2017年3月27日

3月27日 南相馬市 相馬小高神社

今朝は、福島県南相馬市小高区「相馬小高神社」からのレポートです。

相馬小高神社。国の無形文化財でもある「相馬野馬追」という甲冑姿の武者と馬による神事は番組で何度も紹介してますが。その野馬追の舞台の一つとしても知られています。鎌倉から江戸時代にかけてこの地域を治めていた大名のお城のあとに、鎮座した神社です。

そんな小高神社の神主が、多田仁彦さん。


神社のある南相馬市小高区は、福島第一原発の事故による避難指示が解除され、8ヶ月が経過していますが、いま、神社は、そして地域はどんな状況なのでしょうか。

◆避難解除から8ヶ月
7月に小高地区は避難解除になったんですが、やっぱり新しい建物が立ったり人の行き来が少し活発になってきたなという印象はあります。ただ帰還した住民はまだ少ないので夜になると真っ暗で寂しさを感じるところはある。(お店などは?)魚屋、食堂のラーメン店や寿司店はあるしコンビニも徐々に開いてきている。ただ夜になるといないので、そのあたりはもうちょっと時間をかけてだと思うんですけど。(夜になると人がいないというのは、昼間はこちらに戻ってくるが夜はまた避難先に戻るということですか)そうです。夜は避難先の原町や鹿島に帰って、昼間は家の手入れをされたりとか。あとは除染作業や復興作業をしている方々が昼間はたくさんいらっしゃっているので。(実際、線量などで不安な部分は)最初はかなり気にしていたんですけど、最近はあまり気にならなくなったというか慣れちゃったんでね。まずは居住空間が先だということで住宅などは除染は終わっていまして、農地ももうそろそろ終わりに近づいています。課題は森なんですね。森はかなり線量が高いと言われていますので、その点に関しては国や自治体がやることなので。(ただずっとこの場所にいることに意味があると思ってらっしゃるんですよね)よく言われるんですが神社はこころのよりどころと言われますが、本当に戻ってきた方がみなさん参拝に来られて、ここは桜の名所なので一面に桜が咲きますが、その桜にも手を合わせてくれるんですね。そういう(神社としての)使命感が震災後に強くなりましたね。(実際このあたりに住んでらっしゃる若い方々は戻ってきている印象はありますか)子どもさんや学校の問題があるのでなかなか難しい面があるんじゃないかと思いますね。戻ってきたという話はあまり聞かないですね。(復興庁の調べだと15%くらいしか戻らないんじゃないかという話もありますが)それをこれからどうしていくか。神社としても地域の人と協力して交流人口を増やしたり、人の出入りを増やして活性化させて補うしかないんじゃないかと思いますね。そのあとおいおい、人が住んでいくような形になればいいと思います。


この相馬小高神社、桜の名所としても知られているということです。(福島の桜の開花は4月上旬だそうです)

また、多田神主は、同じく福島県飯舘村にある神社の神職も務めています。明日は、まさにこの春に避難指示が解除されることになる飯舘村の「いま」についてお伝えします。

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN