2013年5月15日

5月15日 ISHINOMAKI2.0不動産(2)

引き続き、宮城県石巻市の街作り団体『ISHINOMAKI2.0』の新たな試み、「2.0不動産」についてお届けします。

ISHINOMAKI2.0のメンバーにはデザイナーや建築家が何人もいます。そこで、彼らの力で、古い民家をリノベーションして、石巻に住みたい、街に残りたいという若者たちに住んでもらう…というのが
ISHINOMAKI2.0不動産です。ただこれ、いわゆる「不動産」とはちょっと違うものです。ISHINOMAKI2.0代表理事の松村豪太さんはこう説明します。

◆「お金をかけずに面白く」
仲介はしない。いわゆる不動産の仕事とは違う。2.0不動産のやることは、物件の仲介ではなく紹介。もう一つは改修作業。仲間に建築家や面白いことをしたいというデザイナーが多いので、そういう方々の知恵や力を借りて自分たちで回収する。もちろん材料費もかかる。それで床を張り替えたり、パーテーションで一世帯用のしつらえを、2世帯で住めるようにシェアする。そして2万5000円ずつ頂く。そうすると元々大家さんは2万5000円で貸したがっていたものに対して5万円の収益が得られる。浮いた2万5000円を我々は月々バックしてもらい、始めに投資した改修費を補っていくというビジネスモデル。オルタナティブというかもう一つの選択肢として、不動産が丁寧に整えたものをお金を払って借りるという選択肢ではなく、お金をかけず、しつらえとして綺麗でも便利でもないが面白く使ってもらえるような賃貸物件の選択の仕方、住み方があるのではないか。これは復興が進んだあとでもそうだし、他の町、震災に関係ない街でも面白がられるやり方ではないか。


とても面白い試みですが、実際すでに希望者もかなり多いようです。


◆石巻に住みたいという声に応えるため
実は、借りたいというニーズのほうが1対9で多い。なかなかその声に応えるのは正直難しいが、この活動、こういうやり方に共感して下さった街の方々が、電話で「ウチの物件どうにかならないかな」と問い合わせてきている。我々は仲間が街の中を足で調査している。今の空き家状況や解体が進んでいる状況を調査している。そこから手がかりを得て、借りたい・住みたい・この街で暮らしたいという声に応えられるように色々と考えている。現実的に今年の目標は5軒(笑) 来年10軒、再来年20軒という計画は立てている。


今朝は、宮城県石巻市の街作り団体・ISHINOMAKI2.0の新たな試み『ISHINOMAKI2.0不動産』をご紹介しました。

明日は、石巻駅前にできた、地元高校生によるカフェ「  」(かぎかっこ)を紹介します。

ISHINOMAKI2.0不動産
ISHIOMAKI2.0不動産ツイッター

2013年5月14日

5月14日 ISHINOMAKI2.0不動産

今朝は、宮城県石巻市から、街作り団体『ISHINOMAKI2.0』の新たな動きです。

フリーペーパー作りや石巻ブランドの家具の製造販売、石巻の伝統的なお祭り・川開き祭りに合わせたイベント、そして今年のゴールデンウィークに行われた石巻・台湾アートプロジェクトなど、様々な形で、新しい石巻を作り出しているISHINOMAKI2.0。またも、面白いことを始めています。それはなんと・・・不動産です。

●お金をかけず、空間を提案する
今までふれあうことが無かった立場の方々が出会うのがこの街。一番大きいのはボランティアとしてやってきた若者。元々、石巻は疲弊してシャッター通りが続いていた。それが津波で空き家が広がり、建物が壊されていっている。そういったところで今回も(石巻・台湾アートプロジェクトで)街の中の空き物件や、被災した物件をあえてアトリエにして公開制作をした。たくさんのいろんな立場のアーティストが共作で作品を作り、街を歩く人たちがアーティストの制作現場を興味深く覗くようなことが起こった。これは一つの「空間の提案」だったと思う。そして今、そうした空間の使い方、お金は使わないが面白く使ってくれるような提案を今年の大きなプロジェクトとして考えている。それがISHINOMAKI2.0不動産という不動産プロジェクト。街の再開発が進んでいるが、再開発は借金を背負わなければならず、完成まで5年もかかる。その間は町の建物は使われない。町がせっかく注目を浴びて、ボランティアを卒業した若者が「この街に住みたい」と思っても、彼らの声に応えられない。彼らは今ここに住みたいしこの街に残りたいと思っているが住居が見つからない。そこで、言ってみれば“ボロ屋”で大家さんもどうしようかと思っている物件、公費で解体する方法もあるが、想い出が詰まって解体にも踏み切れない物件を、お金をかけずにお洒落にペンキを塗って、若い人に面白く住んでもらう。ただの平屋を工夫してシェアハウスにする。若者が共同生活を送れる場所を作ったら新しいライフスタイルがこの街に生まれる。手作りで築60年〜70年経過した床もべコベコの木造の建物を、多くの建築家やデザイナーの助けを得て改修。お金をかけずにちょっと素敵に、若者が関心を持って住みたくなるようなしつらえを作っている。


この、2.0不動産は、あくまで古い家屋の紹介とリノベーションをするもの。ツイッターの公式アカウントがあって、情報を発信しています。例えば、5月11日にツイートされた情報を見てみたのですが…

4LDKで、家賃 月5万円程度(応相談)で、4台まで駐車可能な駐車場付き!!! という物件の「紹介」をしています。

ISHINOMAKI2.0不動産
ISHIOMAKI2.0不動産ツイッター


明日も、ISHINOMAKI2.0の新たな計画、「ISHINOMAKI2.0不動産」についてお届けします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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