2016年9月28日

9月28日 石巻の楽器店サルコヤの「奇跡のピアノ」3

宮城県石巻市の楽器店「サルコヤ」のご主人が、一台、また一台と再生させている、津波を乗り越えたピアノをめぐるレポートです。



「サルコヤ」 代表・井上晃雄さんが再生した6台のピアノ。その一つは、シンディ・ローパーが購入、地元有志との連盟のプレートが付けられて地元の市立病院に寄付され、その他のピアノも被災した東北の小学校はじめ、各地に届けられています。一方、第1号の再生ピアノは、いまもサルコヤのお店の一角に展示されていて、試し弾きをすることも可能です。

そして、サルコヤは、2階で子どもたちのためのピアノ教室も続けています。今回、このピアノ教室で講師を努めているツダ・ケイシさんに、第1号再生ピアノを演奏していただきました。

※ベートーヴェン ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」を演奏していただきました。

◆津波に負けてられるか!
私が一番ピアノを直す気持ちになったのは、これだけ全部津波でやられていいかげんに頭にきたから。よーし津波になんか負けてられるかと。津波に負けないで直したというのが価値があるんじゃないかと。私は元々そういうのが好きですから(笑)だから復興とピアノの再生と、二兎を追って二兎を捕まえようと。この建物(サルコヤ)は満足な設計もなく私が勝手に立てたんです。ですからうちの母ちゃんと、「30年以内に大きな地震が来る。そうしたら潰れるからいさぎよく商売をやめて老後を楽しもう」と話していたんですが、残っているんです。残っていたらやらざるを得ないでしょ商売(笑) 仕方ないからやりましょうと。音楽教室もやっていたし。こんな大災害を受けたのに、震災の1週間後、10日後には子どもたちが「ピアノ教室はいつから始めるんですか」と言ってきた。子どものそういう声がなければ(やらなかった)。それが大きいですね。結論としては私は直すのが好きなんですね(笑)考えてみればあと4〜5年で(お店が)100年を迎えると。それまではやりたい。


親子三代にわたりこの場所でご商売を続け、お店ももうすぐ創業100年。ご自身も今年87歳となった井上さんですが、まだまだこれからも、復興の象徴・ピアノの再生を続けていくことになりそうです。

★サルコヤのウェブサイトはこちら

パーソナリティ 鈴村健一

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