
会津地域には「赤べこ」という民芸品があるが、これも衰退している。赤べこもすべて手作りする作り手は2軒しかいない。こだわりを持って作っているが評価と一致しないため、維持するのが大変になっている。それでも作り手の方は、この文化を絶やさないように続けていきたいという想いを持っている。そこで、作り手さんと話をして、ツートンカラー、鮮やかな2色の色合いで、「目」の部分を空白にした赤べこを考えた。10パターンのシールの中から赤べこに目を入れて命を吹き込むというもの。贈り物にする時にも、贈る相手に元気になってほしいという想いをこめて、その人に似た目をつけてプレゼントしたり、自分で描いてアレンジしても良い。新しい可能性を一緒に作るという意味で、一つ新しいものを出せたなと思っている。




東北のモノづくりと、それに関わる人たちに幾度も触れて来た友廣さん。復興に必要なもの、東北がもつ「力」について、こんな話をしてくれました。


◆モノづくりのDNA
震災のあと現地に入ってしばらくは、復興支援の意気込みがあったが、どこかのタイミングで「失われたものを埋める」作業だけでは限界があるし、突破できないなと感じていた。
プラスを描く中で自然とマイナスが引き上げられる、一緒に上がっていく展開をしなければダメだと思っていた。だから、みんなで良いものを作っていこう、知られてなかったものを届けようという動きを作りたいと思っている。
今の世の中で、手仕事を一つの生業にしようと普通は思わない。モノ作りは投資して規模感をもって大量生産・大量消費のモデルに入らないと成立しないと考えがちだが、そうではなくて自分たちの人生を豊かにしつつ、使ってくれる人も喜んでくれるものを目指して始まった。その背景には、雪深い東北で、冬になると家から出られない中、深々と雪が降る中で編み物をしたり細工をしたりという、阪神淡路大震災のあとの神戸には生まれなかったものがある。
たぶん東北にはそういうDNAがある。作ること自体が目的なのではなく、使う人を想像して、使ってくれる人の幸せを考え、思いを込めている。本来手仕事はそういうものなのかも知れないが、
そうやってモノを作るのは価値がある。小さなプレーヤーが、こんなことしたい、やろうとしている人が少しずつ前に進むのを後押しするようなことができればいいと思っている。

2015年1月6日

1月6日 ギフトショップ「TOHOK」が伝える東北の手仕事2

引き続き、東北各地の手仕事、工芸品を扱うギフトショップサイト「TOHOK」について、お伝えします。

サイトを運営する友廣裕一さんは、震災後、宮城県石巻市でボランティアをする中、復興のために「モノ作り」を始めた地元の方が数多く現れたことを知り、可能性を感じたと話します。そして、東北に根付く「モノづくり」の魅力を広めようと、活動を始めたんです。

◆チャリティではなく「よいモノ」を
工芸品もそうだし、震災後に新しく生まれたモノもそうだが、「よいモノ」がちゃんとそろっていて評価されるブランドや状況を作らないといけない。「チャリティだから買って下さい」ということでは、もし僕が消費者だったら買わない。良いものを選りすぐって集めたかったので、東北中を回り、色んな人がどういう風にモノづくりをしているのかを見て、ストーリーを拾った。その中で、これなら紹介したい、若い人たちにも評価してもらえるというものをセレクトした。ストーリーをまとめて、「贈り物」に特化してはじめた。

例えば岩手県久慈市の山間で、おじいちゃんおばあちゃんが作っている「ほうき」。これはほうき草という草を種まきして育て、収穫して干すというところからモノづくりが始まる。それを束ねてほうきを作るということを長い間やってきた。今までは各家々で好き勝手に好みで作っていたので、規格もサイズもまちまちで道の駅で細々と売られていた。これはもったいないと思い、サイズを小さくそろえ、会津木綿の布をつけて、赤・青・黄色の三色で販売したところ評判がよく、結婚式の引き出物にも使われた。「今まで日の目を見なかったものが祝いの席で使ってもらえた」と、地元のみなさんも喜んでくださった。そういう橋渡しができたことで、役割が見えたと思う。手ぼうきは網模様も特徴的で、カーペットなどですごく使える。縮れが強く埃もとれる。若い人も反応してくれて購入してくれたのが意外な反応でした。




そして、その手ぼうきにも使われている福島県の「会津もめん」。こちらも、新たなブランディングで商品化されています。

◆会津の伝統工芸をブランディング
会津地域で、原発事故の影響でお母さんたちがやることがない時期に、なにか仕事を提供できないか、作れないかと考えた。会津木綿は400年前から続く工芸品だが衰退を続けていて、織元は30軒から2軒に減っている。この両者を結びつけて新しい価値を作れないかとはじめたのが、会津木綿のストール、コースター、ブックカバー。若い人にうけるブランディングや見せ方をすることで、チャリティではなく一つのブランドとして評価された。背景のストーリーだけでなく「これかわいい」という感じで買ってくれている。



そして、ギフトショップTOHOKは、きょう1月6日(火)から12(月・成人の日)までは、東京新宿の「ルミネ新宿店」にて、期間限定のショップを出店するということです。

★ギフトショップ「TOHOK」
★ルミネ新宿店イベント
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パーソナリティ 鈴村健一

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