2018年2月12日

2月12日 アップデイトふくしま(1)

今朝は、先日10日土曜日に、東京・青山の国連大学で行われましたパネルディスカッション「アップデイトふくしま」の模様をお届けします。

「知って応援。伝えて応援。」をキャッチフレーズに開催されたこの「アップデイトふくしま」、これまで『LOVE & HOPE』でもお話しを伺ってきました福島県民の被ばくの分析や発信をしてきた東京大学名誉教授、早野龍五さん、福島に通って医療活動を続ける医師の越智小枝さん、海外の学生を招いて福島を視察してもらう活動を続けている福島大学のウィリアム・マクマイケルさん、そして「はじめての福島学」を執筆するなど福島の現状発信に尽力してきた立命館大学の開沼博さん、この4人が立ち上げたアップデイトふくしま実行委員会によるパネルディスカッションです。この4名をはじめ、行政や教育、生産者や学生など、さまざまな立場の方が参加して、福島の現状や風評被害の払しょくへ向け討論や発表が行われました。

今朝は「アップデイトふくしま」から、開沼さんを進行役に行われました総括のパートを一部、お届けします。

開)じゃ最初にフリップボードに自由に「福島のイメージのアップデイトに何が必要か」書いてください。はいじゃ早野さん・・・
早)「産めます」って書きました。我々にとって衝撃的だったのは、去年、三菱総合研究所が、“福島県内のこれから生まれる子供、孫、健康影響があると思うか?”都民1000人に聞いた。すると50%が「ありうる」と答えた。答えは「×」。広島長崎ですら・・・というと言い方が難しいが広島長崎で健康被害が無かったというのは70年間の調査でよくわかっている。福島の今回ひじょうに低い被ばくで、そういうことがあり得ないということ、これは専門家が皆さん口をそろえて仰っていることです。このこと、きちんと“そうではない”ということを社会の皆さんが共有するようにしないと、10年20年何十年と渡って、差別や偏見に繋がりうるということがあるので、私にとってはアップデイトすべき最大の問題はこれかなと思っています。
開)はい。マクマイケルさん・・・
マ)シンプルに「境界線を無くす」というのが重要かなと。何の境界線かというと、1つは東京と福島、海外でも偏見があるのに、日本国内ですらちょっとあって、何でもっとみんなで一致団結して、問題解決していくかってすごく大事な問題なのにどうしてもっとみんなお互いに支えあってシェアしないの?って、もちろんシェアしてるんですけどそういう意見もあって、確かにそうかなと。そういった意味で境界線を一つ無くすと。もう一つが外国人と日本人ですね。いまだに「福島」って場所とか県じゃなくて、なんかすごい悪いことが起きた、この世のアポクリプス、終焉が起こりうるようなマイナスな「事象」としてのイメージがすごく強く残ってると思います。じっさい私、福島大学でグローバル教育を担当してまして、今日もじつは私のプログラムに来てる学生たちが来ているんですけど、毎年たくさんの学生を呼んで一緒に福島をまわってるんですけど、けっこう福島に関心があって皆さん来てるのに、福島に着いた瞬間、“人がいるんだ”とか“建物が建ってるんだ”とか、意外とそういうイメージが先行してしまっていて、そういう境界線もどんどん無くしていけばいいなと。であとは世代ですね。若者もお年寄りも熱い思いを持っているんだな、福島を愛する気持ちを持ってるんだなと感じてましたけど、今後すごく重要だと思うので、こうしてみんなで境界線を無くして行って、核心を突いた情報を確信をもって我々一人一人が調べていくことによって福島のイメージが革新していくのかなと、そういうメッセージを書きました。


登壇者それぞれがこうして、“いまアップデイトすべきこと”を発表していったほか、来場者に向けて○×クイズなども出題。来場されている方は福島について知ろうとする意識の高い方が多くて、正解する人がほとんどでした。後日、公式Facebookで写真や動画などが掲載されます。
オフィシャルページ
公式Facebookページ

『LOVE & HOPE』、明日も引き続き、「アップデイトふくしま」のレポートです。
ぜひ今回の放送を聴いて感じたこと、『LOVE & HOPE』ブログのメッセージフォームから送ってください。抽選で5名様に3000円分の図書カードをプレゼントします。

パーソナリティ 鈴村健一

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