2013年6月3日

6月3日 ひろたごはん

今朝は、岩手県陸前高田市から、食を通じた取り組み「ひろたごはん」という食事会イベントをご紹介します。これは、陸前高田市広田町の旬の食材を、東京の飲食店に持ち込み、お店を貸し切りにして、ご当地の家庭料理を楽しむというイベントです。

企画したのは、三井俊介さん24歳。陸前高田を中心に活動をする復興支援団体「SET」共同発起人・兼・現地統括という肩書を持つ若者です。東京の大学を卒業後、陸前高田市広田町に住民票を移し移住。地域活性に関わりながら、自立した生活を送っています。「ひろたごはん」は、そんな生活の中で生まれたアイデアです。

◆東京でできる”食べる復興支援”
僕らが広田町に暮らしていて感じたのは「食事がめちゃめちゃうまい」。地元のお家で食事を提供してもらって、とにかく東京で安いところで食うより断然美味。でも原材料は安い。それを東京に持ってきたらウケると思ってはじめた。本当に美味しいし、食べて復興支援という分かりやすさと、お食事会という楽しさがある。そういう楽しさを感じることで多くの人を巻き込んで復興支援に携わりたい。僕らがやっている広田で作った野菜を東京など外部に販売する事業があり、それを利用しておかあさんから野菜を仕入れて食べてもらう。魚は陸前高田の産地直送業者があるのでそこのお兄さんと仲良くなって企画を説明、協力してもらっている。いまは知り合いが中心。お店を貸してもらう場合もあるが、継続的な場所がなく開拓中。最近は東京でシェアハウスをしている若者たちが多いので、そこを貸してもらって食材を提供するホームパーティもできる。


現在、「ひろたごはん」は不定期に開催されていて、その時期その時期の旬な食材を提供しています。例えば、2月に開催されたイベントでは、こんな食材が並びました。

◆流通に乗らない食材を届ける
「まつも」と呼ばれる海草。これは三陸や北海道でしか獲れない高級品。その海藻を使った煮付けを地元のお母さんにレシピを教えてもらって、広田の食べ方で提供している。今回は早採れワカメ。ワカメは植林と同じで他の枝が育つように小さい枝を間引きしている。小さいのは切られてしまう。それを今までは捨てたり、破格で売っていたが本来とても美味。そういう流通に乗っていないものを食べてもらう、ということを考えながらやっている。




この「ひろたごはん」、5月にも開催されています。また、今後も不定期に開催されるということです。
詳しくは、復興支援団体SETのホームページをご覧ください。

明日も、「ひろたごはん」についてお届けします。

2013年5月30日

5月30日 女川「ママサポーターズ」(1) 高白浜布草履組合

震災後、宮城県女川町を中心に、女性のための仕事づくり、やりがいづくりに取り組んでいるのが、「ママズサポーターズ」代表、八木純子さん。地元の女性が手作りする「布草履」が、女川ブランドのアイテムとして、いま注目されています。

◆ 仕事をして収入を得、買い物をする。当たり前の生活を取り戻したい
2011年7月ごろからだんだん仮設住宅に移り始めて、それまで待望の仮設住宅だったはずなのに、家族が津波でバラバラになった方や家族が亡くなられた方が、仮設で一人ぼっちで過ごしたらどんな気持ちになるだろうと勝手に想像しこれはコミュニティづくりをしなくてはいけないと考えた。
また、やっぱり人間は働いて、その見返りでお金をいただいて物を購入するという当たり前の生活が必要なんじゃないかと思い、その2つの思いから就労支援を兼ねた布草履作りを始めた。
「高白浜布草履組合」という名前で、最初は7人でスタート。現在は4カ所、約40名のお母さんたちが作っている。普通はロープを使って編むが、ここならではの草履を作りたいということと、ごつごつした形で健康サンダルみたいになればいいなと考え、かぎ針で編む布草履にした。いろんなところでいろんな草履を作っているが、「ここだけの草履」というものにこだわった。
お母さんたちは始めは草履づくりの経験がまるでなかった。震災前は養殖業のお手伝いをしているお母さんたちがほとんどだったので、ものすごく大変な想いをして、3か月4カ月かかって、ようやく販売できる草履ができた。
草履をアイテムとして、そこに人が集まる、そこでお話する。例えば「この色合いどう思う?」とか「これでいいと思う?」とかコミュニティの場所になり共通の話題になる。そこがすごくいいと思う。
−いまはおじいちゃんたちが果樹園を始めて、いちじくと唐辛子を植えた。先日4人のお父さんたちが集まって、話し合いながら作業を進めていた。


八木さんは震災前から自営業で仕事をしていましたが、こういった「事業の立ち上げ」は初めてだったとか。「必要だと思ったから、とにかくやってしまった!」というところはまさに女性ならではのパワー。ママサポーターズは、昨年5月、町内に簡易集会所「うみねこハウス」を建設。布草履づくりを行ったり、現在は「たい焼き」の販売を行ったりと、仕事の場、交流の場になっています。

「女川高白浜布草履組合」の布草履は、「ママサポーターズ」のフェイスブックから連絡の上、購入することができます。

ママサポーターズフェイスブック

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パーソナリティ 鈴村健一

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