2017年6月19日

6月19日 福島市 カトウファーム「天のつぶ」(1)

今週は、福島県の新しいブランド米『天のつぶ』で、“卵かけごはん専用のお米”を商品化した「カトウファーム」の取り組みをご紹介します。

震災に伴う原発事故の影響で、お米づくりに関しても甚大な被害を受けた福島県。そんな中でも、“明るく楽しく”をモットーに農業を続けてこられたのは、カトウファームの加藤晃司さんと、絵美さんご夫婦です。

震災の2年前。晃司さんはサラリーマンを経て、祖父の田んぼを継いで農家をはじめたばかりでした。

◆「それでも楽しく農業やている姿を見てほしい」
「天のつぶ」は県が震災の15年前から開発をして、震災の年に発表したんだけどいろいろ問題があって世間にお披露目がなかなか出来なくなってしまった品種です。震災の年の4月は混乱してまして、国が米を作っていいのか悪いのか判断するのを待っている状態で。その時にゼオライトを一反あたり1トン、塩化カリを20キロ、ケイカリンを40キロという、放射能を吸収するためのものを畑の土に散布しました。県と国でモニタリングをしながら、その後出来たものに関しても全量全袋検査で、うちでも1万袋ぐらい検査をして、数値が出たり出なかったり。初年度はJAなど卸売業者さんに売るしか生き残る道がなかったので、一般消費者の方はどんどん離れていったというのが現実ですね。まぁでもそれが現実なので、現実を受け止めて、良いものを作ることしかできないものですから、それを続けようと。その頃からFacebookとかSNSが活発になってきた時期なので、日々楽しく農業やってることをだけを伝えていました。これ美味しいよとか、安全だから食べてください、なんて言えないのでそんなこと言わずに、福島でいろんな大変なことあるかもしれないけど楽しく農業やってるという姿をSNSで展開しようと。面白いことをやろう、ということしか考えなかったですね。
(絵美)やっぱり小さい子供もいるので、元気に育ってるというのが目で見られるというのが安心感につながるのかなと思っていて、人によっては福島で人って住んでいるの?というレベルの人もいたと思うので、そういう事を考えると「安全だ、美味しい」とかいう前に、こんなに元気でみんな生きているんだ、というのを発信したいなと思っていて。そういうのを見て実際にカトウファームのお米を買おうかなと言ってくださる人もいたので、間違いではなかったと思っています。


福島県が15年かけて開発した新品種「天のつぶ」を中心に、おじいさんの後を継いで農業をはじめたばかりのカトウファーム。農業をはじめて2年、あの原発事故による厳しい現実にも負けず、とにかく楽しく農業している姿をSNSで発信し続けていました。福島といえば美味しいお米で知られた米どころ。山からのミネラルたっぷりの伏流水が美味しいお米を育ててくれています。

カトウファーム、加藤さんが作った「天のつぶ」はオンラインで購入可能です。卵かけごはん専用のお米も是非お試しください!

パーソナリティ 鈴村健一

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