結束

長渕LOCKS! 2015.4.12 日曜日

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校長「失礼します!」

長渕「おう、校長!」

校長「4月に入りまして、新しい高校、大学に入ったという生徒も多いと思うんですけど、剛先生は10代の頃、どんな学生だったんですか?」

長渕「僕はね、小学校中学校はまったくさえないガキでしたよね」

校長「成績がですか?」

長渕「成績もそうだし運動もあんまりしない…ただね、活発な精神性はあったんだけど体が弱かったというのもあるんだろうね。でもそれが高校に入って変わったんだよ」

校長「ギター…ですよね?」

長渕「そう。これは前にも話したけど、ギターを手にして、たった3つか4つのコードを覚えただけでね、自分の気持ち、好きな子に対する想いでもいいし殴られた痛みでもいいし、そんなものを高らかに歌えることに気が付いた。そこからは本来の自分自身の活動的な部分が出てきて、同じような想いをもった仲間を求めるようになったよね」

校長「なるほど」

長渕「高校時代は3年間同じクラスだったんだけど、3年の頃には自分のクラスから生徒会長を出す運動をして、放送部長も出して、もう時効だけど、彼らと体育会の連中と屋根裏部屋に集まって焼酎を酌み交わして議論するわけですよ」

校長「おーい!10代のみんなはマネしちゃダメだぞー!」

長渕「ゴメン!ま、時効だから(笑)その頃はリーゼントが流行ってましてね、みんなそんな髪型してたんですけど、僕は長髪にしててね、校則違反をしてました。でもそれの何が悪いのか!? みんなで顔つき合わせてずっと議論してましたね。というのもね、僕が朝礼の時に先生に引っ張り上げられて、見せしめのようにやられたわけですよ『長渕の髪型は校則違反だ!』ってね。でも俺らからしたら長髪にして何がいけないのか?理由を説明して欲しい。そしてみんなで先生方に申し入れをしていくんですね」

校長「申し入れ?」

長渕「今日の朝礼で長渕が髪を引っ張られて連れて行かれましたが、何がいけないんですか?髪が耳にかかるのがダメだというのなら、我々もリーゼントにしなければ耳にかかりますが、それは髪型の問題なんですか?長さの問題なんですか?ってね」

校長「おぉ、スゲぇ!」

長渕「こういった風に同じ想いを抱いた仲間がどんどん集まって強固になっていく。そして僕ら学生たちが体勢となって、ちゃんと先生に対して、大人に対して本当の疑問をぶつけていこう、という気持ちも高まってくる。そうしないと学校は何も変わらないし、俺ら自身もダメだよ、と。規則はわかる。キチっとしなきゃいけないっていうのも分かるけど、分かるように説明してくれよ。理由もなしに全て押さえつけられたら俺らはどうしたらいいんだよ。スカートの長さは膝下何センチ以上はダメです、とかもね、女子だっておしゃれしたい年頃じゃないか。それで怒られて泣いてる女子も見たりしたし、そのぐらいの長さだったら別にいいじゃないかって学生は思ってたしさ。そして僕らはそれを代表してまた屋根裏部屋に集まってね、また焼酎を酌み交わしながら議論するわけですよ」

校長「焼酎は必須なんですね(笑)」

長渕「それで僕は率先して、クラスで一番頭が良くて体力もあるヤツに『お前、生徒会長に立候補してくれよ。俺ら全員で応援するから』ってお願いしてさ、それで彼が当選するように俺もギター持って学校中を歌って回るわけですよ。商業科のアケミちゃんのところにも行ったし」

校長「でた!久々のアケミちゃん!」

長渕「俺が大好きだったアケミちゃん!」

2人「(笑)」

長渕「で、今度俺のクラスからコイツが立候補するから頼むな!学校のルールとか含めてみんなで話し合って変えていこうよ!ってお願いして回ったわけですよ。その結果、生徒会長に当選!放送部長も俺らのクラスから当選!よっしゃあ!ってまた屋根裏部屋に集まって焼酎で乾杯するわけですよ」

校長「すげぇ!イイですね!焼酎はダメですけど(笑)」

長渕「そういう風な形で3年間を過ごしててね、ボクシングで鍛えられた厳しい生活指導の先生達も『お前らちょっとこい。お前らな、最高だぞ。他の先生達には言わないけど、お前らのやってることは正しい。俺の10代もそうだったから、多いに疑問を持って戦え!仲間をキチっと大事にしろっていってくれたんですよ』

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校長「へぇ〜」

長渕「僕はこの先生は生涯忘れませんね。そしてその先生も協力してくれて、例えば僕が学校でコンサートを開きたいとなったら生徒会長が動いて生活指導の先生を通してお願いしてくれて、機材は放送部長に言えば貸してくれるし、体育会の仲間がキップのもぎりを手伝ってくれるし、仲間の協力があっていろんなことが実現してましたね。それぞれが持つ力を集めて、正しい方向に向かって、昨日よりもよい学校にするために動き続けた3年間だったから、卒業の時は本当に別れたくなかったね」

校長「すごい話っすね、これは」

長渕「だからラジオを聴いてるお前らもウジウジしてねぇでどんどんやれよ!と言いたいね。俺は自分が経験した中で良いと思ったことをどんどんみんなに伝えていくから。だからお前らも信じてどんどん動いてみて欲しい。今は時代が違うから、とかそんなことは絶対にないから。自分で1人にならずに、仲間を大事にして、そして学校の不満、親の不満を共有して駆け上がっていって欲しいと思います。変えていこうよ、変えていくのだ!変えていく力っていうのは若者の財産だよ。もう年くった俺らに変革の力はないんですよ。その力をもっているのはやはり若者!10代!1人の力は虚しいかもしれないけど、お前が抱える怒りや悲しみ、寂しさや喜び…同じ気持ちを抱えている仲間は絶対にいるから。その仲間と結束を固めて生きて欲しいですね」

校長「そうですね!それでは剛先生!今夜も授業を始めていきましょう!」

長渕「よし!今夜もまずは点呼から!名前を呼ばれた生徒はその場でしっかり返事をするように!」

長渕 「 【 長野県 33歳 ラジオネーム heads 】!
【 京都府 17歳 ラジオネーム パヤッシー】!
【 岩手県 28歳 ラジオネーム でかいオス猫 チビ 】!
【 高知県 18歳 ラジオネーム 種まきうさぎ 】!
【 愛知県 22歳 ラジオネーム ホッとな雪だるま 】!」


長渕「以上!全員出席!!! それでは授業を始めていくぞ!!!!!!!!!!!」

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さあ、『長渕LOCKS! -ROAD TO FUJI-』第2回もアツくスタートしましたが、今夜はここで長渕先生が校長と一緒に考えたいことがあるということで、この生徒から届いたメッセージをひとつ紹介したいと思います。



長渕先生が本気で向かってこいと言ったので初めてメールします。
SCHOOL OF LOCK! は、普段はとっても楽しいし、校長も長渕先生も本当に優しいと思うけど、自分が本当につらい時は聞く気になれません。
別に僕の家族でも友達でもないし、ラジオ番組だから仕方ないと思うけど、僕が本当につらい時に絶対に電話してもらえるわけでもないし、そういう時にかぎって楽しそうに番組をやってるのを聞いたら余計自分は1人なんだなって思います。
聞いてよかったって思った日はたくさんあるし、好きなときはたくさんあるけど、最近自分が病んでるので途中まで聞いていても『どうせ自分のことなんか本気で考えてくれない』と思ってイライラしてすぐに消してしまいます。
長文になってすみません。自分が悪いのは分かってるんですけど、これが僕の本当の気持ちです。
真っ黒な石
長野県/18歳/男子




校長「なるほどね…これは、なんて言えばいいんだろうな…まずはありがとうですね、真っ黒な石には。本気で、全部むき出してかかってこいって言った結果送ってくれたことですからね。だからそんな風に正直に向かってきてくれたことに対してまずありがとうと言いたいです。そして僕はラジオでこうやって喋らせてもらっていて、もちろんラジオの向こう側に何十万という生徒が聴いてくれていることは分かっているんですけど、自分自身が器用じゃないので、やっぱり誰か1人と電話している時はそいつに向かってしゃべっていると思います。いや、そいつのことしか考えてないです。だからそれについては真っ黒な石には申し訳ないことかもしれないけど、俺はもう電話で向き合ったらそいつのことしか考えられない。ただ、これは3年前ぐらいにふと思ったんですけど、ここは学校なんですよ、そして聴いてるみんながいる。沢山の生徒がいるんだけど1人1人に向けて喋っている。でもここが教室だとするならば、聴いてるみんなは窓際でも端っこでもなく、全員が真ん中にいると思ってるんですよ。そこの集合体というか、そこに向かって喋ってると思ってるんです」

長渕「なるほど。それはいいんだけどさ、校長。俺はひとつ思うのが、ありがとうはいらないと思うよ」

校長「…いらない、ですか」

長渕「なんでありがとうって言うんだよって。ありがとうっていうのは本当にありがとうなんだよ。本当にありがとうって言うべきもの以外は言わなくていいと思う。校長は俺よりも何年も前からこの学校で10代と対峙して一生懸命やってるじゃない。でも俺思うんだけどさ、校長はいつの間にか生徒の全てを肯定してしまう、気を使い過ぎてね。そう思うんだ」

校長「…..」

長渕「校長もあまり全てを肯定してありがとうって言う必要はないと思うんだ。もっと怒りをあらわにしていいんじゃないかなって思うよ。今すごく校長が良いこと言ったのはさ、顔も見れない大勢多数の人に対して話しているけど、電話で1人に対峙した時はそいつのことだけを思って話すって言ったじゃない」

校長「はい」

長渕「俺はそれでいいと思うんだよ。ここは俺らにとっては聖域でさ、真剣に集中してやらせてもらってるじゃない。だからそこに対して正直な気持ちを出していいと思うんだよ。このマイクに向かって喋ってるけど、このマイクは今はマイクじゃなくて“真っ黒な石”。その真っ黒な石に向かって話してる。だから俺は思うよ、真っ黒な石、お前は俺ととーやまに向かって本気でそんなこと言ってんのか!? とーやまは一生懸命やってるぜ?何が気に入らねぇんだよ?何がつまんねぇんだよ?」

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校長「……」

長渕「言葉荒げてごめんね。でもさ、相手に対して失礼なことを言うってことはさ、それなりの覚悟を持って言わなきゃいけないんだよ。こういう風に言い返されることもあるかもしれない。そして俺らも言い過ぎて逆に反省しなきゃいけないこともあるかもしれない。もしも傷つけてしまうことがあるとしたら俺らは本当に謝らなければいけないだろうし、心を改めなければいけないけど、とーやま校長のようにマイクを1人の人間と見なして真剣にラジオをやっている人は他にいませんよ。みんな予定調和を考えてね、こう言ったらいいんじゃないかとか、こうしたらいいんじゃないかとか。もちろん俺らもそういうことを考えなきゃいけない時もありますよ。でも今回のSundayはさ、校長。そういうものは全部抜きで、面白い時は面白いけど、腹立った時は俺らも怒っていいんじゃないの?」

校長「…..そうですね」

長渕「肯定してあげることも大事だけど、真実を突きつけることも大事なんだよ。俺がさっき話したみたいにさ、高校時代の怖い生活指導の先生も真っ正面から向かっていったら本当に分かり合える理解者になってくれた。怖い先生も本気で向き合ってくれたらすっげー好きな先生に変わることってあるじゃない?俺はみんなと本気で向き合って、お互いを理解し合える関係になりたいと思ってるんだよ」

校長「…うん、その通りですね」

長渕「本気って何だろうか?根本にある気持ちだよね、本気って。ウワー!って声を荒げることが本気じゃなくてさ、例えば今日のこのメールに対して思った感情をそのまま素直に出すこと。俺らはお互いもうちょっと感情的でいいと思うんだ。俺はこの真っ黒な石に言われて思ったのは、おいお前、何がつまんねぇんだよ?どうしたんだよ?闇って何だよ?悩んでるって何だよ?その悩み聞かせろよ。なんでスイッチ消すんだよ?つらい時にこそ聴くんじゃねぇのかよSCHOOL OF LOCK! をよ。とーやま校長はそのために何年も何年もお前らと一緒に走ってきたんじゃねぇのかよ?…そんな気持ちになりますよ、俺はこの子に対して」

校長「はい」

長渕「じゃあ一度ここに来てくれよ、お前の話が聞きたい。話をしようぜ。そう思う。俺らは対等であるべきなんだよ。僕もさ、Saturdayまではどこか気を使いながらやっていた部分もあったのかもしれないけど、このSundayに関してはそういうのをとっぱらって気を使わずにやってみない?」

校長「はい。そうですね…僕もホント生徒と喋っている時はそのことしか考えてないです。でもどこかで、まぁ番組っちゃ番組なのでどこか予定調和というか、気を使ってやってる部分はあったのかもしれないです。このラジオは仕事といえば仕事ですけど、僕にとってはもはや仕事じゃないんですよ。だって生徒のみんなとは友達だと思ってるから。友達が笑ってるんだったら何があったんだよ?って一緒に笑いたいし、しんどそうだったら何があったんだよ?って寄り添ってあげたいし。でもどこかでまだ自分にセーブをかけていた部分があったのかもしれません…無意識のうちに。自分の中では精一杯やってたつもりなんですけど、まだ他にもやれることはあるし、いけるところがあるなって剛先生の話を聞いてて思いました」

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長渕「うん。俺もそれでいいと思うんだ。俺がね、Sarurdayの最終回で言った『もっと本気でかかってこないとつまんねぇぞ』ってさ、本当の気持ちなんだよ。もっと命がけで生きて欲しいと思うし、変革もやって欲しいし時代を変えて欲しいと思う。俺ができなかったことを次はお前らの番で…とも思うしね。もしかしたら俺らが本気で対峙した時に君たちを傷つけてしまうこともあるかもしれない。でも俺は俺の人生を通して、校長は校長の人生を通して、やっぱ本気の姿勢を見せてガチンコでやってみないと伝わらないんじゃないかって思うんだ。解決できるか分からないけど、傷つけてしまうこともあるかもしれないけど、真剣に向き合ってあげないと俺はこの子たちのために不幸だと思う。だから悩みの投稿ひとつにしてもお前ら本気で書いてこい。楽しいことも本気で書いてこい。それに対して俺と校長の意見が対立することも今後は出てくるかもしれない。でもそういったことを含めて全員で話し合っていこうよ」

校長「はい」

長渕「だから真っ黒な石、聞いてるかい?お前の気持ちも分かるけど、俺は気分悪いよ。俺ら一生懸命やってるのにつまんねぇとかスイッチ切るとかわざわざ投稿しなくていいよ。俺はお前の何がそうさせてるのかが聞きたい。俺達は真実を探求しなきゃ時代も学校も国も変わらない。お前の真実を聞かせてくれよ」

校長「そうですね…がんばります!いや、がんばらなくてもいいんですね。そのまま正直にやればいいのかな」

長渕「そうだよ。先週の真顔。心を真顔に」

校長「でた真顔(笑)つながりましたね、心を真顔に、真剣にやっていきましょう。変なエンターテイメントはなくしちゃいましょう」

長渕「じゃあ俺、変なエンターテイメントはエンタメって言っちゃうからね」

校長「え?あぁ、今校長エンタメだよってことですか」

長渕「あ、今エンタメ。サービスしてる。楽しませてる。ってね」

校長「オッケーです。分かりました」

長渕「ま、聴くやつが一番感じてると思うけどね、そういうところは。だけどつまらないって言われると俺もムカつくわけよ。だったら校長、真顔だよ。心を真顔に。それでいこうよ」

校長「分かりました。よろしくお願いします」

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今週は前回以上に真剣な、真顔なトークを繰り広げた2人。
真っ黒な石が今夜の授業を聴いてくれていたことを切に願います。
真っ黒な石、また思うことがあったらいつでもメールかカキコミ待ってるぞ。

さあ、長渕LOCKS! ではみんなからのメッセージも待ってます!
長渕先生に相談したいことでも、怒りを抱えたヤツでも、オールナイトライヴについてアツい想いを持っているヤツでも、富士山について語りたいヤツでも誰でも何でもOK!
長渕先生は生徒のキミたちと真剣に、ガチで向き合いたいと思っているから遠慮はいらない!ぜひ[ 長渕掲示板 ]
[ メール ]
から声を届けてくれ!待ってるぞ!!!

ちなみに今夜のアドレス読み、長渕先生が「真顔で挑む」と宣言してやってみたものの、結果は43点。というのも、真顔に気を取られ過ぎて(先週、やはり写真チェックNGのため長渕先生の真顔写真はUPできず…笑)アドレスを間違えたことに気づかずに完璧にやりきったと思い込んでしまったから。
さっきまでシリアスに話していたのが台無しになった感も否めないですが、こういうところも含めての長渕LOCKS! 生徒のみんな、このアドレス読みに対する意見も遠慮せずドンドン送ってくれ!待ってるぞ!!!

長渕語・録「心を真顔に」

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