2013年12月31日

12月31日 福島富岡町「おだがいさまFM」(3)

今朝は、全町民避難が続く、福島県富岡町のレポートの最終回。
大みそかのラジオから、ふるさとの「除夜の鐘」が響きます。


「全国で暮らす町民に、ふるさとの除夜の鐘を届けたい・・」
そんな想いから、富岡町の臨時災害FM「おだがいさまFM」が企画したのが、富岡町民が慣れ親しんだ、「町の除夜の鐘」の録音放送です。協力を求めたのは、富岡町の居住制限区域にある「龍台寺」。副住職、矢内隆久さんとともに、11月下旬、寺に向かいました。

◆龍台寺の除夜の鐘
この鐘ができまして30年経つんですが、当初福島県内で一番大きい、530貫の鐘なんですね。多くの方が大みそかの夜10時を過ぎますと除夜の鐘をつきに来たんですが、もう2年、3年、今年もできないかなと。立ち入りができないので。立派な鐘がありながら「除夜の鐘」ができない状況ですね。



日中のみ立ち入りが許されている、富岡町の龍台寺。
副住職の矢内さんは、避難先のいわき市から頻繁に足を運んで、境内の雑草や枯葉の駆除を行ってきました。けれども墓石は倒れ、本堂も被災後の雨漏りなどで痛みが激しく、位牌も散乱したまま。放射線量が高く、寺の修復に手がつけられない状況が続いています。

◆昔のようなお寺にしたい
まだ線量が高い状況の中で、いままでですと、月命日に多くの方がお墓参りに来ていただいたんですが、お墓も倒れたままになっている。皆さんお墓が倒れているのがさみしいということで、状況にしたいと考えています。4月までに除染が完了するという環境省の話なので、お墓と本堂、位牌、客殿と、すべてのものを新しく直して、皆さんが来たときに驚くようなお寺にしたいと考えている。
わたしもお寺の住職でなければ、戻ってこないかもしれない。これだけ線量が高いところに、子供を連れてこれるかというと、なかなか難しい。もう無理なのかなと一昨年は思っていた。それがいまは放射能が3分の1くらいに下がってきた。一刻も早くこのお寺を元通りにして、皆さんがいつも来ていただいて、お茶飲んで笑い声がしたお寺という、昔と同じようなお寺に一日でも早くしたいと思っています。


この日、ひっそりと静まりかえった町に、住職が打つ鐘の音が、ひときわ高く響き渡りました。

「おだがいさまFM」では今夜、龍台寺の「除夜の鐘」を放送します。郡山市内では通常のラジオで聞くことができるほか、インターネットのサイマル放送、そして富岡町が町民に配布しており「タブレット端末」でも聴取可能です。

◇富岡町臨時災害FM「おだがいさまFM」

さらに、今夜11時から放送の、JFN年末年始特別番組「空を見上げて」でも夜11時45分ごろ龍台寺の除夜の鐘をオンエアする予定です。

◇JFN年末年始特別番組「空を見上げて-明日へのチャレンジ-」


パーソナリティ 鈴村健一

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