2014年3月4日

3月4日 JFNとイオンが結ぶ防災協定

震災からもうすぐ3年。
今週は、次の災害に備える、さまざまな動きをご紹介しています。

TOKYO FMをはじめとするJFNと流通大手イオンは、昨年、「災害時における総合防災ネットワーク構築に関する協定」を締結しました。全国に38のネットワークをもつJFNと、地域の暮らしを支え、防災拠点の役割を担うイオンが互いに協力して、災害時に必要な情報を提供しよう、という取り組みです。

そのきっかけとなったのが、東日本大震災の教訓です。震災では、三陸沿岸のイオン各店舗も被災しました。当時の様子を語ってくれるのは、イオン株式会社、コーポレート・コミュニケーション部シニア・マネージャーの鈴木茂伸さんです。

◆イオン店舗を避難所として開放した
当日気仙沼店、多賀城店、塩竈、相馬店が連絡がなかなか取れず、一夜が明けた。
気仙沼店については、従業員、お客様ともども、近くの高台に避難したので、なかなか連絡が取れない状況が続いた。仙台から衛星携帯電話を持ったものが到着して、全部ではないが安否の確認ができた。多賀城店はお客様を店長の判断で3Fの駐車上に600人ほど上げた。まわりが全部水になったが、そこで二日間ほど生活をした。同様にイオンタウン塩竈も、屋上にお客様と従業員を避難させて、そこで水が引けるまで生活した。
石巻店は、震災のなかでも津波にも合わず、地震でも建物の損傷がほとんどなかったので、津波で被災したお客様がお店に入ってきたので、そのまま避難所として開放することを決め、お客様を受け入れることになった。震災3日目には2500人程度のお客様が石巻店の中で生活することになった。
地域のインフラとして、常日頃営業しているので、食べ物は震災時の防災協定に基づいてお持ちし、その後こちらの物流センターから、朝昼晩三食渡すことができた。またラジオ、テレビなどの情報、携帯電話の充電、具合の悪い方に対して店に薬剤師がいるので薬をお渡しすることができたのが、皆さんにありがたがられたところ。


震災の時、従業員が独自の判断で、来店客の避難誘導や、物資の提供を行ったイオン。その中で多く上がったのが、「生活物資に関わる情報が欲しい」という声でした。これが、JFNとの協定締結に結びつきました。

この協定、具体的にどんな内容かというと・・
●災害が起こったとき、
 イオンの店舗と地元のFMラジオ局を衛星電話でつないで、情報をやりとり。
 イオンの各店舗に避難している人に、被害の情報を伝えます。

●また、避難所や周囲の状況を被害地域だけでなく、全国に発信。

●イオンは毎年、春と秋に大規模な防災訓練を実施。
 また、今後全国にある大型店舗を中心に、防災拠点を整備していく考えです。

JFNとイオン。
互いのネットワークを生かした、災害に備える取り組みが始まっています。

2014年3月3日

3月3日 みんなの防災手帳

東日本大震災からもうすぐ3年。今週は、災害に備えるさまざまな動きを紹介します。
今日は「みんなの防災手帳」です。

東北大学災害科学国際研究所が、昨年1月に立ち上げたのが「生きる力・市民運動化プロジェクト」。被災者の声を、今後の自然災害への備えや対策に生かそう、という取り組みです。
このプロジェクトの一貫として作成されたのが、「みんなの防災手帳」。
お話は、監修者の一人、東北大学災害科学国際研究所教授の今村文彦さんです。

◆生きる力 防災手帳
「生きる力・市民運動化プロジェクト」について。東日本大震災では非常にたくさんの犠牲者が出た。一人一人が自分で命を守る能力が問われた。我々、改めて今後の災害に備えるために、各個人がなにが必要なのかを考えたときに、一人一人の「生き残る力」「生き抜く力」のための知恵をまとめた。これが「みんなの防災手帳」。コンパクトに、時間軸に沿ってまとめている。
震災前のこと、また震災直後10時間、さらに100時間、1000時間。そういう時間軸の区切りの中になにが起きたのか、なにが必要なのかを反省も込めて、項目別に書いた。
震災直後ならまず津波から避難すること、火災から命を守ること。次に避難場所などの共同生活では、協力しながら生き抜く力について。また罹災証明書などは、経験がないと必用なことがわからない。実際に被災地で体験された方の苦い経験をもとにまとめている。


「みんなの防災手帳」、サイズはA6。ちょうど手のひらにのるコンパクトサイズです。
中を開くと・・
○まず「災害への備え」のページには「防災家族会議を開こう」という文字。家族の緊急連絡先を確認し、役割分担を決めよう、と書かれています。
○また発災直後のページには、災害から命を守る行動マニュアルなど。
○さらに被災生活については、避難所生活のノウハウに加え、ケガの応急手当の方法、ペットの避難場所の確認なども記されています。

「みんなの防災手帳」は今回宮城県多賀城市で制作されました。
今後、問い合わせに応じて、他の地域でも、制作と配布を行う予定。
それぞれの地域の独自の情報を織り込んでいく、ということです。

「みんなの防災手帳」について。
詳しくは「東北大学災害国際研究所」にお問い合わせください。


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パーソナリティ 鈴村健一

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