2007全夏フェスライヴ!
update : 2007.8.10
2007.8.4_ROCK IN JAPAN FES 2007

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茨城県ひたちなか市の国営ひたち海浜公園にて、8/3、4、5の3日間行われた「ROCK IN JAPAN FES 2007」。この2日目、4日のGRASS STAGEに出演したBUMP OF CHICKEN。ハイラインのイベント出演を入れると、このJAPAN FESで4ステージ目となる今年の夏フェスライブですが、広島〜福岡での興奮に勝るとも劣らない最高のステージを見せてくれました!
今年のJAPAN FESは、天候に恵まれた代わりに暑かった!ギラギラと照りつける太陽の真下で、まさにその灼熱と、スピーカーから鳴り響くハイテンションな音楽とを全身に浴びながら、目一杯、心底、自然と音楽が創りだす大きくて美しいグルーヴを体感する、そんな今年のJAPAN FESだったように思います。

4日のGRASS STAGEのトリとつとめたBUMP OF CHICKEN。そう言えば、このJAPAN FESへ初めて出演したのは、確か2001年の夏だったように記憶しています。その当時のGRASS STAGEでのトップバッターを任されたBUMP OF CHICKENでしたが、JAPAN FESも立ち上がってまだ数回目で、何だかメンバーもお客さんも、主催者の方々も、皆が手探りでFESの成功を必死で掴み取ろうとしている、そんな不確かな中にも確固たる意志がピーンと張りつめたような状況の中、FESの開催を高らかに告げる、主催者代表渋谷陽一さんの「このバンドをこの日のオープニングに迎えられることを幸せに思います!この空の下で『天体観測』で盛り上がろう!!」ってな感じ (だいたいこんな内容だったハズです・・・渋谷さんすみません・・・) のMCに導かれてステージに登場したメンバー4人は、大切な友人からもらったお気に入りのお揃いのTシャツを着て、ハラハラドキドキする我々スタッフの動揺にもしっかりシンクロしながら、数万人のお客さんの前で必死に曲を届けようと演奏していたのを思いだすのです。

そして2007年、そのGRASS STAGEのトリをつとめる今年のJAPAN FESは、個人的にはなんだか感慨深いような、でも、多分2001年のステージと変わらない強い想いとメッセージを響かせるんだろうなぁ、なんてことを考えながら会場入りしたのでした。FESの出演者が、ライブ前/後の時間をより有意義に過ごせるように計算され尽くした楽屋エリアも、以前よりももっともっと過ごしやすく、くつろぎやすい環境配備が徹底されていて、色んなところに気配りされた歴史あるFES なんだなぁってのが改めて実感できたのです。

午後3時過ぎに楽屋入りした"バンプ"のメンバーは、早速、エリア内の巨大テントに用意されたケータリンング&ドリンクをご馳走になり、数時間後のステージに向けての腹ごしらえに余念がありません。この楽屋エリアには、小さなサッカーゴールや、子供向けのビニールプールなんかも置いてあって、とても和気あいあいとした雰囲気。"バンプ"のメンバーの顔も、そんな緩〜い空気に触れて自然と緩んでいきました。ライブまでの時間を利用して、各メディアのコメント収録やインタビューをこなすメンバー。某雑誌の表紙用に、この日、自分達の前に出演する ASIAN KUNG-FU GENERATIONのメンバーとのコラボ撮影は、旧知の仲間との久しぶりの絡みに、嫌が応にも現場の空気が嬉々としてざわめき立ちました。軽く言葉を交わし、ニヤニヤとなにやら楽しげに戯れ合いながら、"バンプ"&"アジカン"のコラボ撮影は滞りなく進みました。4×4の大所帯の撮影だけに、立ち位置決めや各々のポーズ決めなんかに時間がかかるであろうという編集スタッフの大方の予想を完全に裏切って、カメラマンに指示された通り、時々、ギャグっぽくお互いに声を掛け合ったりしながらほんの15〜20分で撮影は終了しました。この微笑ましいコラボ写真は、某出版社から某日に発売される予定!主催者のホームページなんか (?) をマメにチェックしてみて下さいね。
この日の"バンプ"のステージは19:00から。僕個人的にはホントにやられてしまった、最高のライブを見せてくれた井上陽水さんのステージが終わる頃には、昼間の灼熱から少しづつ日も暮れて気温も穏やかになり始め、"バンプ"のメンバーは自分達のステージにむけていつものウォーミング・アップを始めていました。4人とも楽屋にこもって、それぞれにいつものアップに専念しています。その楽屋内の凛とした空気は、締め切られた楽屋のトビラをすり抜けて、前述の和やかな楽屋エリアに細く強く突き抜けるような、そんな感覚を覚えたのでした。

先程コラボ撮影を楽しんだアジカンのステージが終わる頃には、空はすっかりオレンジに暮れ始めて、いよいよトリをつとめるBUMP OF CHICKENの登場を特殊照明で照らしそうとしているようでした。そして、"バンプ"のステージを見ようとGRASS STAGEに集った4万人を裕に超える人の波の頭上で、刻一刻とその色合いを変化させながら、人々の期待と躍動をも照らし出しているようにも見えたのです。会場が暗転、いよいよ"バンプ"のメンバーがステージに登場します。2001年の最初のステージと、今年のトリのステージと、何もかもが違うようで、でも何も変わってないようで、でも、"バンプ"を待ち焦がれたお客さんのうねりと躍動は、数年分の想いの集積を一気に吐き出しているような、なんだか形容し難い鬼気迫る熱を帯びてメンバーの登場に沸き立ちます。そしていつも通り、"チャマ"がオリジナルのタオルをかざし、"藤原"が戦友レスポール・スペシャルを掲げると、2007年夏、ROCK IN JAPAN FESのBUMP OF CHICKENのステージが始まりました!広島、福岡よりも更に太く安定感を増すバンドグルーヴに、これも一際その説得力と存在感を増す"藤原"の唄声が見事な折り合いを響かせ、波打つ4万人一人一人の心臓を深く優しくエグっているようで、序盤からこの日のライブの成功と興奮を確信できたのでした。唄い演奏できる喜びにほとんどMC無しで突っ走っていた"藤原"が、途中予期せぬ機材トラブルでできたインターバルを利用してMCします。「あぁ、ホントに楽しいよ。ホントに楽しいから、しゃべったりしないでこのままどんどん唄おうと思ってたんだよ。じゃないと、なんか嬉しくてベラベラしゃべっちゃいそうで。でも、ほら、ホントの気持ちは言葉にできなじゃないですか。だからね、あんまりしゃべりたくないんだよね。でもね、ホントに楽しいです!有り難う!!どんどん唄うんで聴いて下さい!」。この"藤原"のMCに更に会場が沸き立ちます。そして、2001年には渋谷さんにメンバーの呼び込みでも告げられた大ヒットナンバー『天体観測』のイントロが流れると、前から後ろからもうどこまでが人でどこからが公園なのかも定かでなくなった大波がどっとドヨメキ立ち、4万人での大・大合唱が沸き起こりました。続いて『ガラスのブルース』の大合唱。そして、何と言ってもこの日のステージのクライマックス、『supernova』で、4万人強の手が美しく神々しく掲げられなびかされた「ランランラ ラ〜ラ〜」の大合唱は、予定調和や演出では決して創りだすことのできない、楽曲とお客さんとが完全に一体化した、お互いを求め合い共鳴し合うことでしか実現しない光景が、もう、数百億をかけて制作されたバリバリフルCGの大作ハリウッドSF映画でも再現できないような、そんな筆舌に尽くし難い圧倒的な光景を創りだしていたのでした。会場真ん中の、PAのちょっと高くなっているところからその光景を一望すると、"藤原"もステージに向けて数万人が手を振る光景を見てMCで言っていたように、「まるでナウシカの世界だ・・・」といった具合に僕自身もその絶景に絶句してしまったのです。
そして、アンコールで再登場してから演奏された『ダイヤモンド』、最後の1曲の前に、どこかで聴いたような、でもここでは普通聴けないような、そんなギターと"藤原"の唄声だけの美しい旋律が突如として奏でられました。そう、特にフェスではホントに珍しい、って言うか"バンプ"のフェスステージ史上初であろう、"藤原"のアドリブ弾き語り『初めてのチュウ』が披露されたのでした。これには、お客さんも我々スタッフも、そして何より他のメンバー3人もビックリの大喜び!!更に会場が一つになり波打ち、そしてその激レアな弾き語りから自然と導入された聴き馴染みのブルースフレーズ!2007年、トリのステージの最後の曲が『danny』!!もう、ファンにはたまらなすぎる選曲と演奏で、この日のステージの、まさに有終の美を見事に飾ったのでした!

Report: フッキー (TOY'S FACTORY)

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