2013年11月21日
11月20日 東北記録映画三部作(2)
東北記録映画三部作「なみのおと」「なみのこえ」そして「うたうひと」。宮城県気仙沼市や福島県新地町で撮影されたのは、被災した当事者が語る「震災の記憶」です。監督は、酒井耕さんと濱口竜介さんのお二人。夫婦や親子、友人同士など、親しい間柄の二人が向かい会って座りあの日の記憶を語るという、独特の手法をとっています。
◆当事者同士が語りあう、震災の記憶
(酒井)いわゆるインタビューとは全く違うもの。被災者の方同士でお話しいただいている。例えば旦那さんは奥さんの話を聞くことに関してはプロフェッショナル。その瞬間とかはすごくいい時間だなと思ってみていた。
(濱口)普段親しい間柄だからこそ話していないことがあるんだな、とも思った。カメラの前という特殊な状況だから初めて出てくる言葉、あの時ほんとはどう思ってた?ということをようやく聞けたとか、言えたとか。普段より濃密なお喋りの時間ができあがっていった。
基本的に質問は3つ。「3月11日どうしていましたか。」「3月12日からいままでどうしていましたか。」「3月10日までどうしていましたか」。
(酒井)ある人は「震災前までのことが夢だったみたい」と話した。それって過去がうまく繋がれていない感じだが、話しているうちに、昔のこととか、住んでたときのこととかも話してくれて。「語り」を撮ろうとしたきっかけでもあるが、初めて「ああ本当にこういうことが起きたんだなあ」ということを知っていくという感じがした。
映画は現在「オーディトリウム渋谷」と「渋谷アップリンク」で公開中。詳しいスケジュールはオフィシャルサイトでチェックしてください。
東北記録映画三部作オフィシャルサイト