サカナクションでラブソングを作りたい。

サカナLOCKS! 2016.12.15 木曜日

SCHOOL OF LOCK!


今回は生放送教室から授業を行います。
一郎先生、ちょっと思い悩んでいるような……

山口「サカナクション、今までたくさんの曲を作ってきました。来年で10周年ですよ!そんなサカナクションにはひとつ大きな特徴があります。それは……

ラブソングがない!

……ないわけじゃないんだけどね。ラブソングだって伝わりやすい曲がない。そういう状況に今追い込まれているんですね。世の中はラブソングで溢れています。どこのデパートに行っても聴こえてくる音楽はラブソングだし、スーパーのオルゴールとかになっている曲までラブソングだと。たくさんのミュージシャンがたくさんのラブソングを歌っています。そして、多くのリスナーに共感を得ているわけですね。だがしかし、サカナクションには……

ラブソングがない!

……ふふふ(苦笑)。分かりやすい、ストレートなラブソングを作ってこなかった理由はいくつもあるんですが、2016年12月のクリスマス間近……僕は今こんな気分です。」

"愛の歌 歌ってもいいかなって思い始めてる"

(♪ 「ドキュメント」サカナクション より)

「……ということで、2017年にラブソングを作るため、今からリア充生徒にリサーチ逆電をしていくぞ!これは、リサーチっていうよりかは、先生が生々しいラブソングを書くためのプロファイリングとさせていただきたい。なので、惚気話をただ聞くだけじゃないんだぞ。惚気話の中にある暗さや切なさ、愛しさ……全部を僕が搾り取りたい。だから、話す側もちゃんと心して話して欲しいなと思います。さあ……リア充出てこい!」

ということで、君の恋愛エピソードがサカナクションのラブソングになるかもしれません!今回、電話していく生徒は……



遊びたいけど遊べない
僕は訳あって隣の街にバスで1時間かけて通ってます。そこで彼女が出来たんですが、どっちも部活をやってて、平日は遊べないし、土日は僕のバスが3本しかなくなかなか遊ぶことはできません。だけどたまに遊べる時の嬉しさはほかの人とは違ったものがあると思うし、なんだかんだで1年と半年くらい続いてます。でも、前に、ほかのカップルみたいにもっと遊びたいなって言われてるのでどうしたらいいのかわからない今日このごろです。
ピルぺッピ
男性/16/北海道




山口「もしもし!」

ピルペッピ「こんばんは。」

山口「なるほどなー、そういう状況なのね。1年半くらい付き合っているってことか。彼女はどんな人なの?」

ピルペッピ「活発で、可愛らしい子です。」

山口「ピルペッピは自分ってどんな人だと思う?」

ピルペッピ「僕は……そんなに人とも関わらない、彼女一筋な人だと思います。」

山口「出会いは?どんな出会いだったの?」

ピルペッピ「僕の友達が彼女と仲が良くて、その人を仲介して話をしていました。」

山口「自分は何部?」

ピルペッピ「バドミントン部です。」

山口「彼女は?」

ピルペッピ「テニス部です。」

山口「ほー。初めて会った時、どんな感じだった?」

ピルペッピ「いや……僕は完全に一目惚れでした。」

山口「おー……!それは、部活している姿を見たりして?」

ピルペッピ「はい。」

山口「そうなんだ。可愛いなーって。で、告白はどんな感じ?」

ピルペッピ「告白は、僕の大会の前の日に、彼女から電話で告白されました。」

山口「え?大会の前日ってこと?それまではお互いのことで連絡を取り合ったりしていたのね。」

ピルペッピ「はい。」

山口「一緒に遊んだりしていたの?」

ピルペッピ「そこまではしてないです。」

山口「そこまではしていないんだ。じゃあ、部活を頑張ってる仲間って感じだったんだ。」

ピルペッピ「はい。本当に、会ってすぐでした。2週間くらい。」

山口「え?会って2週間くらいで告白されたの?ってことは、彼女もピルペッピに一目惚れだったのかな?」

ピルペッピ「多分、そうだと思います。」

山口「なんか、付き合う時に聞いた?僕のどういうところが好きなの?って。」

ピルペッピ「いや、特に聞いてないです。」

山口「そうなんだ。ピルペッピも話してないの?」

ピルペッピ「はい。」

山口「なるほどー。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「お互いに共通点とかあるの?」

ピルペッピ「共通点は、スポーツが好きだったり、音楽が好きだったり。」

山口「じゃあ好きな音楽をシェアしたりしているの?」

ピルペッピ「はい。」

山口「彼女は何が好きなの?音楽。」

ピルペッピ「彼女はナオト・インティライミ先生とか。」

山口「へー。ピルペッピは何が好き?」

ピルペッピ「僕は、サカナクション先生一択です!」

山口「マジで?お前……いいやつだな(笑)。」

ピルペッピ「(笑)」

山口「じゃあ、彼女にもサカナクションが好きだって言ったりしているの?」

ピルペッピ「はい。彼女も聴き始めました。」

山口「お。何の曲から渡した?」

ピルペッピ「「アルクアラウンド」から。」

山口「お前分かってるなー(笑)。」

ピルペッピ「(笑)」

山口「普段はどんな風に連絡取り合ったりしているの?

ピルペッピ「部活が終わった後に通話していますね。」

山口「メールとかは?」

ピルペッピ「メールとかより通話ですね。」

山口「そうなんだ。お互いに自分の部屋はあるの?」

ピルペッピ「はい。」

山口「じゃあ遅くまで電話してるんだ。その電話が楽しみ?」

ピルペッピ「楽しみですね。そのために毎日頑張っているようなもんなので。」

山口「お、電話のために。さっきのメッセージの中ではなかなか遊べないって書いてあったけど、家が遠いの?」

ピルペッピ「はい。僕の近くの学校が僕の好きな部活をやりこめる場所じゃなかったので。」

山口「じゃあピルペッピは結構本気でバドミントンにかけているんだ。彼女もテニスに本気なの?」

ピルペッピ「はい、かけてます。彼女も本気だと思います。」

山口「じゃあ部活があって忙しいんじゃないの、お互い。」

ピルペッピ「そうですね。彼女に至っては、土日は8時間とか練習していて。」

山口「デートできないじゃん。」

ピルペッピ「そうです。」

山口「じゃあ、もう本当に電話なんだ。」

ピルペッピ「はい。」

山口「会いたくても会えないのね。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「彼女のおかげで自分は変わった?」

ピルペッピ「はい。最初の頃、クラスの人とかと全然話せなかったんですけど、彼女のおかげでみんなと話せるようになって。」

山口「男女関係なく?じゃあ、自分の殻を破れたんだ。」

ピルペッピ「はい。」

山口「なるほどなー。じゃあ、ピルペッピは今の彼女を好きになる前に人を好きになったことはある?」

ピルペッピ「あります。」

山口「それはいつくらい?」

ピルペッピ「それは中学2年生ですね。」

山口「その時人を好きになった感じと、今人を好きになっている感じって違う?」

ピルペッピ「違いますね。中学2年生の頃は、先輩に憧れていて。自分の足りないところを持っていたり……。」

山口「大人な感じね。分かる。」

ピルペッピ「高校生になったら、自分と違うっていうより、自分に近い人の方が好きなのかなって。」

山口「自分といろんな感覚を共有できる人だ。異性なのに……って感じか。」

ピルペッピ「はい。」

山口「先生は恋愛の曲を書きたいんだけど、ピルペッピとは世代が違うのよ。先生が高校生の頃とかって、携帯電話がなかったの。家の電話に直接かけないといけなかったのね。お父さんが出たら切ったりして。メールもできないから、ポケットベルとかだったんだよ。」

ピルペッピ「おー、ポケットベル……!」

山口「そう。ポケットベルで、イマカラカケル デレル?って打って、「デレル」って返ってきて、家の電話の前で待っていてもらったの。コードレス電話が出始めて、部屋で話をするんだけど、家の電話を長く使っているとお父さんやお母さんがうるさいの。だから、お母さんに叱られる時間のギリギリまで話をして、続きは学校でね……っていうドキドキ感があったんだけど、多分ピルペッピは違うだろ?自分の電話だろ。LINEとか。」

ピルペッピ「そうですね。」

山口「そういうドキドキ感とかはないだろ。」

ピルペッピ「ないです。」

山口「じゃあ、彼女といて一番ドキドキする瞬間はどんな時?」

ピルペッピ「うーん……夜歩いていて、部活帰りの僕のバスの待ち時間なんですけど。誰も居ないところで、何も言葉を交わさずに見つめ合っている瞬間ですかね。」

山口「……そういう系な……ほー……。」

SCHOOL OF LOCK!


山口「先生は君のその恋愛を音楽にしたいのよ。だから細かく聞いていくぞ。棘ある言い方になったらごめんな。告白した季節は?」

ピルペッピ「春です。」

山口「春。時間帯は何時くらい?」

ピルペッピ「夜の……11時50分くらいです。」

山口「ほー、遅いな。試合の前日って話をしていたな。電話では明日の試合頑張ってねって話をしていたのか?」

ピルペッピ「そうです。」

山口「それは自分の部屋か?」

ピルペッピ「そうです。」

山口「どういうところ?デスク?ソファー?」

ピルペッピ「布団の中です。」

山口「布団の中な。電気は消えている?」

ピルペッピ「消えてました。」

山口「彼女も布団の中?」

ピルペッピ「そんな感じです。」

山口「ゴソゴソ布団が動く音は聞こえていた?」

ピルペッピ「はい。」

山口「お前は告白されるって予感はあったのか?」

ピルペッピ「ありました!」

山口「予感はあったんだ!それはどういう予感だ?」

ピルペッピ「なんか……いつも無い間があったというか……。」

山口「"間があった"……!会話の中に?」

ピルペッピ「はい。」

山口「春……試合の前日……布団の中……夜……部屋の電気を消して、会話の中に間を感じたんだな。その間でお前は何かが違うと思ったんだ。その直後、彼女は何て言ったんだ?」

ピルペッピ「その直後、「明日大会で、集中できなくなるかもしれないけど、私と付き合ってください。」って……」

山口「そうか……!「付き合って」じゃなくて、「付き合ってください」なんだな。そしてそのあとお前はどのくらいの間を空けて返事をしたんだ?」

ピルペッピ「10秒くらい空けて、「僕でよければ」って。」

山口「お前も敬語か(笑)。そしたら彼女はどう反応した?」

ピルペッピ「なんか喋らなくなりましたね。」

山口「あー……その沈黙の中でお前はいろんな言葉が頭によぎったな。」

ピルペッピ「はい。」

山口「向こうは泣いている感じ?喜びを抑えてる?びっくりした感じだった?」
ピルペッピ「びっくりした感じでした。」

山口「まさかOKもらえるとは思わなかった感じか。」

ピルペッピ「はい。まだ、2人とも敬語で話をしている段階ですからね。」

山口「あ、なるほど……。まだそんなに距離は縮まっていない中での彼女の思い切った告白だったわけだな。」

ピルペッピ「はい。」

山口「じゃあ、そのあと敬語じゃなくなっていったのはどういう感じで?」
ピルペッピ「まだ……1週間くらいは敬語でしたね。」

山口「試合はどうだったんだ?」

ピルペッピ「絶好調でした!」

山口「ははは!(笑) 勝ったのか。」

ピルペッピ「勝ちました!もう、即、会場で隠れてメールしました。」

山口「彼女はすぐ返信くれたか?」

ピルペッピ「彼女は部活中でしたね。」

山口「はー。で、部活が終わった頃に返ってきたわけだな。」

ピルペッピ「はい。」

山口「じゃあ、好きだったんだなーお互い。なるほどなー……いい恋愛だなー。」


山口「彼女と長く付き合っていけたらいいなと先生は思う。どういう風に彼女を大切にしていきたいかな?どういう存在でいる?……言葉をくれ、先生に!」

ピルペッピ「どういう存在……」

山口「例えばだな……。……例えが出てこないな、先生(笑)。」

ピルペッピ「難しいですねー。」

山口「そうかー。でも、大好きなんだな。」

ピルペッピ「はい。」

山口「彼女以上にこれから人を好きになることはあるかなって思う?」

ピルペッピ「無いです、多分。」

山口「無い……。じゃあ本当に大切なんだな。」

ピルペッピ「なるほどなー。」

山口「……なんか羨ましいなー。同じ学校で、会えなくても同じ志を持って共有し合う戦友でもあり、恋人でもあるんだな。」

ピルペッピ「はい。」

山口「そうだなー……お前らのことを歌にするなら、タイトルは何だろうなー……。何だろうなー……。そうだなー……春だもんなー。まあ、パッと出てこないな(笑)。でも、考えておくわ。もしかしたらピルペッピのことを歌にするかもしれないぞ。」

ピルペッピ「本当ですか。」

山口「ちょっと、後で僕にTwitterでDMをくれ!(笑) もっと詳しく聞かせてくれ(笑)。」

ピルペッピ「分かりました。」

山口「じゃあ、彼女と仲良くなー。参考にさせてもらうね。」

SCHOOL OF LOCK!


ということで、生放送教室からのサカナLOCKS!、終了の時間になりました。

山口「やっぱり先生世代の人と今の子たちの恋愛って違うんだよね。先生はもう別れの曲が書けないと思う。なぜなら、若い子たちと僕たちの別れは違うから。だって、転校生っていうのは今生の別れだったんだよ。でも、今の子たちはLINEとかで繋がれるじゃん。繋がっているけど連絡しない別れが今の子たちの別れなんだろうと思う。そういうことも含めて今日はいろいろ勉強になりました。参考になりますよ。またやりたいですね。……まず僕が恋愛するところから始めようと思います(笑)。」
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