2013年10月9日

10月9日 会津若松がぶりガーデン@GTF2013in新宿御苑

今朝は、東京・新宿御苑で開催されたお祭り「GTF グリーンチャレンジデー」からのレポートです。

10月5日(土)・6日(日)に行われたこのイベントは、環境保全・生物多様性のアクションを応援するものですが、被災地復興へのメッセージとして、東北各地の食材を集めた「マルシェ」も開かれました。
その中で、秋の獲れたての果物をいっぱい並べて、販売・PRをしていたのが、「がぶりガーデン」。こちらは、福島・会津若松の果樹園です。

◆会津の老舗果樹園
がぶりガーデンは35年前、最初はぶどう畑から始まって果樹専門でやらせて頂いている。福島県会津若松市、北会津町という田んぼと畠しかない「ど農村」ですが、蛍で有名で、それだけ水がきれいな場所。だから果物もお米も野菜もなんでも美味しいものができる。震災以降、風評被害もあったが、みなさん食べて頂ければよく分かる。実際、検査をしてしっかり出してやっている部分についてはご理解いただいている方が非常に多い。色んなところで食べて頂いた方、最初は1個・2個買っていったお客さんが、あとになって「美味しかった」と注文してくれている。現状、色んなところで販売させて頂いているのも、単純に売り上げということではなく、ここで会ったお客さんとのご縁が、また縁になれば最高だなと思いながら回らせて頂いています。今はリンゴ、ブドウ、プルーン。秋の収穫シーズンなのでそのあたりが一番おいしいかなと思います。


お話を伺ったのは、がぶりガーデンの若旦那。専務取締役の星直樹さん。こちらは、去年もマルシェに出店していて、その時も取材しています。1年前は、風評で福島県外からのお客さんが「8割減」と話していました。 あれから1年が経過した、いまの状況です。

◆大河効果を次につなぐには
現状としては、お客さんは戻りつつある。ブームに乗っかった部分があって、大河ドラマ「八重の桜」の放映もあり、会津はお客さんが戻りつつあると思います。
(がぶりガーデンのお客さんは?)
それがですね、あまり波及はないんです。それは波及させるための努力が足りなかったと言われればそうかも知れない。ただ、一挙集中になってしまうのはどうしようもないですよね。だってお城(鶴ヶ城)が大シンボルですから。それをこれからの努力で、周りに波及させる。例えばシャトルバスを遠地に置くとか。そこから無料で走らせるとか。動かないとしょうがない。誰も認めてくれない。みんながやっていないことを一所懸命やって、そういうムーブメントを起こして、それを広められれば御の字かなと思う。活動できる仲間を増やしたいかなと思います。


◆お客さんの声
(女性)いつも見ている生のプルーンと違う、この辺には出回らないプルーンだということで買いました。生産者の顔が見えるところでは買います。
(男性)このプルーンがさっき食べたらめちゃくちゃうまくて。完売しちゃうんじゃないかと思って買いに来た。香りもいいし甘みもいい。みずみずしい。「がぶりガーデン」という言葉の響きからして全部が気に行っちゃった。


がぶりガーデンは、観光農園としてもぎ取り・食べ放題もやっています。
また、産地直送の通販もやっていて、
ファンも多く、東京から直接電話や手紙で注文を受け付けることも多いそうです。ちなみに星さんのおススメは、11月下旬、終わりごろにいっせいにもぐリンゴの「完熟!蜜入り! サンふじ」。星さんいわく「超おススメ」とのこと。このリンゴは、寒い時期に寒ざらしにすることで、ギリギリまで熟成させて甘みを引き出した逸品。県の品評会で金賞も取ったリンゴだということです。



明日も、「GTFグリーンチャレンジデー」のレポートをお届けします。

2013年10月9日

10月8日 被災地を舞台にしたノンフィクション小説『共震』(2)


東日本大震災の被災地を舞台にした小説『共震』。著者は、作家で経済ジャーナリストの、相場英雄さんです。復興を支える県職員殺害の謎を追う、ノンフィクション小説。復興支援に奔走する人達の姿を描く一方で、被災者支援金の詐欺横領やNPO法人の不正な寄付金の流用など、復興にまつわるダークな側面も描きだされています。

震災前から「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎シリーズ」で、東北各地を取材してきた相場さんは、震災後、ゆかりのある人達の支援や取材に動く中で、被災地の現状と復興の遅れを目の当たりにします。

◆復興を阻むもの
やっぱり行政の縦割り意識と、政治のリーダーシップの欠如、これに尽きる。小説の中では、県や市町村の枠を取り払って、復興支援のために走り回った方が殺されるというおおまかなストーリーを作ったが、たぶんそういう、県の枠や市町村の枠を飛び越えるという「お役人」というのは絶対にいない。「そういう人がいたらよかったよね」という僕の想いが、強く小説に投影されている。
政治家の方々も、個別に一生懸命やっている方はたくさんいるが、永田町と沿岸被災地の距離は物理的にも遠いし、この2年半を見ていて、もっとその距離が開いたなという印象がある。例えば仮設住宅にお住まいの方に聞くと、びっくりするようなことがすごくおきる。東北の沿岸のある街では、仮設から今月中に出ていかなければいけない人がいる。というのも、そこの地域特有の地形で、家を建てられる面積が非常に限られている。同じ集落の人達がもともと震災前から一つのコミュニティになっていて、そこに彼らの復興住宅を建てるので、(いまその場所にある仮設に住んでいる人は)出ていかなければならない。(そんなふうに)街ごとに事情が異なる。復興住宅の建設が5年後になるところもあれば、もう入居しているところもある。そこの早い遅いなども行政の仕組みが違うから。そこを一括して、復興庁が全部壁を取り払うべきなんだろうが、それが全然できていない。
僕はもともと新聞記者だったので、生活している人たちの声を聞こう、そこから始めようと考える。だから(小説の中で)震災に関わる主人公が被災した方から聞く話は、全部「なま」の話。被災地の方がどんなに過酷な現状を生き抜いてきたかというのは、ちょっとびっくりするような言葉がいっぱい入っている。ちょっと心臓には悪いかもしれないが、実際にそこに住んでいるかたが、現実問題として何十万人もいらっしゃるので、その人たちの気持ちを少しでも共有していただけたらな、というのがこの本の狙い。


タイトル『共震』には、「被災地に、共に寄り添ってほしい」という相場さんの想いが込められています。また、シリアスなシーンが多い作品ですが、東北各地のラーメンが登場するのもこの小説の魅力です。全部、実際にあるお店を描いているということで、ラーメンの描写もリアル。思わずお腹がすいてきます。興味を持った方は、ぜひ手にとってください。

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パーソナリティ 鈴村健一

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