2017年11月14日

11月14日 ドキュメンタリー映画『LIFE 生きてゆく』笠井千晶監督2

引き続き、ドキュメンタリー映画「LIFE 生きてゆく」監督で映像ディレクター、笠井千晶さんのインタビューです。


「LIFE 生きてゆく」は、南相馬市・萱浜地区で暮らす上野敬幸さんを、数年に渡り追いかけ、記録したドキュメンタリーです。津波で、ご両親と2人のお子さんを失い、今も捜索活動を続ける上野さんの日常を、2011年から見つめてきた笠井さんは、長編映画の制作に至った経緯をこう話します。

◆のちのちまで残るものにしないといけない、という想い
1時間55分の長編なんですけれども、その前に15分から30分の短編の映像を何度も作っていまして、作品というよりもチャリティーで上映会とトークのイベントを自分で企画して、少しでも東北のことを知りたい方がいたら足を運んでいただいて、今どうなっているかという話をする会をやり始めたんです。その時に短編の映像が必要だったので、その時々で作っていたんですけれども、だんだん上野さん達との距離が近くなって、倖吏生(さりい)ちゃんが生まれて、倖吏生ちゃんもいろんなお話をしてくれるようになったり、その中でとても短編だけではなくてきちんと世の中に出せる、のちのちまで残るものにしなければいけないと途中で思い始めて、その後この映画を作るために時間を取らなければいけなかったので、2015年に当時勤めていた名古屋のテレビ局を止めて、それ以降はこれに専念する形で昨年末に完成しました。


お話に出てきた上野家の次女・倖吏生ちゃんは、震災の半年後に生まれました。映画「LIFE 生きてゆく」では、さりいちゃんが、津波で失った2人のお子さん、長男・倖太郎くんの年齢に並び、長女・永吏可ちゃんと同じように七五三のお参りをする姿など、彼女が成長していく姿も伝えています。


震災半年後に生まれた次女・倖吏生(さりい)ちゃん 2015年5月  
©2017 Rain field Production

こうした、上野さん一家の日常や、時間の流れ。語られる言葉。それを映画にするという行為は、様々な覚悟や責任も伴うと思いますが、笠井さんはどう向き合ってきたのでしょうか。

◆上野さんの想いをそのまま伝える
私なんかの責任や覚悟なんて、上野さんや奥さんや倖吏生ちゃんが経験したことに比べれば、どうでもいいくらいのちっぽけなものだと思っていて、でも、私としても真剣な気持ちで元々向き合おうと思っていました。ただ、作り終わってできたものに対して、上野さんが違和感を持たない、ありのままだなと思ってくれるものでないといけない。それは実はそんなに簡単なことではないんですが、出てきてくれる方自身が思っているそのまんまきちんと伝わると言うことにはこだわりました。ただ、それは映画を作るとなって急に始めたことではなくて、今までの短編も含めて、スタンスとしてはずっと変わらないので、(上野さんに)信頼していただけているとしたら、それに背かないと言う事だけ考えてやりました。


あしたも、「LIFE 生きてゆく」監督 笠井千晶さんのお話です。

★映画「LIFE 生きてゆく」Facebookページ
【上映予定】
◆11/28(火)18:00? 京都・京都市(※学生限定・無料/立命館大学 朱雀キャンパス1階 多目的室)

◆12/9(土)13:30? 埼玉・さいたま市(入場料500円/さいたま市民会館うらわ 101集会室)

◆12/16(土)18:00? 神奈川・鎌倉市(入場料1000円/ソンべカフェ)

◆12/17(日)14:00? 愛知・弥富市(無料・要整理券/弥富市総合社会教育センター)

◆1/28(日)㈰14:00?/㈪18:00? 岐阜・下呂市(入場料・当日500円/下呂交流会館アクティブ マルチスタジオ)

◆2/17(土)14:00? 神奈川・逗子市(入場料・大人1000円、高校生以下 無料/逗子市文化プラザホール なぎさホール)

…以降、東京、群馬、他でも上映会企画中。

自主上映会の企画・開催を希望する方は、公式FBページへのメッセージ、または、E
メールにてお問い合わせください。Eメールアドレス omoi.negau@gmail.com

パーソナリティ 鈴村健一

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