音楽にまつわる職業『プロモーター(第2回)』
<後編>

SCHOOL OF LOCK!


SCHOOL OF LOCK!


山口「今回のサカナLOCKS!は、引き続き、ラジオ局にやってくるレコード会社のプロモーターさんたちの仕事を生徒の皆さんに知ってもらうために、私、山口一郎がラジオディレクターとなってプロモーションを受けていきたいと思います。【 先週 】はね……」

「まんまとプロモーターたちの術中にはまり!!……3オンエアという辛酸を舐める形になってしまったけど!!今週はーーー!!そう簡単にはかけないよっていう気持ちでね……机のはじをこうやってね(笑)。」

SCHOOL OF LOCK!


(※机のはじに強くしがみつくように力を入れる一郎先生)

「先週も言いましたが、プロモーターさんたちの仕事は、ラジオディレクターに対して、曲をオンエアするために話をいろいろするんです。ラジオディレクターはそれを受けて、ラジオ番組の中で曲をかける。っていうのが、ひとつの流れなんですね。なので今回もラジオディレクターになって、プロモーターの話を受けるんですが、これはサカナLOCKS!ですから……SCHOOL OF LOCK!の中のサカナLOCKS!です。10代に向けて、音楽の未来を作っていく番組です。そこにプロモーションしてもらうわけですから、生徒たちのことも考えてプロモーションしてもらいたいと思いますよ。」

ということで今回も、番組制作で忙しい山口一郎ディレクターのもとに3人(3社)のプロモーターさんがやってきます。プロモーションされた楽曲が気になったら、そのままオンエアしていきます!


山口「あー……忙しい。忙しい、忙しいなー……。今は改編の時期だからね。10月の新番組の初回放送だから、気合い入れて台本書いていかないと……忙しい、忙しい……」

白井「お世話になります。すみません、今お時間よろしいでしょうか?」

山口「今ちょっと忙しいんだけど……」

白井「ちょっとだけで大丈夫です。お願いします。」

山口「いいですよ。」

白井avexの白井と申します。」

山口「よろしくお願いします。」

SCHOOL OF LOCK!


白井「今日お持ちしたのは、大森靖子というシンガーソングライターの女の子なんですけど。」

山口「はい。」

白井「大森靖子、弾き語りが真骨頂でして、過去曲18曲と新曲2曲が入っているアルバム『MUTEKI』という、ベスト的なアルバムなんですけど……」

山口「ベスト的だね。20曲も入ってる。」

白井「盛りだくさんで入っております。その過去曲の18曲は、人気曲ばかり集めておりまして、YouTubeで総再生回数1000万回近く見られているという状況のものを集めたアルバムです。」

山口「ほー。」

白井「大森靖子は今まで弾き語りのアルバムを出したことがなくて、真骨頂にも関わらず出していなかったというところで、今活動10周年目を迎えているんですけど、このタイミングでベスト的アルバムの『MUTEKI』を9月27日にリリースしました。」

山口「お、昨日発売。」

白井「で、推し曲が、「流星ヘブン」という曲なんですけど、散々弾き語りが真骨頂だと言っておきながら……最初の2曲はバンドの曲になっています……(笑)。」

山口「あー、それマイナスポイントやなー(笑)」

白井「ただ、そのバンドの曲も聴いていただきたい曲になっています。」

山口「なるほどー……じゃあ、とりあえずラジカセで聴いてみてもいい?」


(「流星ヘブン」のイントロを聴いて……)


山口「おー……あ、結構、レイ・ハラカミさん的な……いいね。」

白井「ありがとうございます。ちなみに、ジャケットも今回は江口寿史さんが描いてくださっています。」

山口「あ、本当だ……そうねー……」

SCHOOL OF LOCK!


白井わたしの好きな歌詞がありまして、"アカウントを消して仮想的に自殺する"とか、"自撮りは私の遺影"とか、最近のウェブの状況を反映して、刹那的なものを綺麗に表現しているところが……」

山口「分かる、分かる……DAOKOとかね。」

白井「一緒にやってます、前に。」

山口「あ……DAOKO、うち(サカナクション)のドラムの江島がお世話になってるんだよなー……」

白井「(笑)」

山口「でもね、僕はそういうカルチャーはいつか日本の主流になると思うんですよ。なんか、アナーキーの種類が変わってきているなっていうのは分かっていて。媚びてない感じがありますよね……」

白井「はい。これからの音楽シーンを作っていく存在だと思っています。」

山口「そうねー……かけちゃおう!

白井「ありがとうございます!」

■ 大森靖子「流星ヘブン[零]」Music Video




山口「いいですね、すごく。」

白井「ありがとうございます。」

山口「オンエアのひとつの決め手になったところは、(白井さんが)歌詞の好きな部分を述べたところ。ちゃんとそのミュージシャンを愛しているんだなっていうところが決め手でした。素晴らしいミュージシャンをありがとうございます。」

白井「ありがとうございます。」

山口「いいね、うん。今のは、致し方ないと思う。だって、良かったもん。この辺のカルチャーはサカナLOCKS!の生徒にも届いて欲しいと思う。ばっちりな選曲でしたね。」

と言いながら、ラジオ業界にとって9月〜10月は忙しい時期。再び作業に戻ります……

山口「うー……忙しい、忙しい。忙しいー……」

SCHOOL OF LOCK!


福永「山口さん、今、お時間よろしいですか?」

山口「今ちょっと……ごめん……忙しいんだよね。」

福永「ちょっとだけでもお聞きいただけると嬉しいんですけど……」

山口「分かりました、じゃあいいですよ。」

福永「よろしくお願いします。私、Lastrumの福永と申します。」

山口「よろしくお願いします。」

福永「今回ご紹介させていただきたいのが、MOSHIMOという男女混合の4人組のギターロックバンドです。」

山口「ローマ字でMOSHIMO。」

福永「はい。MOSHIMOの最大の特徴が、なんといってもこの女の子ボーカルの岩淵の声なんです。キュートなハイトーンボイスが特徴で、すごく人を惹きつける声をしていまして。今回、「支配するのは君と恋の味」という曲を10月4日にリリースするんですけど、SCHOOL OF LOCK!の生徒さんたちに是非聴いていただきたいんです。その理由は、今回、恋の曲で、10代や20代の方ってすごくやきもきされているじゃないですか。」

山口「…………うん。」

福永「あれ?(笑)……あると思うんですよ。好きな人を思って不安になったり、今日連絡来ないなってやきもきしたりすると思うんですけど、好きな人に対して素直になれない自分の照れとか、好きな人に近づきたい、少しでも触れたいっていうよくの中でドギマギしている女の子を描いた曲なんですよ。なので、恋に悩んでいる生徒さんたちに絶対刺さってキュンキュンする曲だと思います。なので、是非オンエア、よろしくお願いします!」

山口「おー。」

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福永「で、ギターの一瀬とボーカルの岩淵閃光ライオット出身でして……以前CHEESE CAKEというバンドをやっていたんですけど、その頃に準グランプリをいただきました。」

山口「閃光ライオット出身なのね。それはもっと早く言ってもらえればね(笑)」

福永「はい!(笑) なので、非常にお世話になっております。」

山口「そういうことね。でもねー……」

福永「SCHOOL OF LOCK!さんで1回かかるっていうのはすごい広がりになるんですよ。」

山口「うん……その分ね、かける側が、生徒たちのためになるのかっていうのがすごく大事なところだと思うのね。生徒たちにとってこのMOSHIMOが良い影響を与えるのであれば、積極的にかけたいと思うんだけどね。」

福永「声だけではっとさせられるので、是非……」

山口「じゃあ、ラジカセでちょっと聴いてみようかな。」


(「支配するのは君と恋の味」の冒頭を聴いてすぐ音を止める)


山口「なるほどねー……」

福永「速い!」

山口「いや、声の質を確認したからね。」

福永「どうでした?」

山口「そうねー……もう一回聴いてみようかな。」


(「支配するのは君と恋の味」をもう一度、聴きながら……)


山口「でも、結構バンドが激しいのね。」

福永「そこも特徴で。キュートなハイトーンボイスなのに、骨太なバンドサウンドというか。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「でもね、今世の中には恋にやきもきしている人たちが頼っている恋愛ソングはいっぱいあると思うのね。だから今さら新しい恋愛ソングをサカナLOCKS!から発信する必要もあるのかなーっていう……」

福永「悩んでいるときにすごい刺されば、毎日聴いて泣いたりとかすると思うんですよ。」

山口「なるほどねー。」

福永「……その1曲にしたいんです!!」

山口「おー……(笑)。福永さんね……僕、姉がいるんだけどね、僕の姉の友達にすごくそっくりなのね……だからすごく距離感が近く感じるのね。」

福永「あら、是非お願いします。」

山口「うーん……かけちゃおう!」

■ MOSHIMO「支配するのは君と恋の味」MV(Short.ver)




山口「ハイトーンボイスっていうかアニソンっぽいね。なるほどね、ありがとうございます。」

福永「ありがとうございます!」

山口「MOSHIMO……恋に悩んでいるサカナLOCKS!のリスナー達に届くと良いですね。」

福永「届けたいです。名前だけでも……」

山口「ははは(笑)。ありがとうございました。」

福永「ありがとうございました。」

ということで、今回もいまのところ、ここまで2人連続でオンエアしてしまった山口ディレクター。

山口「いやー……甘いかな?甘い?もうね……こんな結果だと思ってなかったよ!次に来るプロモーターの人は覚悟しておいて方がいいぞ!!(怒) このディレクター、今日は機嫌が悪い感じになってるからね……!!(怒)」

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駒形「おつかれさまですー。」

山口「おつかれさまですー。(←普通のテンションに戻っている)」

駒形「初めまして、UK Projectの駒形と申します。」

山口「UK Project!お世話になっておりますー。」

駒形「お世話になっておりますー。私、昨日の夜たまたま電気グルーヴの映画を観させていただきまして。私、すごい電気グルーヴがもともと好きなので。」

山口「あ、そう?僕も大好き、電気グルーヴ!(嬉しそう)」

駒形「はは(笑)。」

山口「あら、同じ種族ですね。」

駒形「そうなんです。そんな私が、今日は銀杏BOYZというアーティストを持って参りました。」

山口「あららら……そうですか。」

駒形「銀杏BOYZは、もともとGOING STEADYというバンドがありまして……」

山口「大好きでしたよ。」

駒形「あ、本当ですか?2003年に解散するんですが、そのまま銀杏BOYZとして2003年に活動し始めるんですが、アルバムを2枚出してほとんど活動せず……9年ぶりに、2015年にアルバムを出したんです。」

山口「あ、もう2年経ちます?」

駒形「そうなんです。そこから少しずつ活動させていただいているんですが、そんな銀杏BOYZが、3作連続でシングルを出すことになりまして、7月、8月、9月と3作リリースをいたしました。

山口「精力的ですね。」

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駒形「はい。そして、10月にキャリア初の武道館公演がございます。で、今は朝の連続テレビ小説にも出演していて、割と話題には事欠かない感じになっております。」

山口「そうですよね。」

駒形「で、今日は、本当は昨日リリースになった「恋は永遠」という楽曲をオンエアしたいと思っていたんですが、ちょっとSCHOOL OF LOCK!に寄せて、7月にリリースした1作目の「エンジェルベイビー」という楽曲が、一番歌詞が向いているなと思いまして、この曲をかけていただきたいなと思っているんですけど。」

山口「ほー。」

駒形「歌詞が、とても10代の悩ましい子達には非常に刺さるのではないかという歌詞なんです。」

山口「銀杏BOYZさん……僕、ずっとアルバム待ってましたから、当時。フェス、観ましたよ。同じ日だったので。素晴らしかったです。」

駒形「ありがとうございます。」

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山口「伝説ですからね……僕らからすると。そうねー……SCHOOL OF LOCK!の世代の子たちからすると、やっぱりゴイステ(GOING STEADY)のことを知っている人たちも少ないだろうし、銀杏BOYZの初期の作品はまだね……」

駒形「通ってないかと……」

山口「そうねー……やっぱり、峯田(和伸)さんの存在を知ってもらいたいっていうのはすごくあるね。舞台とかも僕観ましたからね。」

駒形「あ、池松(壮亮)君とやったやつですか?」

山口「そうそう。サカナLOCKS!の生徒達に聴かせない理由がないんだよなー……」

駒形「(笑)」

山口「くー……かけちゃおう!」

駒形「ありがとうございます。」

山口「やっぱり、生徒達には必ず知ってもらいたい。今若いミュージシャン達も影響を受けた銀杏BOYZですから。そのルーツを知ってもらうっていうところで、かけざるを得ないというか……こちらこそかけさせてくださいっていう曲ですよ。」

■ 銀杏BOYZ - エンジェルベイビー(MV)





今回の授業もそろそろ終了の時間になりました。

山口「2週にわたって、レコード会社のプロモーターさんのプロモーションを受けてきましたけど……6戦6敗!(笑)……しょうがない。だってみんなプロモーション上手だったし。なんかね、かけたくない要素がなかったもんね……だし……本気だもんな……(笑)。かけたいんだって気持ちが伝わってくるのよ。それぞれミュージシャンに愛情を持っているもんね。でも、生徒のみんなには素晴らしい音楽を届けられたと共に、プロモーターのお仕事はどんな仕事なのか無事伝えられたので、サカナLOCKS!的には御の字!……ということで、今回の授業はここまで。」

SCHOOL OF LOCK!


さて次回のサカナLOCKS! には、以前、この授業で対談した、
元The SALOVERS。そして現、2(ツー)のボーカル&ギター:古舘佑太郎くんをゲストに迎えます!
最近ではNHKの朝の連ドラでも話題の古舘くんですが(ヤスハルー!)、役者の活動についてや、The SALOVERS解散から2年……新しいバンド "2"結成など、ふたりの近況報告のような授業になると思います。お楽しみに!

前回の一郎先生と古舘くんの対談はコチラから!
前編 】【 後編



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サカナLOCKS! 放送後記

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