2013年8月22日

8月22日 サポートアワーキッズinカナダ 子どもたちの声2

引き続き、「サポートアワーキッズ」の、カナダホームステイのレポートです。

今回、およそ2週間のカナダ・語学留学に参加したのは、岩手、宮城、福島をはじめ、千葉、栃木で被災した10人の子どもたちです。

現地では、ホストファミリーやカナダの子どもたち、日系人支援者の前で、
それぞれの被災体験を、英語でスピーチする機会もありました。

参加したメンバーの一人、福島県双葉郡出身の中学3年生、犬塚友佳子さんは、震災直後の3月12日に、福島第一原発の事故で避難を余儀なくされた経験を、この日のために練習した英語で伝えました。

2011年3月11日、当時、小学校6年生だった犬塚さんは、卒業式の練習をしている最中に被災。故郷・双葉郡を離れ、避難先をなんども点々とし現在はいわき市の仮設住宅で生活をしています。スピーチで伝えた想いについて、帰国後直後に伺いました。

◆自立するということ
震災というと地震、津波もそうだが、私が伝えたかったのは原発のこと。私のふるさとの街は帰れるようになったんですけど、みんな帰ってないんですね。なんでかというとお店もないし放射能も心配で人が集まってこないから。そういうことをスピーチでは話しました。
この2週間は自立心を育てていくということが目的にあったので、これからもっと自立していって、町の人達が帰れるように日本の政治を変えていきたいと思っています。今の政治って原発を促進しようと思っているじゃないですか。それが本当に許せなくって。でも街の人達が遠慮しちゃってるから。誰かが、誰かが立ち上がらないと・・・と思って、私ができればいいかなと思いました。
自立って色んな形があると思うんですけど、一匹狼でどんどん進んでいくことじゃなくて、みんなを引っ張っていく存在になることだと思う。立ち止まっていては何も起きないし、行動しないと何も始まらないから、とにかく勇気を出して行動を起こすことが大事です。



中学3年生、来年の春には高校受験を控えた犬塚さんは、震災・原発事故・避難生活という経験を経て、いま、「政治に関心がある」と将来の目標を語っています。  

明日も、サポートアワーキッズのレポートをお届けします。

2013年8月21日

8月21日 サポートアワーキッズinカナダ 子どもたちの声1

今朝も引き続き、「サポートアワーキッズ」による、カナダホームステイのレポートです。

各国の大使館と連携して、被災地の子どもたちに言葉や文化の違う海外でホームステイをしてもらい、自立心を養うサポートアワーキッズ。カナダへ旅立った10人の子どもたちは、およそ2週間の滞在を終え、19日(月)に帰国しました。

語学の勉強、日系人の支援団体やカナダ人の子どもたちとの交流、カナダ流のサマーキャンプ・・・カナダでたくさんの人やものに触れ、子どもたちは色んなものを持ち帰ってきたようです。

◆「苦労からしか学べない」ことを学びました
後藤雅陽くん(中学2年生・石巻市)
行く前の目標は外国に行って友だちを作ることが目標でしたが、見事に(笑)たくさんの友達ができました。外国人とのコミュニケーションは上手くできたと思っていますが、もっと英語を勉強しておけばよかったなと後悔もあります。いままで中学校だけの視野で見ていましたが、今はどちらかというと世界的に見るようになりました。

庄子灯さん(高校1年生・宮城県仙台市)
私は震災の地震の揺れの大きさと、自分がお父さんを亡くしたということで感じたことを伝えてきました。英語が通じるかなという不安は大きかったんですけど、自分たちが発表したあとに泣きながら話しかけてくれた人や、カナダの人たちが感じたことを話してくれたので、自分たちの英語でもちゃんと通じたんだなと思いました。日系人の方が多かったんですけど、カナダに来た時にバッグひとつで、6万5千円だけもって移住したと言う話を聞き、日系人の方もすごく苦労してきたんだと思いました。私もこれから簡単な道を選ぶのではなくて、苦労をして、自分が求めている自分になりたいなと思いました。

片平優香さん(高校3年生・福島県伊達市)
ホームステイのホストファミリーの方とずっとお話をしていて、一番心に残っていることがあります。その方も日系人だったんですけど、日系人の方々もゼロからはじめたことが何度もあるんです。戦後の何もない時代の話とか。それと震災もちょっと似ているところがあると思う。苦労して学ぶというか、人間は苦労からしか学べないということを学びました。



今回のカナダ滞在で、子どもたちを受けいれた日系人の方々は、150年前にカナダへ渡った何世代も前からの移住者、そして1965年以降の移住者がいるといいます。戦中戦後にカナダの日系人たちが受けた辛い体験や、文字通り「身一つで」移住し苦労した経験を聞く機会も多かったそうです。

カナダの日系人の方々が、大変な思いをして切り開いた未来。子どもたちはそこに、自分たちの境遇と似たものを感じて、大きな刺激を受け、帰国した様子でした。


明日も、サポートアワーキッズのレポートをお届けします。


«前の記事へ || 1 | 2 | 3 |...| 802 | 803 | 804 |...| 1066 | 1067 | 1068 || 次の記事へ»

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN