2013年7月8日

7月8日 サポートアワーキッズ2013 フランス語学留学 報告編(1)

今朝は、東日本大震災の被災地の子どもたちに、数週間の語学留学を体験してもらう「サポートアワーキッズ」、今年度の取り組みの、続報をお届けします。

3年目の今年、実施されるのはフランスをはじめ4か国の語学留学です。先月6月16日にその第一陣として10人の子どもたちが、フランスへ出発。2週間の語学留学を経験しました。

現地での様子、お伝えしましょう。まず現地滞在2日目。フランス ル・マン大学で行われた語学講座の模様です。




緊張しながらも、子どもたちは一所懸命、フランス語と英語を交えて、コミュニケーションを取っていました。そして、この日の夜はル・マンの宿泊施設で、地元の学生たちとの交流会も開かれました。



参加者の一人 、仙台市出身の15歳、星睦(ほし・むつみ)くんは、一日をこう振り返りました。

◆もっと自分から積極的に!
交流会の時に全然フランス語が通じないので大丈夫かなと思ったんだけど、あまり話しかけられなかったんですけど、途中から名前を聞かれて。一人英語が喋れる女の子がいて話して、「サッカーしようね」と言われて、そこからは楽しくて、素直に嬉しくて。でも相手の名前を聴けなかったので明日からはもっと自分から積極的に、フランス語だけじゃなくて英語でもなんでもいいけど、
自分からちゃんと聞いて友達になろうと思った。
               

滞在2日目、現地の同年代の学生たちとの交流会では、一緒にサッカーをする機会もありました。言葉が、なかなかうまく通じない中、子どもたちは、こうして徐々に交流を深めていったようです。


 
明日もサポートアワーキッズの話題。10人の子どもたちのフランスでの様子をお届けします。

2013年7月5日

7月5日 絵本「ハナミズキのみち」


今日は、一冊の絵本に込めた想い。絵本のタイトルは「ハナミズキのみち」。文章を書いたのは、岩手県陸前高田市の、淺沼ミキ子さんです。

淺沼さんは東日本大震災で、当時25歳の長男、健さんを亡くしました。淺沼さんは、地震の後、避難の途中で、一度健さんの姿を見かたと言います。そのとき健さんは、市の職員として、また消防団員の一員として、町の人達の避難誘導を行っていました。けれども、それが、息子の姿を見た最後となってしまいました。

◆やり場のない悲しさ悔しさ
震災後、語るところのないやり場のない悲しさ悔しさを、息子もそうだけれど、ほかの消防団の方たち、水門を閉めにいって、交差点で渋滞を誘導していて津波にのまれたという話も聞いていて、そんな方たちがどんなに無念でいるだろうと。
そんなことをずっと考えていて、残ったものとして、なにか形にして残していかなければならない、これを語り継いでいかなければ同じことを繰り返すだろうと。伝わりやすい形で、読み継いでいけるものということで、大人が子供に読んで聞かせる絵本、命が繋がる術になるのではと考えた。


淺沼さんはおよそ2年の歳月をかけて、試行錯誤を繰り返しながら、絵本を完成させました。絵本に描かれているのは、津波で亡くなった男の子と、避難の道標となるハナミズキの木。やわらかな色彩の絵が添えられています。

◆「ずっと見守っていてね」 
大事なひとを亡くした喪失感、家をなくし、大事なものを失ってしまった方たち。そうした喪失感はかなりのものがあったと思う。初めのころは、悲しみや苦しみから逃れるために、自ら命を絶っていく方もあると聞いた。そこから立ち上がるために、どうぞみんながんばっていきましょう、できることがあるはずなので、という想いも込めて、書き始まった。
わたし自身がこの本をつくることを目標として、2年間気を紛らわせていただいて、それに没頭することで生きてきたようなところがある。
息子には想いを込めた本ができたよという報告と、頑張ってハナミズキの木を植えていくから、ずっと見守っていてね、ということを伝えたい。


震災と津波の記憶。そして健さんが町の人達を守ろうとした想いを、伝えていくことが、自分の役割だと、淺沼さんは話してくれました。また、淺沼さんは「ハナミズキのみちの会」を立ち上げ、市内の高台へ続く避難経路にハナミズキの木を植える取り組みも行っています。

金の星社「ハナミズキのみち」
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パーソナリティ 鈴村健一

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