2013年11月14日

11月14日 食べる情報誌 『東北 食べる通信』 (4)

きょうも、『東北 食べる通信』、編集長の高橋博之さんのインタビューをお届けします。

史上初の“食べる情報誌”・・・『東北食べる通信』。編集長・高橋博之さんがこの月刊誌を創刊したきっかけは、2011年の、東日本大震災でした。高橋さんは、「たべもの」について真剣に考えることは、私たちが、生き方を考え直すきっかけに繋がる、と考えています。

◆食が切り開く新しい生き方
自分の口の中に入れる食べ物の出処を知るということは、自分の命と向き合うということ。食べたものが自分の体の細胞になっていくわけで、それにあまりにも、僕もそうですが無頓着すぎたと思っている。食べ物の出身地を知って、その育ての親を知るということは、すなわち自分の命に向き合うことそのもの。僕も18才で田舎がつまらなくて東京に出てきたが、今は東京もテクノロジーだとか途上国に仕事を奪われている。どういう価値観でどういう風に生きていけばいいか迷っている。都会の人と田舎の人が混ざり合って、平成版の”参勤交代”じゃないが混ざり合うことが大事。被災地でそれに気がついた。震災後、被災地を見ると、港町の価値が消えつつあった。それを守りたい田舎の人達と、その価値を持たない都会の人が、価値で響き、守りたいと結びつき、新しいコミュニティになりつつある。それは地縁や血縁ではない関係性で繋がれたもの。東京の人たちが「第二の実家だ」と言う。故郷がない人は、新しい故郷だという。東京の人が、石巻の親父だお袋だと、毎月行くわけですよ。地縁血縁に頼っているだけだと、
田舎も廃れるし窮屈で閉鎖的。そこに都市の人が入ってくることが大事だと思う。都市もまた乾ききっている。機械の部品みたいに心が摩耗して疲弊している。そこに田舎のドロッとしたところが関係性でなりたち潤いを与えている。双方が助かる道、楽しくなる、心躍る道だと思う。それを食を通じてやりたいなと改めて思った。





東北食べる通信HP

NPO法人東北開墾Facebook

明日は、被災地の子どもたちの自立支援に取り組む「サポートアワーキッズ」の、来年春に向けた動きをご紹介します。

2013年11月13日

11月13日 食べる情報誌 『東北 食べる通信』 (3)

きょうも、『東北 食べる通信』について、お伝えします。

「食べる人と作る人を、情報でつなぐ」。そんなコンセプトで、7月の創刊以来、すでに、多くの方が、記事と付録を通じて「ツナガリ」を持っていますが、実はその先に、もう一つの目的があると言います。編集長・高橋博之さんは、それを「お見合い」に例えています。

◆作る人と食べる人のお見合いの場
「街コン」などが色々とあるが、僕らは、作る人と食べる人が離れすぎてしまったので、その人達の出会いの場を作りたいと思っている。つまり「お見合い」の場。昔は食べ物は誰しもが自分で作っていたが、他の仕事が忙しくなり、食べ物を作ることを他の人に委ねてしまった。それが離れすぎてしまったので、食べる人と作る人が出会う場を作りたい。そのお見合いの場がこの東北食べる通信。毎月、素敵な生産者を紹介する。号が進むに連れて、「2月号の海苔の生産者、こりゃいいな。この人と長期的にお付き合いがしたい、継続的に支援がしたい」という人がいれば、CSAサービスというのがある。簡単にいえば
「わたしの漁師さん」。マイ漁師やマイ農家を持つ。自分の口に入れる食べ物を作る、知り合いを一人持つ。しかも自然リスクもシェアする。大型の台風が来れば牡蠣のイカダが全部やられてしまい、そのリスクは生産者が一手に負っていた。これを消費者も一緒にシェアする。実りも自然リスクもシェアして、応援する。これが今の食の現場の課題を解決することになるし、何よりも食べて美味しい。だからゆくゆくは、お見合いを経てわたしの漁師・わたしの農家を見つけ長期的に支援して、夏休みには子どもを連れて自分の食べ物を作っている農家さんを訪れ、一緒に土をいじり、舟に乗るという経験を提供できればいいなと思っていた。消費者は客席に座り、グラウンドに生産者が苦労している。だから客席から降りれば良い。降りるきっかけが東北食べる通信であり、CSAサービスだと思う。



お話に出てきたCSAとは、コミュニティ・サポーテッド・アグリカルチャーの略。アメリカ、フランスではすでに盛んに行われています。

東北食べる通信によるCSAは、1年間で12000円を前払いすると、「マイ漁師」や「マイ農家」から、年に3回、海産物・農産物が届きます。台風などで生産が少なかった場合、当然、反映される。ちゃんとリスクも負い、夏休みなどに、マイ漁師・マイ農家さんの地元に遊びに行って、漁業・農業体験や、生産現場の見学もできる!という仕組みにしたいと、高橋さんは話しています。



明日も引き続き、東北食べる通信についてお伝えします。

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パーソナリティ 鈴村健一

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