「わかったフリのアーティスト用語 (w/副担任GIRLS)」

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草刈「はい、授業を始めますから、席に着いて下さい。マンガを読んでいる生徒はマンガをしまいなさい。」

岡崎「Twitterを開いている生徒はTwitterを閉じなさい。授業が始まりますよ。」

草刈「こんばんは。サカナクションの草刈愛美です。」

岡崎「岡崎英美です。」

草刈「今夜のサカナLOCKS!ですが、先週に引き続き、私たち副担任GIRLSがお届けしていきます。山口一郎先生は、2015年に入ってからずっと春の七草を狩りに行っておりまして、今週も下山しておりません(笑)。」

岡崎「今週も……。」

草刈「私たちも一郎先生が山を下りるのを待っていようと思います。」

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今回の授業は、久々にレギュラー授業「わかったフリのアーティスト用語」です。生徒の皆さんから提出された、"音楽用語だとはわかっていながら、あまり意味が解ってないまま使ってしまっている言葉" について、サカナクションの草刈先生と岡崎先生が解説していきます。

まず最初の質問はこちら。



よく、CDを買ってウォークマンに入れたら、"ジャンル"と出てきますが、この"ジャンル"って何ですか?
エレクトーンLOVE
女/13/長崎県




草刈「ありますね。」

岡崎「ジャンル、ありますね。どうやって言ったら分かりやすいでしょうか……。お菓子とか?」

草刈「お菓子!お菓子のジャンルか、なるほどね。」

岡崎「お菓子で言うと、『ケーキ』、『クッキー』、『和菓子』、『飴』、『グミ』……そういう種類のこと。」

草刈「種類。そうか。ケーキと言ってもいろんなケーキがあるけれど、なんとなく大きいくくりは分かるもんね。」

岡崎「お菓子の中の(くくり)。」

草刈「音楽のジャンルで言うと?」

岡崎「音楽のジャンルで言うと、ロック、クラシック、ジャズ、あとは、CD屋さんに行くと、『ダンス&ソウル』とか『クラブ』とか書いてあるかもしれない。ダンスミュージックのところとか。」

草刈「うん。『ミュージック』というふうにすると大きいけど、それを分けていったところのことだよね。」

岡崎「そうね。音楽の種類っていうことなのかなと思うんですけど。」

草刈「CD屋さんの分け方と、iTunesとか、Androidで聴くときの分かれ方は違うよね。」

岡崎「違いますね。」

草刈「CD屋さんはどうやって分けているんだろうね。」

岡崎「(CD屋で)バイトをしていた事があるんですけれども、まず、日本人の方々の音楽っていう大きい分かれ方と、外国人の方がやっている音楽ってところでまず分かれていて。」

草刈「『邦楽』と『洋楽』。」

岡崎「それがあって、『ロック』とか、『ダンス』とか……」

草刈「一般的に"ジャンル"って言われるのはその辺だよね。」

岡崎「その辺だと思います。CDの棚に、分かりやすいタグみたいなのが着いていて、細かい今まで出たCDが並んでいるところと、大きい台みたいなところに、今出ている新しいやつが何枚か置いてあって、視聴が出来るようになっていたりする……みたいな感じだと思うんですけど。」

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草刈「我々は何になるの?」

岡崎「我々は、iTunesでみると『ロック』。」

草刈「これは、レコード会社が決めているそうですね。レコード会社がiTunesに出す時に、これはロックのジャンルにしてってお願いして出していると。そこに辿り着きやすくする分け方っていうのもあるんだろうね。」

岡崎「うん。みんながどう感じるのかっていうところも含めての分かれ方かと思うんですけど。」

草刈「作っている私たちは、このジャンルに置きたいからって作っているわけではないし、みんな多分そうだと思うんだけど。」

岡崎「うん、うん。」

草刈「リスナーと作り手を分かりやすく結びつけるためのインデックスっていうか。」

岡崎「うん。だと思います。」

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草刈「例えば、クラシックを好きな人がCD屋さんに行ったら、クラシックって書いてある所に行けるもんね。」

岡崎「うん。クラシックの所に行って、誰々さんのこれが欲しいですって言うとか。ちょっと自分で見てみたら、今度はそこから、細かいけど、ピアノだけのやつとか、オーケストラとか……。演奏者で分けられているか、作曲家で分けられているかによるんですけど。」

草刈「じゃあ、ジャンルの下にも細かい分類があると。」

岡崎「うん。細かい分類が更にあるけど、それは、探しやすいようにCD屋さんが進化してそうなって行ったのかもしれないんですけど。」

草刈「お店によって変わるってことだよね。」

岡崎「そうですね。」

草刈「例えば、私たちはiTunesに出す時には『ロック』ってジャンルの名前で出せるけど、そういう場合じゃないときも多いし。いろんなCD屋さん、大きいCD屋さん、小さいCD屋さんってあるから。」

岡崎「うん。ちょっと行ってみて、大体、日本人の音楽と外国人の音楽で大きくは外れないと思うけど、その先の細かい所はCD屋さんによって違ったり、扱っている量によっても違うから。」

草刈「あー、ざっくり分けるのか、細かく分けるのかの違いね。」

岡崎「うん。大きいお店になればなるほど、細かく分けておかないと辿り着くのが大変ってなっちゃうから。そこら辺は場合によるかもしれないけど、聞いてみたらいいかな。」

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そして、その"ジャンル"に関して質問が来ていたので紹介します。



"チルウェイブ"とは何でしょうか。音楽の一つのジャンルだというのは確かなのですが、様々なアーティストのを聴いてみるとあまり共通点が見られないような気がしまして……。ハッキリとした定義はないのでしょうか?是非教えてください。
ねこむら
女/18/京都府




草刈「"チルウェイブ(CHILL WAVE)"っていうのは、また、新しいジャンルのひとつで。」

岡崎「そうですね。」

草刈「ロックとかジャズって、昔から括られて分けられているけれど、いろんな音楽が交差する中で、どこにも当てはまらない、新しい聞こえ方のする音楽がどんどん生み出されています。その中で、チルウェイブは最近出てきたやつで。」

岡崎「新しいですよね。」

草刈「これは、『ダンス』と言われたらダンスでもない。『エレクトロニック』だけれども、何かいろいろとサンプリングとかもしているし、歌も歌っている曲もあるし……でもなんとなく雰囲気が確立されている感じがするというか。」

岡崎「ちょっとふんわリ踊れる……かな。」

草刈「うん。ふんわり踊れるような感じ。……っていう、何て言ったら良いんだろう?っていうときに、新しい名前が登場すると思うんですよね。で、代表的なアーティストは、ウォッシュド・アウト(Washed Out)とかかな。あとは、うちらも好きだけど、トロ イ モア(Toro Y Moi)とかもそれに含まれている。」

岡崎「うん。」

草刈「そう。ねこむらさんが言っている通り、あんまり共通点が見られないって言うのは、新しいジャンルだからこそ、ジャンルの幅が広かったり、他の方に傾いているのが多かったりするから。ロックとかに比べると(チルウェイブと括られるミュージシャンの)人数がすごく少ないから、ちょっとバラバラっとして見えているのは確かだと思う。でも、新しいジャンルでやっている人が少ないっていうのがあるんだと思いますよ。ロックとかって、ものすごい母体の数が増えてくるとなんとなくまとまって見えてくるけど、私たちもロックだし、例えば、ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)もロックだし……ってなってくると、それが一緒かと言われると、ん?ってなってくるよね。」

岡崎「そうだね。被っているところは限りなくあるけど、それがすごい大きいんだよね。」

草刈「そうそう。ジャンルはそのくらいファジー(曖昧)なものだということですね。」

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次の質問はこちら。



"ハイレゾ"ってどんなものなのかよくわかりません。最新型のウォークマンがハイレゾ音源対応らしいのですが、具体的に音質にどのような影響があるのか教えて欲しいです。
環整
男/17/岩手県




草刈「"ハイレゾ(ハイレゾリューション・オーディオ : High-Resolution Audio)"、最近よく聞きますね。私たちもちょこっと意識している……というか。」

岡崎「はい。」

草刈「私たちが今、耳で直接聞いている音っていうのは、録音していろんなものに残せるんだけど。例えば、私たちが一般的によく聴いているCD、ありますね。そのCDの中には、デジタルの形でしかいれることができないのね。全くそのまま音を入れる事はできない。デジタルに置き換えて、"圧縮"っていう言い方をよくするけど。間引きっていう考え方の方がいいかな。」

岡崎「そうね。」

草刈「音が滑らかなスロープになって上がっているのを、階段みたいに表現して、ギザギザの状態。」

岡崎「そのギザギザが細かければ細かい程、音質がいい。」

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草刈「音質がいい程、ハイレゾだ、っていうことになります。図表とかを用いて説明しないとなかなか難しいんですけど(笑)。」

岡崎「そうですね(笑)。難しい。」

草刈「で、ハイレゾって言われているのは、CDの基準(44.1kHz/16bit)があるんだけど、その基準よりも高い音質。音の滑らかさが倍か、それ以上になっているもの。だから、それをどんどん追求していくと、限りなく実際に鳴っていた音に近いものになっていく。」

岡崎「うん。その場で鳴っていた音に。」

草刈「元々、私たちの作っていた音に近いものになっていくんだけど。そういう音質のことをハイレゾと言われていますね。」

草刈「で、音質的にどのような影響があるのか……。」

岡崎「影響かー。」

草刈「影響って言うと難しいかな。私たちはね、最近は96kHzとかで録っているの。96kだから、CDの3倍?CDに入っているものよりもはるかに情報が入っているものでレコーディングをしているんですよ。だから、私たちがもしハイレゾの音源を出すとしたら、私たちが録っていたとき、そのままの音をお届けする事が出来るっていうところで。」

岡崎「聴いて欲しいですね。」

草刈「聴いて欲しいですよね、もし機会があればね。」

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そろそろ今回の授業も終了の時間になりました。

引き続き、皆さんが「わかったフリ」をしている音楽用語に関する質問も募集しています。他にも宿題が出ていますので、山口先生が留守にしている間に、できたものからどんどん提出してください。
サカナLOCKS! 宿題の一覧は[⇒コチラ!]

草刈「みなさん、私たちが音楽を始めたときよりは、随分、いろんな事をご存知で。」

岡崎「知ってる。」

草刈「ね!すごいよねー。今後が大変楽しみであります(笑)。みなさん、音楽をもっと勉強してみてください。」

岡崎「ふふふ。」

草刈「さて、来週山口先生が春の七草狩りから帰ってくるかどうかは、来週の授業になれば、分かるかな……。分かると良いなー……。というところで(笑)。私たちも会ってませんからねー(笑)。」

岡崎「そうですよね。皆さんと同じで。」

草刈「はい。念じてだけおります(笑)。みなさんも会いたいですよね。ねー。」

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