〜広島サンプラザホール ('06/2/3)〜
update : 2/7

幕張メッセでの2daysライブを、それまでの1000人〜2000人規模のライブハウスでのコミュニケーションと変わらない「一人一人のお客さんと繋がり向き合う」ライブを遂行することで大成功させたBUMP OF CHICKEN。そして、この "広島サンプラザ" でも、これまでのツアーでライブをおこなってきた "広島クラブクアトロ" と全く変わらない、お客さん一人一人の想いがステージのメンバーに熱く届けられ、メンバーからの演奏の熱放射がお客さん一人一人に浴びせ返される、そんな濃密なライブがおこなわれました!

ライブ前日に飛行機で広島入りしたメンバー。広島空港からは、地元イベンターさんのアテンドで車にて市内まで移動しました。約1時間の移動の車中のメンバーと言えば、前半は「漫画のキャラクターを実際の役者さんが演技した場合、誰がどの役をやるのが適任か?言い合いっこゲーム!」がおこなわれ、「○○のキャラは○○さんだべ!!」などと言い合いながら盛り上がり、車中後半は、持参したiPodでそれぞれ音楽を聴いて過ごしていました。
その音楽鑑賞タイムの中、これ聴きよがしに、一際フルボリュームでの音漏れを響かせていたのが"増川"です。そして、"増川"のヘッドフォンから漏れ聴こえてきたのは、何故か往年の名曲、ザ・バングルスの「マニック・マンデイ」、続いて「エターナル・フレイム」だったのです。窓の外を流れて行く、広島の漆黒の闇眺めながら、異常に透きとおった高音女性ボーカル音を「シャカ、シャカ♪♪♪」と漏らしながら聴き入る"増川"。その光景はなんだかとても妙な感じだったのです・・・。

市内に到着、ホテルにチェックインした後は、ホテルのすぐ裏手にある料理が絶品の居酒屋さんにて夕食をとったメンバー。その絶妙の注文センスで厳選した料理が出てくるたびにペロリと平らげていきます。特筆すべきは"升"が注文した給食風のカレーライス。これには他のメンバーからも「あ〜、秀チャン頭いいよ。それナイスチョイスだわ・・・」と感嘆の声が上がります。他の料理を満喫し、そこそこお腹がいっぱいになっていた"チャマ"も、思わず「そのカレーの "半カレー" ってできますか?」と再注文してしまう程だったのです。

写真ライブ当日、移動車にてライブ会場の「広島サンプラザ」に到着したメンバー。この会場、どうやら結婚式などの催ができる施設を併設しているらしく、楽屋入り口頭上の壁に掲げられた看板には、「結婚式場」の文字がこれ見よがしに記入されています。そんな違和感を見逃すはずも無いメンバー。「マジ!? 俺等、今日結婚式場でライブすんの!?」と早速騒ぎ立てます。これにはイベンターさんも苦笑い。「いやいや・・・、隣接する施設で結婚式があげられるってだけ。ライブやる場所は立派なホールだよ・・・」と説明します。が、既に「結婚式場でライブをやる」っていう面白さにハマっているメンバーには、豚の耳に念仏・猫に小判・・・。その後のライブMCでも言及される程この結婚式場ライブ話しで一盛り上がりしていました。

この日は2/3の節分ということもあり、楽屋には豆撒き用のマメと、関西方面ならではの太巻き寿司が用意されていました。「そっかー、今日節分か・・・」。ツアー中ってこともあり、そんな季節行事にはてんで疎くなっていたメンバー。早速、その日のライブの成功を祈って、4人での豆まきを敢行していたようでした。

午後6時半過ぎ、アリーナ、スタンド席も含めて約5000人のお客さんでギュウギュウになった会場が暗転。いつものようにザ・フーの「クイック・ワン」のSEとともにメンバーがステージに現れます。久しぶりのメンバーとの対面をホントに心待ちにしていたお客さんから怒濤の歓声があがります。そしていつものように"藤原"がその左手で大きくギターを掲げあげると、さぁ、広島サンプラザでの白熱のライブがスタートです!

写真ライブ前半で早くも"藤原"がMCします。「広島!たくさんいるな!どーも、BUMP OF CHICKENです!! 今日はたくさんのお客さんがここに集ってくれたけど、でも、俺等、お客さんが一人でも5000人でも変わらないんだってつもりで演奏してます。それはつまり・・・ここにいる一人一人全ての人が俺はホントに大切で・・・、そんでそれはつまり、ここには一人も無駄な人間がいないってことだから・・・!だから、一人一人全ての人にどこにいても届くように歌います!宜しくな!!」。この広島サンプラザは、スタンドには椅子席が常設されていて、スタンドいるお客さんはのっけから皆、総立ちでのライブの幕開けでした。が、そんな中でもポツポツと座ったままでステージを見つめている人がいました。まわりの皆が立ち上がって拳をあげたり飛び跳ねたりしている中で、ただ座って見ているお客さんがいるのです。そして、僕のすぐ隣の席の少女も、まさに身じろぎひとつせずにただステージを見つめて座っているのです。「この子、一人で来てるのかな?」「ライブが面白くないのかな?」そんな気持ちが脳裏をよぎり、ライブ中、ずっとその少女のことが気になっていました。でも、その僕の懸念は大間違いだったのです。ライブが進むにつれ、その少女をよく見ていると、その右足は確かに曲に合わせてリズムを刻んでいて、その口元は確かに"藤原"と一緒に歌詞を口ずさんでいたのです。決して大袈裟ではないけれど、確かめるように、噛みしめるように・・・。そして、名曲『ギルド』の演奏中には、ハンカチでその目頭をおさえていました。前述の"藤原"が叫んだMCが胸によみがえりました。『お客さん一人一人に届く歌』。確かにその少女にもしっかり歌は届いていました。その子なりの繋がり方、楽しみ方で、しっかり一曲一曲と向き合っていたのです。この会場にいる全ての人が、そしてこの会場に入れなかった人も、ひいてはBUMP OF CHICKENの楽曲を聴く全ての人が、こうやってそれぞれのスタンスで、感じ方で一曲一曲と向き合い会話し、一人一人の中で曲を育んでいてくれてるんだなぁ〜、と実感し瞬間だったのです。

その後も、BUMP OF CHICKENとお客さんとの、約5000通りの熱い会話は続きました。時には『embrace』をじっと固唾をのんで聴き入り、時には『fire sign』で大きく手拍子をとりながら大合唱したり・・・。
本編最後の曲の前に"藤原"が感極まったように叫びました。「ホントに大きな声を有り難う!広島に来て良かったよ。有り難う!また絶対来るから!」。場内からは一際大きな悲鳴まじりの歓声が起こっていました。

写真アンコールで再びステージに登場したメンバー。4人とも"チャマ"デザインのツアーTシャツを着ての登場です。もちろん"藤原"はオリジナルカスタムバージョンを着ています。"チャマ"が嬉々としてMCしました。「アンコール有り難う!そんでね、皆に聞いて欲しいのよ、俺は。このね、メンバー全員が着てるTシャツ、これも他のも、全部ツアーグッズは俺がデザインさせてもらってます。そう、BUMP OF CHICKENを結成して以来、デザインは全部俺がやってきたの。だってさ、少なくないお金払ってみんなはグッズ買ってくれるわけじゃん。だからさ、俺、全部自分で責任持ってつくりたいの。そんで最高に可愛いのを届けたいんだよね。そんな想いでつくってます。良かったら見てって下さいね!!」。そう言えば、"チャマ"はこれらツアーグッズだけではなく、CDをリリースするたびに制作するノベルティーっていう非売のオリジナルグッズのデザインもほとんど全て手掛けているんです。どんなグッズにするのか?どんなデザインにするのか?いつも奇抜ながら的を得たグッズを提案してくれ、最高のデザインを提供してくれるのです。好きこそ者の上手慣れ。洋服も、写真も、オモチャも、ゲームも、漫画も、本も、家具も・・・、大好きで興味があるものが頭ん中に溢れかえっている"チャマ"だからこそ、ホントにオシャレで可愛くって、心から欲しくなるグッズがつくれるんだなぁと思うのです。そんな"チャマ"のセンスをみんな心から信頼してるんだなぁと思うのです。ツアーに参加できた皆さん、今回のツアーの"チャマ"渾身のデザインのグッズ達を是非チェックして下さいね!

写真ライブ終了後の打ち上げは、これも出てくるもの全てがホントに美味しかった料理屋さんを貸し切っておこなわれました。広島でのライブはこの日のみで、翌日にライブがないってこともあり、"増川""升"の飲酒チームはビールでの乾杯になりました。幕張では、みんな風邪気味ってこともあって何となく静かな打ち上げでしたが、この広島では全員体調も万全!しかも最高のライブをやり遂げた!っていう充実感がメンバーから伝わってきて、和気あいあいとした和やかな打ち上げになりました。
そしてその場でも披露され、それを駆使しての "お遊び" が敢行された、最近の"増川"の最愛のグッズ。それは、先日購入したばかりのニュー携帯です。この携帯のオモシロ機能を駆使しての "バンプ" らしい "お遊び"。「3文字まわし」や「携帯オモシロ顔ポートレート激写」に次ぐ、バンド内フィーバーの担い手として絶大ナル期待が寄せられている"増川"のニュー携帯。その "お遊び" の詳細は、追ってこのレポートの中で紹介させて頂きますね!

Report: 吹野史斉 (TOY'S FACTORY)
写真はコチラ→ Photo 01 Photo 02 Photo 03