2013年10月21日

10月21日 東北サンさんプロジェクト 〜ツール・ド・東北2013

今朝は、サントリーと、東北の地元のメディアや企業が力を合わせて支援活動を繰り広げる『東北サンさんプロジェクト』のレポートをお届けします。

東北サンさん・プロジェクトの一環として行われるのが、中西さんがアンバサダーを務める『ツールド東北2013』。これは、石巻〜南三陸の沿岸部を自転車で走るイベントです。

先日、この「ツールド東北」を主催する河北新報の一力社長と、サントリーの社員で気仙沼出身のパラリンピアン・佐藤真海選手、そして中西さんによるインタビューが行われました。まず、河北新報 一力社長が取材陣に語ったメッセージです。

◆ありのままの東北を
二年半立ってありのままの東北を見てもらいたい。これ以上風化をさせず、情報発信をすすめる。やっぱり来てもらうってことが大事。こういう新しい動きがあるから、参加して欲しい。関心を持って欲しい。そういう仕掛けが大事になる。そういうのをそれぞれ乗り越えて、11月3日があるんだと思う。みんなでやるイベントだなという思いがしましたね。

河北新報の一力社長によれば、ツール・ド・東北の目的は   「来てもらう、見てもらう 自転車を通して被災地のあり方を考えてもらう」そして「地元の方と触れ合う交流の場づくり」でもあると言います。
例えばコースの途中には「エイドステイション」を設置して、そこで地元の方と触れ合ったり参加者を一般家庭が受け入れる「民泊」も行われ、31軒が部屋を無償で提供するなど、全国から集まる方たちと地元住民の交流の場が各地で行われる予定です。また、「自転車で走ることができるインフラを作り、自転車を楽しめる町づくりも今後提案していきたい」というお話もありました。

一方、気仙沼出身、佐藤真海選手は、このように話しています。

◆生まれ育った土地で
自分が育った宮城県でこのような大きなスポーツイベントが開催されるのはうれしい。私も三陸の海岸線が好き。全国から三陸に集まってくるのが意義のあること。スポーツで広がる笑顔の環、自分自身も笑顔に助けてもらってきた部分もあるし、震災後みんなで分かち合ってきた部分でもある。そういう笑顔の環を今回さらに広げていきたい


その他、河北新報 一力社長は、「震災後、被災地を自転車で走りたいという声を多く受けていた。自転車なら被災地の今というものを、車で通りすぎるよりリアルに感じてもらうことができる。」とも話しています。

≪東北サンさんプロジェクト≫

明日は、中西さん、佐藤真海選手の2人による対談の模様をお届けします。

2013年10月18日

10月18日 映像作家、海南友子さんインタビュー(4)


東日本大震災の直後から、福島に入り取材を続けた海南さんですが、現地に入って1か月もしないうちに、自らの妊娠が明らかになります。悩んだ末、福島を離れて、家族で京都に移住。2011年12月、元気な男の子の赤ちゃんを出産しました。そんな海南さんが、いま目を向けているのは、福島の「母子避難」の現状です。家族との軋轢や経済的な不安を抱えながら暮らす、福島の人たちの声を、記録し続けています。
   
◆福島の母子避難の現状を取材
ほんとに普通の福島の保険の外交をしていた40歳くらいのお母さんで、お子さんが4人いて、一番上のお姉ちゃんが高校生。下の3人は京都に連れてこれたんだけど、お姉ちゃんは「福島に残りたい」と言って、大ゲンカして、結局連れてこれなかったらしい。そのお姉ちゃんが「将来孫を産んだとき、なにか大変なことがあっても、お母さんに迷惑かけないから福島に残りたい。」と言われたみたいで、「娘にそんなことを言わせる社会を自分が作っちゃったんだ」と、お母さんが泣いていて。普段明るく元気に活動している分だけ、そういう想いを抱えているんだなと感じた。
例えば「避難する」とか「避難しない」とか、夫婦や親子で意見が一緒なら、それはそれで問題ないと思う。でも一番大事に思っている家族同士で、どうしても意見が合わないケースがでてくる。だから、放射能大丈夫だという人と、だめだという人の軋轢が、全部の家族にあって。親や兄弟からいまだに反対されたまま沖縄に来ちゃいましたとか、岡山に来ちゃいました、という人がやっぱりいて。
避難とか移住っていつまで続くのかはっきりわからない。汚染水もあんな状態だし、いつ帰れるのか、帰っていいのかわからない。そういう家族の苦しみみたいなのが、無限の和のように日本中に広がっていて。
残念なのは、事故からもう2年ちょっと経っているので、そういうのを皆さんフタして生活していると思う。直後みたいにわーって言える環境じゃなくて、心の中に織のように溜まっていくのをどうやって収めていいのかわからない。そういう家族の苦しみみたいなものをたくさん見聞きした。


海南さんは、自身の出産の経緯と、福島の避難母子への取材をまとめ、現在ドキュメンタリー映画を製作しています。
 
◆この時代に母になる意味
この時代に母となる意味って、どういうことだろう、というのをテーマに、いま映画づくりをしていて、自分を含めた(避難母子の)お母さんたちを取材している。これからできれば、チェルノブイリの事故のときにお母さんがどういう決断をして、それからどうやって世の中を変えようとしたのか。
わたしたちがいま知りたいのは、被害がこうだったかということじゃなく、これからどういう世の中にすればいいのかという道標が、わたしはすごく欲しい。そういうことが、幸か不幸か25年前にあったので、それを知っている母たちを訪ねて(チェルノブイリに)冬は行きたいと思っている。
それがちゃんとまとまって、来年どこかで公開したい。


海南さんは来年の秋を目処に映画を公開する予定です。仮のタイトルは「あの日から 変わってしまった この空の下で」。また先日、リーフレット「あなたを守りたい〜3.11と母子避難」もリリースしました。これまでの取材の様子や、避難母子のための保養施設のリストなどを掲載しています。詳しくは海南さんのオフィシャルサイトでもチェックできます。

海南さんのサイト
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パーソナリティ 鈴村健一

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