2/2 「狭心症」


「世の中とか、みんなっていう人たちに向けて何かを発するとき、自分もそん中にいて、自分もその当事者だから、それを忘れないために、いつでも振り返りたい曲ができました」───野田洋次郎


「RADWIMPSは、新曲「狭心症」が2月9日にリリースになるんですが、これについて喋りたいと思います。狭心症。
この曲はね、えーと、頭の歌詞とギターのフレーズと、もういっぺんに出てきちゃって、それで、ずっと頭から離れなくて半年くらい。ちょっと小っちゃい頃、思い出したくない記憶がずっと未だにへばり付いてるみたいな曲で、だけど絶対、歌にしなきゃいけないんだなっての解ってて作ったから、いま、出来上がったのはすごい嬉しんだけど、いまだに聴くのはちょっと辛いなって、感じてしまう曲なんだけども。

RADWIMPS

でもなんか、たぶんこの曲で僕が言いたかったのは、いま思うにだけど、こう、楽しくラジオやってるときとか、人と幸せな時間を過ごしてたり、ま、幸せじゃない時間を過ごしてるときでも、おんなじこう時間軸で、どっかで、発狂してる人とか、泣き叫んでる人とか、いまにも死にそうな人がいて、そういうのなんか忘れないでいきたいなっていうのが常にあって、だけど当たり前のように過ごしてると当たり前のようにそれらが忘れ去られて、すごい遠いところに追いやられちゃってて、だけど多分、この曲を聴きたくないって気持ちと似てるんだと思うんだけど、いま現在そうやって、瀕死の状態にいる人とか、心がもう……何個にも分裂しそうなぐらい悲しい思いをしてるっていう人たちが間違いなくいるってのを気に留めてないと、俺はどっかで、普通に当たり前に生きてたらやばいんじゃないかなって、思うんだよね。で多分、それがこの曲になって、この曲が早く出してくれって俺に言ってきたのは、早くこの曲を形作ってくれって俺にすごいアピールしてきたのは、そういうことを忘れないでくれ……っていうようなことだなと思いました。

RADWIMPS

全部この世の中ひっくるめて、うちらは当事者だし、世の中っていう言葉をひとつ使うときに、まるで自分がその中にいないで、自分ひとり遠くから、その世の中ってものを見てるような気持ちになっちゃうんだけど、世間だったり世の中だったり、みんなっていうのは、自分以外の世界の全てのものな気がしちゃうんだけど、それはすごい間違いで、世の中とか、みんなっていう人たちに向けて何かを発するとき、自分もそん中にいて、自分もその当事者だから、それを忘れないために、いつでも振り返りたい曲ができました。(野田洋次郎)」


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2011.2.9 NEW SINGLE 「狭心症」


M 狭心症 / RADWIMPS