春のエフェクター講座(前編) w/ ギター:岩寺基晴

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■ うああ!

今から幕張が楽しみすぐる!!楽しみすぎて曲順予想しちゃったよ!(笑)

顔面冷蔵庫
男/17/栃木県



山口「幕張メッセライブがこの週末、5月18日、19日に迫ってまいりました。顔面冷蔵庫は曲順予想しちゃったらしいですね。……当たるかな〜?今回の曲順は、前にやった(選曲の)授業を結構反映しています。だから、みんなも予想してみたら面白いかもしれませんね。サプライズはあるかな〜……?まあ、アルバムツアーなので、アルバム曲からいっぱいやるので、是非予想してみて下さい。」

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今回は「分かったフリのアーティスト用語」の中でも質問の多い、『エフェクター』の授業を行います。ゲスト講師として、サカナクションからこの人に登場してもらいます!

岩寺「え〜、サカナクションのギター、そして、副担任の岩寺基晴です。」

山口「"え〜、サカナクションのギター、そして、副担任の岩寺基晴です。" (大げさにモノマネ)……って、力入り過ぎでしょ(笑)」

岩寺「緊張してるんだよ(笑)」

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ということで、サカナクションのギター、岩寺基晴先生を迎えて『春のエフェクター講座』を行いたいと思います。今回は岩寺先生が、この音学室にギターとエフェクターを持ち込んでくれました。実際に音を聴き比べながら、いろいろなエフェクターを紹介していきます。

山口「まず最初に。楽器をやっている人や、ギターをやっている人だったら分かると思うんですけど、"エフェクター" っていうのはどういうものですか?」

岩寺「エフェクターっていうは、ギター以外でもいろんな楽器に使われるんですけど、元の音を何らかの形に加工して、聞こえる音を変えてしまう機械ですね。」

山口「よく、スマホのカメラアプリとかにもエフェクトってありますよね。」

岩寺「うん。色を変えたりとか。」

山口「そう、モノクロにしたり、ぐにゃっと顔を曲げたりとか……。それの音版って考えてもらったら良いんじゃないかと思います。」

岩寺「分かりやすいね。」

山口「それでは実際に音を出して、聴き比べて実験してみましょう。」

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(1) 歪(ひず)み系 (オーバードライブ、ディストーション、ファズ)

山口「まずは、バンドをやっているギター少年たちも知っているエフェクター…… オーバードライブから説明していきます。岩寺先生、オーバードライブとは何ですか?」

岩寺「これは、よくある、歪(ひず)み系と呼ばれるエフェクターで "音を歪ませる" っていう表現をするんだけど、音を割れさせるっていうか……。」

山口「コウイウコトデスカ?(声で表現)」

岩寺「あ、そうですね(笑)。シャウトっていうか、音をガラガラさせたり、ザラザラ、ジャリジャリ、ガリガリ……といった加工をするというエフェクターですね。」

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山口「じゃあ、実際に音を聴いてみましょう。まずは、何もかけていない音から聴いてみましょう。」

<♪ギターを鳴らす>

山口「これは、普通にギターの裸の音ですね?」

岩寺「うん。(パソコンの中ではアンプのシミュレーターを使っているのですが)まあ、裸の音ですね。アンプに直刺しの状態ですね。」

山口「じゃあ、これにオーバードライブをかけてもらいましょう。」

岩寺「オーバードライブっていうのは "歪み系"エフェクターの中でも、一番歪まないエフェクターですね。どういう音か聴いてみましょう。」

<♪ギターを鳴らす>

山口「なるほどね。音がぐちゃっとつぶれて、"ジャーッ" となっているわけですね。」

岩寺「そうそう。」

山口「じゃあ、歪み系のエフェクターは、オーバードライブ以外にもあるんですか?」

岩寺「うん。歪みが強くなって行くに連れて、3つの種類に分けられるんですけど、次がディストーションですね。これは、オーバードライブに比べて、もっと粒が細かいというか、ザリザリした印象ですね。」

山口「じゃあ、聴いてみましょう。」

岩寺「結構、歪むのでノイズ(雑音)が多いのはご了承ください。」

<♪ギターを鳴らす>

山口「おぉ〜、結構歪んでますね。"ギャー" っていう感じですね。」

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岩寺「はい。そして、ディストーションよりも、更に歪む……といったら表現はちょっと違うかもしれないんですけど、もっとつぶれている、荒い歪みのファズというエフェクターですね。聞いてみましょう。」

<♪ギターを鳴らす>

山口「お〜。暴力的な音ですね。まあ、裸の音がゴムボールだとしたら、オーバードライブはちょっとイガイガしている……」

岩寺「ウニ?」

山口「ウニ、は尖り過ぎだろ〜(笑)。……あ、ドリアン!……ドリアン、みんな分かるかなぁ(笑)。ちょっとチクチクしている感じ。」

岩寺「あ〜、はいはい(笑)。」

山口「ディストーションが、栗……、いや、タワシくらい。」

岩寺「うん、はいはい。」

山口「で、ファズが、ウニくらいかな。"ギャン!"としていますね。」

岩寺「ファズっていう語源自体も、"毛羽立った" って意味らしいから、細かい毛がいっぱい出ている、みたいな感じ。」

山口「じゃあ、イライラしている友達がいたら、「お前、今日ファズってんな。」みたいに使うと音楽通っぽいね(笑)。」

岩寺「ははは (笑)」



(2) 空間系(リバーブ、ディレイ)

山口「では続いては、リバーブっていうエフェクトを紹介してもらいましょう。」

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岩寺「これは "空間系" エフェクターという部類に入るんですけど、その名の通り、音に人工的に空間をつける、残響をシミュレーションします。いろんな広さの部屋でギターを鳴らす……っていう感じ。」

山口「はいはい。体育館でパンって手を鳴らしたときとか、お風呂で反響するあの感じとか、それを擬似的に作り上げると。」

岩寺「そう。機械の力で仮想的に作り上げます。」

山口「じゃあ、聴いてもらいましょう!」

<♪ギターを鳴らす>

山口「なるほど。じゃあ、これが体育館くらいになると……?いや、今の響きが体育館くらいあるんじゃない?」

岩寺「いや、体育館までじゃないよ。会議室くらい。」

山口「うそ〜?結構広い会議室だよね(笑)」

岩寺「じゃあ、体育館くらいのリバーブがかかった音を出します(笑)」

<♪ギターを鳴らす>

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山口「結構広いですね〜。リバーブって、マイクの音にも結構かけますよね。」

岩寺「あ〜、はいはい。」

山口「校長や教頭も、声にリバーブをかけたりすることがありますね。」

岩寺「そうですね。本当に、ギターに限らず、ボーカル、シンセサイザーなど、いろいろかかってますね。」

山口「じゃあ、僕がしゃべっているこのマイクにも、リバーブをかけてもらいましょうか。」

<リバーブON>

山口「どうもーー山口一郎ですーーー」

岩寺「いいね〜(笑)。」

山口「よし、じゃあ、コラボしよう!広い体育館で、なんかやっている風な演技しよう(笑) モッチ!って呼ぶから、ギターで返してよ。」

岩寺「はい(笑)」

<リバーブON>

山口「モッチーーーーーー」

岩寺(ギターで)「♪ジャーーーンーーーー」


山口「……みたいなね (笑)。結構広いところで会話をした感じ。それをシュミレーションできるんだね。」

岩寺「そうですね。」

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山口「サカナクションの曲で、リバーブを使っている曲はありますか?」

岩寺「ほとんど使っていますね。レコーディングにおいては、(ギターの音とその他の音を)馴染ませるっていう役割が結構大きくて、よく聴かないと分かんないようにかけているのもあるんですけど。」

山口「サカナクションの曲では、「ワード」とか、「僕と花」のフレーズもリバーブかかってるよね。」

岩寺「うん、ソロとかは結構かかっていたりしますね。」

山口「ちなみにリバーブのかかり具合って、"深さ" で表現するんだよね。」

岩寺「そうだね〜、深さだね。」

山口「こういうのを学校でいうと、「お前、音楽、知ってるな。」ってなるよ(笑)。」

岩寺「深さって良いよね、面白い表現だよね。」



岩寺「空間系のエフェクターは、リバーブの他にディレイっていうのがあります。」

山口「ディレイは直訳すると、"遅れ" って意味だよね。」

岩寺「うん。遅れとか、遅延って意味ですね。簡単にいうと、"やまびこ" みたいなもので、山で叫んだりすると、自分の声が山に跳ね返って来たりするじゃないですか。そういうものをシュミレーションしているエフェクターですね。」

山口「"エコー" と "ディレイ" は違うの?」

岩寺「一緒です。」

山口「一緒なんだ。じゃあ、試してみましょうか。」

岩寺「一般的に使われている事が多い、"デジタルディレイ"っていう種類のものをかけてみたいと思います。」

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<♪ギターを鳴らす>

岩寺「(♪ジャン、ジャン、ジャン……) こんな風に、繰り返されていくね。」

山口「ディレイって、サカナクションでも多用されてますよね?」

岩寺「うん、いっぱい使ってますね〜。」

山口「「アルクアラウンド」の頭とかね。」

岩寺「「アルクアラウンド」の頭は、"アナログディレイ"を採用しているので、それを再現してみようと思います。」

<♪「アルクアラウンド」のイントロ>

山口「おおー。なんか、イントロ、ドン!みたいになってる(笑)」

岩寺「(笑) まあ、これはリバーブがかかってないから結構ショボい音になっちゃってるけどね。」

山口「なるほどね。エフェクターっていうのは、ひとつだけじゃなくて、2つも3つも同時にかける事があるんですか?」

岩寺「うん。いろんな組み合わせによって、その時その時で作って行くものですね。」

山口「じゃあ、今聴いてきた、オーバードライブ、ディレイ、リバーブを3つ同時にかけたらどんな音になるのか聴いてみましょう。」

<♪ギターを鳴らす>

岩寺「こんな感じですね。」

山口「なるほど〜。今のは、音が歪んで(オーバードライブ)、繰り返されて(ディレイ)、その音に広さ(リバーブ)が加わっているわけですね。」

岩寺「そうですね。その順番です。」

山口「エフェクターがかかる順番が変わると、音も変わるんですか?」

岩寺「変わります!すごく重要ですね。」

山口「それはまた、中級編の方でやりましょう(笑)」

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春のエフェクター講座、あっという間に時間が過ぎて、授業もそろそろ終わりの時間です。が、実はまだ紹介したいエフェクターがあるので、来週も岩寺先生にご登場いただいて、ギターで音を出しながら、その効果を勉強していきましょう。

岩寺「来週はまた、もうちょっと特殊なエフェクターを紹介していきたいと思いますので、お楽しみに!」

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