2013年6月28日

6月28日 JICA 地域復興推進員〜ガーナの経験を活かす(2)

昨日に引き続き、青年海外協力隊で知られるJICAの、「地域復興推進員」の取り組みをご紹介します。

宮城県・東松島市 野蒜(のびる)地区で活動を続ける、JICAの地域復興推進員の佐々木潤さん。アフリカ・ガーナでの青年海外協力隊としての活動を生かし、2011年から町の復興支援に取り組んでいます。2年に渡り活動を続けて気づいた、町の魅力について伺いました。

◆野蒜の魅力
野蒜地区の良いところは、元々あった住民の人たちの繋がり。震災前から行政区長や住民が集まる場、話し合いの場を持ち、あいさつ運動やお花を植える運動などでつながっていた。そうした人たちが震災後も一緒になって話し合いの場を持ち、こういう町にしていこう、協力していこうという気持ちを持ち、体制も作り上げている。横の繋がりは野蒜の強みだと感じている。私のような外部の者の活動についても、「出て行け」ではなく「ジュンちゃんも復興のためにやってくれているんだから」ということで家族同然の形で受け入れてもらっている。関係者の方にも、時には怒られながらも地元の人と同じような扱いでみなさん接してくれている。やはりありがたいというか、支援しているというより学ばせてもらっていることの方が多いと思っていますし、私自身、住民の人たちから生き方を学ばせてもらっていると思うことがすごく多い。高齢の方が多いのですが、生涯、地域のために活動している方がたくさんいて、自分の社会のため、地域のために活動するという人間の生き方を学ばせてもらっている。

そんな野蒜地区の将来像を、佐々木さんはどうイメージしているのでしょうか。

◆過去のことを一緒に笑えるように
10年後、20年後には新しい街が出来ていて、住民がたくさんの会議の場を持って住民自身でお花植えや住民のスポーツ施設、海岸などを住民自身で管理していて、自分たちでゴミ拾いをして素敵な町を推進しているような、外から来た若い人たちが住みたいと思うような、老若男女たくさんの人が住みたくなるような街というのを実現できたらなと考えています。野蒜は自分の第二の故郷と言っても良いくらいの街。将来は、街の人達と世間話をして、過去のことも話しながら一緒に笑えるような関係づくりをしていきたいと考えています。


来週は福島県 双葉郡富岡町を離れ、東京で避難生活を続ける あるご夫婦の今をお伝えします。

2013年6月27日

6月27日 JICA 地域復興推進員〜ガーナの経験を活かす

今朝は、青年海外協力隊で知られるJICAの、「地域復興推進員」の取り組みをご紹介します。

お話を伺ったのは、宮城県・東松島市 野蒜地区で活動を続ける、JICA地域復興推進員の佐々木潤さん。青年海外協力隊として、アフリカ・ガーナで活動している時に東日本本大震災が発生。帰国後、東松島でのボランティア活動を経て、2011年8月から、改めてJICAの活動に参加。野蒜地区で、復興支援に取り組んでいます。

◆ガーナで培った課題解決のプロセス
JICAの地域復興推進として東松島市で活動をさせてもらっている。目的はJICAとして震災復興への貢献を行うこと。10年後20年後へむけ新しい街作りをみなさんでやっていこうとしている中、多くの人が住みたくなるような持続可能な街づくりをめざしていく。住民主体の上で、NPOや専門家、行政と連携して街作りする中、色んな考えが出て色んな事業を実施していくことが有効な街づくりになるという考えのもとで活動。ガーナでは地域支援課として派遣され村落開発普及員として地元の人たちと問題を見つけて行って解決していくのが仕事だった。ガーナで信念を持って頑張ったのは、とにかく関係作り、協力作り。まず取り組んだのは地元に行って色んな人から現状の話を聞き、地元の現状課題の理解をした上で、その問題に対してそういったものを解決できる、課題を解決できる専門家などを横の繋がりの中で巻き込みながら活動するといった復興のスタンスとプロセス。それは東松島でも生かされているのかなと考えている。

東松島・野蒜地区では震災前から、地域が主体となってよい街をつくる話し合いの場があり、震災後もそうした地域の繋がりは続いているといいます。そこでは、どんな街づくりのアイデアが出ているのでしょうか。

◆住民が描く街の将来像
野蒜地区はキャラクターの「まっくん」という、松をモチーフにしたキャラクターもいるように「松林」が有名。この松を活かし、運河を活かした街づくりをしていこうというアイデアが住民から出ている。例えば運河沿いに民宿だとか宿泊施設をどんどん建設して、ヨーロッパの運河のような素敵な、観光客がどんどん来るような街づくりをみんなで実施していこうとか。被災した農地などに、農業、牡蠣、魚介類の研究施設を作り雇用が生まれるような場を実現できたらいいな、といったアイデア。元々野蒜にあった資源を生かした街づくりを盛り上げていこうという考えはすごく素敵だなと思った。それは元々野蒜にあった資源であり、みなさんが大事にしていたもの。そういうアイデアがどんどん出てきているのが今後の街作りに繋がっていくことなのじゃないかなと感じている。

今朝は、宮城県東松島市 野蒜地区で活動を続ける、JICAの「地域復興推進員」佐々木潤さんのお話をお届けしました。

明日も、JICAの地域復興推進員 佐々木潤さんのお話です。
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パーソナリティ 鈴村健一

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