2013年11月8日

11月8日 食べる情報誌 『東北 食べる通信』 (2)

きのうに引き続き、『東北 食べる通信』にスポットを当ててお届けします。

史上初の“食べる情報誌”として、この7月に創刊した『東北食べる通信』。東北の、農家の方や漁師さんを紹介した記事に、その「生産物」が付録としてついてくる月刊誌です。

編集長の高橋博之(ひろゆき)さんは、現地に行きそこで獲れたものを食べる美味しさを、
この月刊誌を通じて疑似体験して欲しいと言います。そして、その背景にあるのが「食べる人と作る人の距離」の問題です。

◆新しい生産組合
震災後、大槌町の高校生と話す機会があった。みんな港町が好きで海もホタテも好きだが、漁師をやることに手を挙げる人はいない。世の中において食べ物を作る人達の地位があまりに低い。食べる人と作る人の間に流通というのがあり、それが肥大化しすぎて、作っている人から食べる人まで、1,2,3,4、5,6,7くらいの行程を経て届いている。これまでは安く大量にという時代だったからしっくりきていたのだろう。しかしその結果、作る人から食べる人が見えない、自分が作っているものが誰に食べられているかがわからない。食べている人も自分が口に入れるものを誰が作っているのかがよくわからない。極端に距離が離れすぎてしまっているのが生産現場への理解不足につながった。このままでは農家も漁師も食えなくなり、地位が下がっているために応援する組織である団体が力を発揮できない。東北食べる通信を、僕は新しい生産組合と呼んでいる。消費者も入った生産組合。食べる人も作るプロセスの中に色んな形で参加していく。知るということから始まったり、食べる・交流する・理解する・現場に行く・・・どんな形でもいいから作る側に参加してもらいたい。作る現場には感動がある。今の世の中、作るところに関わりたい、携わりたいというニーズがある。被災地は全てがそう。全てが無くなったので作るしかない。そこにボランティアだけではなく、こっち(東京)の仕事をやめて向こう(東北)に転職をした人もいますが、やはりみんな「作りたがって」いますね。             




来週も引き続き、東北食べる通信についてお伝えします。

東北食べる通信HP

NPO法人東北開墾Facebook

2013年11月7日

11月7日 食べる情報誌 『東北 食べる通信』 (1)

7月に創刊したばかり、史上初の“食べる情報誌” 『東北食べる通信』は
毎号、東北の農業・漁業・畜産業にスポットを当て、生産者を取材、
現場の様子・作り手の想いを、写真と文章で伝えています。


そしてこの月刊誌の最大の特徴が、付録です。例えば7月の創刊号、特集は石巻の牡蠣。そして付録は「本物の牡蠣、5個!」。8月号は、「岩手県久慈市の牛肉」、9月号は「青森県・三陸沖で穫り、福島県相馬市で作ったドンコのつみれ」!といった感じで、毎号、取材をした生産物が、付録としてついてくるんです。

なぜ、こうした月刊誌を創刊したのか。
編集長でNPO法人東北開墾 代表理事の高橋博之さんに伺いました。

◆「食べると作る」をつなぐ情報誌
岩手・花巻で地方議員をやっていました。農山村で生産現場が弱っていた。作り手はみんな年寄りで若い人がいない状況の中で、国産の安心安全な食べ物が食べたいと、問題意識を持っていました。なんとかしなければいけないと。そこに震災が起きた。海に行くと海辺の町も全く同じ問題を抱えていて、普段内陸で僕らは魚を食べていますが、魚をとる人がいない、若い人がいない。震災後に半年後くらいに、大槌町の高校生と話す機会があり、みんな港町が好きで海もホタテも好きだが、漁師をやることに手を挙げる人はいない。いわゆる「きつい・きたない・かっこわるい」、世の中において食べ物を作る人達の地位があまりに低いという状況の中で、政治から身を引き、一次産業をなんとかしたいと考えました。
やはり現場に行って食べるのが一番美味しいとみんな言う。僕も海に行って漁師さんの顔を見ながら、目の前で穫れたものを食べると美味しい。同じものが内陸のスーパーに売っていて、それを買って食べたら美味いのか。確かに美味いが味わいの深さが違う。ならば疑似体験をしてもらう雑誌を作りたいと考え、生産者の思いや生産現場の感動、苦労、生き様、哲学を特集して書いて雑誌にする。それに食べ物が付いている。情報で「食べる と 作る」をつなぐ。食べると作るが大きな流通構造の中で切り離され、食べる人から作る人、作る人から食べる人が見えないというのが、生産現場の疲弊に繋がっているとおもったので、直接情報でつなげてやろうと発刊しました。


あす以降も、「東北食べる通信」についてお送りします。

東北食べる通信HP

NPO法人東北開墾Facebook
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パーソナリティ 鈴村健一

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