2013年11月12日

11月12日 食べる情報誌 『東北 食べる通信』 (4)

きょうも、『東北 食べる通信』について、お伝えします。

流通が発達し、大都市にいればどんな食べ物でも手に入る一方、「作り手の顔が見えない」のが、私たちの、食をめぐる状況です。そんな中、「食べる人と作る人を、情報でつなぐ」ために創刊した東北食べる通信。月額1980円に込められた「情報」は、たくさんの人の手に届き、食べる側・作る側両方に、様々なメリットを生んでいます。編集長の高橋博之さんのお話です。


すごく喜ばれるのが、Facebookのグループページで生産者と直接繋がれるので、「こんな風にして食べました」と読者が投稿し始める。それを生産者が見て、自分が作ったものを食べて、美味しいと言ってくれる人に触れると、作りがいがあるとすごく喜ぶ。逆に、消費者の厳しい目線に自分たちがさらされることにもなる。いい加減なものは作れない、ちゃんとしたものを作らなければいけないと生産現場の変革にも繋がる。あとは買い叩かれない。適正価格になる。国内盤のフェアトレードだと思うが、普通のところに卸してしまうと買い叩かれる流通の仕組みがあるが、これなら直接価値を理解してくれる消費者に、適正価格、自分たちでつけた値段で買ってもらえることが可能。生産者は「良いサービスを作ってくれた」と言っている。そして、1980円という値段設定は、だいたい600円分の生産物を届ける。牡蠣漁師が「この牡蠣は1個100円で売りたい」と言うのであれば、送料含めて5個という数になる。そこは生産者がつけたい値段になる。かぼちゃ1個600円というなら、かぼちゃ1個だけになる。スーパーに行けば全然もっと安く売っている。近所のスーパーの安いもの、というのが奥さんたちの感覚は、家計を預かっている以上しょうがない。これは、月に一度「体験を買う」教材。東京のスーパーで消費者が得られる情報は値段と栄養価だが、誰がどんな思いで作っているのかという生産現場の話がすっぽり抜け落ちている。そこが他の産業と一次産業が決定的に違うところ。そこをしっかり丁寧に伝えてあげればみんな理解してくれる。むしろ「こんな安くていいの」と逆に読者に言われる。時間と体験を買っているという感覚のようだ。



明日も引き続き、東北食べる通信についてお伝えします。

東北食べる通信HP

NPO法人東北開墾Facebook

2013年11月11日

11月11日 食べる情報誌 『東北 食べる通信』 (3)

先週に引き続き、『東北 食べる通信』にスポットを当ててお届けします。

史上初の“食べる情報誌”・・・『東北食べる通信』。東北の農家の方や漁師さんの生産現場、作り手の想いを紹介しながら、その「生産物」を付録としてつけるという月刊誌です。これまでの「付録」と、それを作った生産者の方の声を編集長の高橋博之さんに、教えて頂きました。

◆価値を伝えて、食べてもらう
創刊が7月で、7月は宮城県石巻市・牡鹿半島の牡蠣漁師を特集、真牡蠣を5つつけました。8月は岩手県久慈市(「あまちゃん」の里)の山形村というところの短角牛。100%国産のエサで放牧して育っている牛の肉を250グラム。9月号は福島県の相馬の漁師さんを特集。底引き網漁。残念ながら福島の海で水揚げしたものは規制され使えないため、北海道・青森から水揚げした「どんこ」という魚を使ったツミレ汁。新人漁師が船に乗って先輩のために作る賄い料理だったという。ビックリするくらい旨い!ふわふわしていて出汁もでて、「漁師が一番自信持ってオススメできるのがどんこ汁だ」ということなので、この際その味を多くの人に知ってもらいたい。そして10月号は岩手県遠野市のコメ農家と、秋田県潟上市のコメ農家、2つの30代の農家を特集。彼らは珍しいお米の作り方をしている。無肥料・無農薬で田んぼを耕さない、または馬で田んぼを耕すという変わった作り方をしてる。いわゆる自然栽培で作ったお米。それを料理して食べて下さい。結局自然栽培はコストがかかる。農薬をまいて大量に作る方がコストがかからないため、みんなそっちへ行ってしまうが、この2つの農家は安心安全なものを消費者に提供したいと。自分の子どもに胸を張って食べさせられるものを消費者に提供したい。小規模で手間をかけてやるためコストがかかる。だから価値を理解してくれる人たちに売っていきたいという思いがあるが、なかなかそういう場が今までは無かったので、東北食べる通信はまさにその価値を伝えながらまず食べてもらう、というコンセプトでやっており、喜んでもらえた。


そして東北食べる通信11月号は、福島県会津市の伝統野菜、かぼちゃと朝鮮人参。12月は岩手県大槌町の荒巻鮭、来年来年1月は福島県いわき市の冬野菜、キャベツとブロッコリー、2月は宮城県東松島市の、皇室に献上している、一番美味しい二番摘みの海苔、3月は南三陸町のワカメを予定しています。



明日も引き続き、東北食べる通信についてお伝えします。

東北食べる通信HP

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パーソナリティ 鈴村健一

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