2014年1月14日

1月14日 いしのまき浜日和

今朝は、宮城県石巻市の「浜」の魅力を伝える小冊子「いしのまき浜日和(はまびより)」をクローズアップします。



石巻の沿岸部・リアス式海岸沿いに点在する漁村・集落を、地域の人はこれら集落を「浜」と呼んでいます。そしてこれら「浜」には、それぞれ特徴的な漁業や、伝統文化が今も受け継がれています。

「いしのまき浜日和」は、こうした「浜」の暮らしにスポットを当てた小冊子。地域で活動するボランティア団体や、ISHINOMAKI2.0、そして地元の新聞社「河北新報」などが共同で制作しました。河北新報の、大須武則さんに伺いました。

◆改めて知った「浜」の魅力
浜の再生をどうしたらいいのか、と考え浜の豊かな暮らしを紹介することで、浜の人たちが改めてその良さを認識し、遠くから来た人たちにも浜を伝えることで再生できるのかなと思い、積極的に浜を取り上げた。2013年4月に小冊子を作り、若い人たちからも評価を得た。これを拡充して、若い人たち、よそから来た人たちも地元の人たちも含めて一緒に作ろうと始まった。私は以前、水産関係の取材をしたことがあるので知っている部分もあったが、初めて知ったこともある。震災後にまた元気に立ち上がる姿を、彼らが一緒に行動を共にして共感を得ながら立ち上がる姿を見てきたというのは、現場を見に行けなかった私も勉強になった。





「いしのまき浜日和」には、石巻界隈の、それぞれの「浜」の人々が生き生きと描かれています。例えば、小渕浜(こぶちはま)ではアナゴ漁。このあたりは50センチを超える大きなアナゴが獲れる上。活魚の生産量としては、日本で一番多いといわれているそうです。また、鮫浦(さめのうら)のホヤの養殖を紹介したページでは、「三陸の海の味」ホヤを食べると、ビールも水も、“甘みを感じる”という表現で、その深い味わいを紹介。そのほか、ホタテ漁、わかめ漁、焼きハゼ作り、海苔など石巻の“海のごちそう”たちや、町の史跡、名所、食事処なども掲載されており、ガイドブックとしても使えます。

そしてこの本には、石巻の将来を見据えた、こんな想いが込められています。

◆石巻の未来のために
まもなく丸3年になるが、よそから来た人から見ると、土地はきれいに片付き震災の跡は見えなくなってきている状況にある。ただ、やっと復興のスタート台についたのかなと私は思う。いしのまき浜日和は若い人たちと一緒に作ったわけだが、スキルを持った若い人たちが石巻に、最初はボランティアとして、そこから長期滞在、そして住所を移し石巻の新しい住人として一緒に仕事をしていくようになってくれればなと思う。若い人が楽しんで仕事ができる、新しい仕事を作り出して、活気を作っていければなと思う。



Ishinomaki2.0出版『いしのまき浜日和』

2014年1月13日

1月13日 石巻トラベルレストラン

今朝は、宮城県石巻市から、ISHINOMAKI2.0の、2014年の新たな動きです。

地元の若い世代、県内外のクリエイターによる街づくり団体、ISHINOMAKI2.0。番組ではこれまで、海外のアーティストとの交流イベントや古民家の再生など、町を面白くする様々な仕掛けを紹介してきました。そんなISHINOMAKI2.0による、今年の新たな動き。それは、震災前に比べ、人口がおよそ1万人減少した町の、交流人口を増やすためのプロジェクトです。

◆観光客を受け入れる、石巻流のおもてなし
1万人いなくなってしまった町を元気にするためには交流人口を増やさなければいけない。そういった中で2つの、観光をテーマにしたプロジェクトが動いている。
一つが、先日発行した、石巻の浜ごとの特徴ある豊かな暮らし、漁の仕方や食材を紹介する『いしのまき浜日和(はまびより)』という冊子。
もう一つは、『いしのまきトラベルレストラン』という事業。単純に美味しいものを食べる、楽しく観光をするだけではなく、その土地の食材の収穫現場を体験したり、食卓で使う食器を一緒に作ったり、浜ごとの人たちと交流したり、、、そうしたことを含めて“まるごと美味しく頂きましょう”というプロジェクト。2012年10月に第0回を実施して、石巻を代表する水産物、牡蠣の水揚げ、殻むき体験をして頂いた。また石巻には、水産物だけではなく豊かな農産物がある。完全自然栽培のお米「ササシグレ」という、ササニシキの親にあたる非常に貴重なお米。これは有機肥料を使うのだが堆肥ではなく、前年に刈り取った稲わらを熟成させた肥料でお米を作る農法で作る。その農法で作ったお米を、「羽釜」というまんが日本昔話に出てくるような大きなお窯で炊き上げる。蓋を取った時にあがる湯気がたまらない。石巻の人がホストとなり、みんなで素晴らしい資源、食材を使い、全世界からくる人をもてなそうということを考えている。それが間もなく、2月に本格的に始動する。


ということで、説明してくれたのは、ISHINOMAKI2.0代表理事・松村豪太さん。

手に持っているのは、冊子「いしのまき浜日和」と、完全自然栽培のお米「ササシグレ」です。

いしのまきトラベルレストランは、石巻の田んぼや浜をめぐり、様々な体験をしたうえで、その食材がずらりと並んだ「一日限りのレストラン」で食事をするというプログラム。2月にスタートするということで、いち早く、その内容を教えていただきました。

◆テーマは「浜のお正月」
2月はまだちょっとだけお正月気分が残っているだろうということで、お正月をテーマにする。“浜のお正月”。石巻はエリアごとにだしの取り方や具材が独特で個性がある。あるところは焼きハゼを使ったり、ホヤでだしを取ったりする。これがまた濃厚な良い出汁が出る。あとは完全有機栽培の稲わらでお正月の注連縄を作ってもらう体験も企画している。

                   

いしのまきトラベルレストラン第1回は、2月23日(日)に実施予定。この回では、地元産のもち米を使った餅つき体験もあり、石巻の「浜」独特のお出汁を使ったお雑煮を頂くこともできる予定です。また、お料理は、石巻の老舗割烹の料理長が腕を振るうということです。※詳しくは、石巻トラベルレストランのホームページにまもなくアップされます。

★石巻トラベルレストランHP

2012年「第0回いしのまきトラベルレストラン」の様子です↓楽しそうじゃ!!

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パーソナリティ 鈴村健一

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