2016年6月23日

6月23日 運転再開に向けて!南阿蘇鉄道

立野駅−高森駅 17.7キロを結ぶローカル線「南阿蘇鉄道」は熊本地震の影響で線路や橋梁に甚大な被害を受け、全線が運休しています。

阿蘇のカルデラの中を走る美しい風景、そして趣向を凝らしたさまざまな駅舎など地元住民はもちろん、観光客に愛される鉄道でした。鉄道の再開に向け尽力されている南阿蘇鉄道 中川竜一さんに伺いました。

◆カルデラの中を走る世界でも珍しい鉄道
まずは生活路線として高校生の通学、通勤、病院に行かれたり、交通弱者的なところを生活の路線として担っていた。それ以外も観光面で、阿蘇が凝縮されたような形で、左側には外輪山、北には雄大な阿蘇の五岳ということで、カルデラの中を走っている鉄道。世界中をみてもカルデラの中を走っている鉄道はないかなと思います。
長陽駅を出て立野駅までの間、北向谷原生林というのがあって、そこに架かっている第一白川橋梁があります。国鉄最初に出来たアーチ橋で、昭和3年に開通なのでそれ以前に架けられたということで大変価値のある鉄橋なんですね。そこを渡って自然の風を感じたり、高さが橋から水面まで60mぐらいで、トロッコ列車という観光列車もあって窓がないので歓声をあげて喜んでいただいていた路線でした。


この第一白川橋梁と、立野橋梁、そしてトンネルなど4つの構造物が甚大な被害を受けた南阿蘇鉄道。全線復旧のめどは立っていませんが、一部でも運行再開できないかと模索中です。

◆「鉄道マンとして何がなんでも通したい」
学生を運べないというのが一番辛かったですね。高校生も朝ここを5時に出るバスに乗られるので、5時前には間違いなく自宅を出られるので、4時過ぎには遅くとも起きて…熊本市内に通っている高校生は2時間40分ぐらいかかっているので、かなり負担がかかっているんじゃないかなと思います。部活も熊本市内に志して行かれた方達も断念せざるを得ない状況と聞いていますし、迂回路のグリーンロードやミルクロードもありますが冬場は凍結の恐れがあるので心配はあります。
うちとしても、何が何でも、どうにかして全線の復旧に向けて取り組んでいくと。しかし数十億円費用はかかるかなと。動かせるとして可能性が高いのは、高森駅ー中松駅間、7.1km 5駅ですかね。今は梅雨で側溝に水が溢れたりしないかとか点検を行ってますので、梅雨明けの状態を見てからなので、7月に動かせるかどうかはまだ未定。あくまで鉄道はもちろん採算収支等もありますが、道路と同じインフラなんで、通す、通さなくちゃいけないかなと、私達「鉄道マン」としては思いますね。少しずつでもですね、はい。


お話にあったように、17・7キロのうち、比較的被害の少なかった高森ー中松駅間、7.1km 5駅分の運転再開にむけ、現在点検など行っています。夏の観光シーズンを前に、一部でも運転再開することで、「町に元気を取り戻したい。」と南阿蘇鉄道の中川さん話してくださいました。

この南阿蘇鉄道は、様々な特徴をもった駅をつくって、駅構内にカフェやお蕎麦屋さん、温泉施設など思考を凝らして駅に人を集めて活性化を計ってきました。取材で訪れたこの日も、高森駅には県内外からたくさんの観光客が訪れていました。

〇宮崎から。阿蘇が大好きなので。南阿蘇鉄道はトロッコ列車で立野駅から家族で乗って、とくに立野の鉄橋の想い出が強くて。それからずっと阿蘇に着だしたんですよね。今鉄道が復旧のめどが立ってないので、駅どうなってるのかな?ってふと思ったもんですから。こういう時、復興観光というか行くことによって阿蘇の方々と何か共有できるものがあるんじゃないかなと思って。
〇2〜3か月に一回はドライブで。景色とか空気とか、必ずタンクを持って湧水は頂いて帰ります。前回来た時、長陽駅に「久永屋」さんというカフェのある駅にいったんですけど、線路がすぐ錆びるじゃないですか走らないと。赤さびでいっぱいになっててすごい切ない思いをしましたし、観光だけじゃなくて皆さんの足になっている路線なので、なんとか復活してもらいたいなと思います。


駅構内のカフェなど、鉄道は走っていなくても、駅には人が集まりはじめています。シフォンケーキが美味しいカフェ、長陽駅の「久長屋」さんや、パンケーキが美味しい阿蘇白川駅のカフェ「75th st.」など。また沿線沿いには、たくさんの湧水の名所があるので湧水を汲みにいく観光客も多いとのことです。


パーソナリティ 鈴村健一

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