2014年9月16日

9月16日 東北沿岸700?を大学生が歩いてつなぐ旅(8)

引き続き、「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」、3週間の旅を終えた8人の学生たち一人一人の声をお届けします。




青森県八戸から福島県相馬まで、東北沿岸部を繋ぐ全長700キロの歩く旅のルート「みちのく潮風トレイル」。学生たちはそれぞれテーマを掲げて、この旅に臨みました。旅を終えたいま、8人は、そのテーマに、どんな“答え”を見出したのでしょうか。きょうは3人の学生の声です。

◆あるいてつないだ道の先に
立命館大学2年 南下チーム森恭平です。「これからの東北を見つめて」というテーマでした。復興の進み具合は全然違うので一概に“東北はこうだ”と言えないけど、共通しているのは人口の流出であって自治体単位で新しい取り組みを始めたりとか今回のトレイルのようなことをはじめて、新しい人に来てもらって魅力を伝えて人工流出を食い止めようとしているが、その中でよくなる悪くなるをスパッと言っちゃうのは無責任で申し訳ないと思う。個人的な願いとしては、良くなってほしい。単純に良くなってほしいというのが歩いた感想ですね。

京都造形大学3年生 南下チームの姫田光です。「東北の商品や企業の魅力を発見して発信していきたい」というテーマです。いろんな商品や一次産業の漁港で働いている漁師さんの話や、東北の面白い商品…織物が東北は多いんですが、織物の歴史の話を聞けたりしました。羽織織りというのがあって、元々綿が東北は少ないので江戸や大坂から持ってきた織物を使って、使えなくなったらその糸を裂いてそれを織るという寒い地方ならではの織物。一つの商品を何度も何度も作り直して使うという寒い地方ならではのステキな賞品があって魅力的でした。

東北芸術工科大学2年 南下チーム高橋麻里子です。「東北に残る和の心」がテーマ。和の心というのは、元々はみんなで手を取り合って輪になって頑張るという意味があるんですが、この旅を通してそういう部分も感じたのですが岩手県の釜石市で「てんでんこ」という言葉を教えてくれたおばあさんがいて、それは「まず自分のことは自分で守る、自分の命は自分で守るんだ」というという話で、そういうお話をしている方に結構であった。それを聞いたときに、まず誰かと手を取り合って頑張るためには自分が自分のことを、ちゃんと考えて自分を大事にすることができるから、それがあってはじめて、手を取り合ってお互いのことを考えて暮らして生きていけるということに繋がるのではないかな、ということを考えるようになりました。



3人目に話してくれた仙台出身・高橋麻里子さんは、ほかにもこんなことを言っています。
『この旅でたくさんの人に出会って、そのたびにサヨナラではなく、“行ってきます”と言って別れました。旅で出会い、また会いたいと思う人がたくさんいます。みちのく潮風トレイルをこれから歩く人たちにとって、三陸が、また帰りたくなる故郷になればいいなと思っています』

明日も、みちのく潮風トレイルを踏破した8人の声をお伝えします。


「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」Facebook

「ランドネ」サイト

2014年9月15日

9月15日 東北沿岸700?を大学生が歩いてつなぐ旅(7)

「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」。3週間の旅を終えた、8人の学生たち、一人一人の声をお届けします。

先週お伝えしたとおり、2組に分かれ、北は八戸、南は相馬をスタートした大学生たちは、700キロの旅の末、先週9月11日に、合流地点の三陸鉄道南リアス線「恋し浜駅」でついに再会を果たしました。



700キロ・3週間の旅を終えた8人は、この旅でなにを持ち帰り、どんなことを語ってくれるのでしょうか。 まず、北上チームのリーダー、東北芸術工科大学3年・佐藤亨さんです。

◆出て戻り、登って下って・・・リアスで感じた大自然
一番伝えたいことは東北の自然の豊かさ。これを旅で感じたので伝えていきたいと思っています。特に南下チームはリアス式海岸を南下してきて、半島に出て戻り、出て戻り、山をあがって降りる、上がって降りるというクルマでは体感できないことを徒歩で体感できた。一番印象的だったのが、大須海岸の海岸沿いを歩いたこと。トレイルなので山というイメージがあるけど、砂浜を登山のかっこうで歩くというはたから見ると何やっているんだろうなという格好だったが、それも魅力の一つなのかなと感じましたね。


佐藤さんは自衛官として被災地で捜索活動を経験後、学生になった方。
「いままでの東北、いまの東北、これからの東北」をテーマに、旅をしてきました。今後はこの旅を振り返りながら、これからの東北について考えていきたいと話しています。

一方、将来はラジオの仕事をしたいという南下チームの女子、東北芸術工科大学4年 大津悠美子さんは、今回の旅でたくさんの“言葉”を持ち帰ったことを誇らしげに語りました。

◆このトレイルで掲げたテーマが「ツナガリから生まれる会話」ということで、出会った人たちととにかく会話を楽しむことから始めてみました。被災地を歩くということで最初はためらいもあって、どんな質問をしたらいいだろう、どんなことから話せばいいんだろうということを悩みながら歩いていたんですけど、すごく地元の方々が暖かく迎え入れてくれて、「こっから歩いて行くの?」って驚かれたり、「あがらい」って招いてくれたり、「これけ(食え)」っって地元特産のものやおばあちゃんのうちで取れる野菜を頂いたり、最後には「またきてけさいね」って手を振ってくれて、徐々に心の距離を会話によって埋めていけて、このトレイル23日間で、改めて持ち帰りたいと思った言葉がたくさんありました。

今日はたまたま海岸にいたおばあちゃんと話した時に、おばあちゃんの家はどこにあったのとか、何しているのという会話から、どこまで津波が来たか、どんな職業をしていてどんな家族がいるのかというところまで見えてきて、震災の爪痕がどのくらい残っているかという現状や、自分たちがそのおばあちゃんにどんなことがしてあげられるんだろう、という感情が、ちょっとした会話から生まれる瞬間が自分は大好きだなと思いました。



明日も、旅を終えた学生の声、お伝えします。


「あるいて、つないで、みちになる〜ぼくらのみちのく潮風トレイル」Facebook

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パーソナリティ 鈴村健一

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