2018年2月22日

2月22日 南相馬市 小高ワーカーズベース(4)

今朝は引き続き、福島県南相馬市の「小高ワーカーズベース」についてお届けします。

東日本大震災とそれに伴う福島第一原発の爆発事故によって避難区域となった南相馬市小高区。2016年夏に避難指示が解除になりましたが、今年1月末時点での居住者数は震災前の約1万3千人のうち、約 2千5百人にとどまっています。そんな町の現状を変えようと立ち上がったのが、2014年に「小高ワーカーズベース」を立ち上げた和田智行さんです。

現在は、コワーキングスペースのほか、スーパーの「東町エンガワ商店」、ガラスアクセサリー工房の「HARIOランプワークファクトリー小高」を運営しています。プロジェクトに加わる若い世代も少しずつ増えてきている、というお話しでしたが、いま小高の町の現在を見た時、復興はどこまで進んでいると実感しているのでしょうか。

◆小中学校の再開で一気に変わった
日々変わっています。特に避難指示が解除されて昨年4月に小中高の学校が始まったことで一気に変わりました。建物も取り壊して新しい町に変わりつつあって。今まで年配の方が多かったが、学校が始まったことで高校生が電車で通学したり、子供達も少ないが町の中で遊ぶ風景が出て来たので、町が明るい雰囲気になって来たと思います。


一方、「課題」についてはどう感じているのでしょうか。

◆超少子高齢化をどう解決するか
どんなに頑張っても戻りたいけど戻れないという層は大部分だと思う。元に戻す、人口を戻すのは難しいと思う。小高の場合帰還住民の50%以上が高齢者、子供は100人も帰って来ていないと思うので、そこの超少子高齢化をどう解決するかは大きな課題だと思っています。


まだまだ復興へは大きな課題が少なからずある小高の現状ですが、和田さんはそれでも、小高の今についてこんな前向きな気持ちを持っているといいます。

◆濃厚なコミュニティが新しい街を作っている
小高は一旦住民がゼロになった状態から、作り直しているポジティブな空気に溢れています。原発の避難区域は大変そうに見えるだろうけど、実際に来ている人は帰りたくて帰って来ている。小高をなんとかしたいという気持ちの強い人たちの濃厚なコミュニティが新しい街を作っているという面白い空気のある場所。興味のある人にもぜひ足を運んで頂きたいなと思います。


今日までの4日間は、福島県南相馬市の「小高ワーカーズベース」和田智行さんのインタビューをお届けしました。
「小高ワーカーズベース」公式サイト

パーソナリティ 鈴村健一

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