「宿題: 『バレンタインソングがあまり増えない理由を140字以内で答えよ。』」

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山口「はい、授業を始めますから席に着いてください。マンガを読んでいる人はマンガをしまいなさい。Twitterを開いている人はTwitterを閉じなさい。Instagramを開いている生徒はInstagramを閉じなさい。授業が始まりますよ。」

「僕たちサカナクションがやっているイベント、『NF』。……なんと、今回3月24日、25日、26日の3日間、NIKEのイベントをNFがプロデュースしちゃうんですよ。……大飛躍(笑)。AIR MAX REVOLUTION TOKYOっていうイベントで、入場無料なんですけど、そこの空間プロデュースをNFがやることになりました!ドンドンドン!パフパフ!……どんなことをやるかというと、NIKEの靴を紹介しながら空間の中で遊びをやろうと、NFにお声がかかり、私サカナクション山口一郎と、インテリアデザイナーの片山正通さん、スタイリストの三田真一さん、「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」とか「新宝島」のMVの監督をやってくださっている田中祐介さん、rhizomatiks Research真鍋大度さんと黒瀧節也さん、ヘアメイクアーティストの根本亜沙美さん、そして、僕らのチームの青山翔太郎くんがその空間をプロデュースするんですよ。そして、NFデザインのNIKEの靴が出ちゃうかもしれないぞ。……これはね……先生、履く(笑)。先生ね、いろいろデザインしたからね。このイベントは入場無料です。場所は、東京国立博物館表慶館ってところで行われます。上野ですね……東京なのでなかなか東京以外の人は来にくいかもしれないんですけど、3日間週末にやるので是非来てもらいたいと思います。詳しいことは[ホームページ]とかに書いてあるので、チェックしてみてほしいと思います。楽しみだねー。NIKEのNをNFのNに変えたかったね(笑)。いろいろ厳しいみたい、そういうの。みんな、遊びに来てな。……では、黒板書きたいと思います。」

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「さて、ホワイトデーから2日経ちましたが、男子諸君勇気を出して何かあげたか?お返ししたか?今日はそれよりもさらに1ヶ月先の話題。なぜクリスマスなどに比べてバレンタインソングが少ないのか……その理由を140字以内で答えるように生徒の皆さんに宿題を出していましたね。覚えていますか?確かに、クリスマスソングに比べると極端に少ないです。先生が思い浮かべる奴は1曲しかない。1986年にリリースされた、国生さゆり(withおニャン子クラブ)さんの「バレンタイン・キッス」。」



「(一緒に歌いながら……)シャラララー♪……うわー可愛いねえ。これね、僕はリアルタイム世代じゃないのよ、実は。まだ小学校1年生だから、この頃の僕。あと、2007年にPerfume「チョコレイト・ディスコ」っていう曲をリリースしましたね。」

■ [MV] Perfume「チョコレイト・ディスコ」




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「一般層に受け入れられた曲は、この「バレンタイン・キッス」と「チョコレイト・ディスコ」の2強。巨人と阪神みたいな感じ(笑)。では、なぜバレンタインソングはこんなにも世の中に少ないのか、生徒のみなさんの意見を見てみましょう。みんなはどう考えているんでしょう。」

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バレンタインのアクションは主に好きな人にチョコを渡すことで、シチュエーションがクリスマスに比べとても少ない。また、クリスマスは多くの人が心を弾ませるが、バレンタインは男女共通の感情を持つことはなく、共感しにくい部分もあるからバレンタインソングがあまり増えないのだと思う。(134字)
ラ夏の星
女性/17/山口県




「なるほどね。確かにシチュエーションが少ないのはあるね。下駄箱とか使っちゃうもんね。」




バレンタインは、クリスマスより象徴的なものが少ないので、歌詞を作りにくいと思う。またクリスマスは幅広い年代に浸透しているが、バレンタインは比較的限られた年代に浸透しているからとも思う。(92字)
アムス女子
女性/12/茨城県




「あー……でも、クリスマスって子供の頃のクリスマスと大人になってからのクリスマスは種類が違いますよね。バレンタインって子供の頃のバレンタインと大人になってからのバレンタインは違うけど……なんか……何だろうな……そういう意味ではクリスマスと一緒のような気がするけどね。あと、バレンタインは象徴的なものが少ないっていうけど、バレンタインはチョコレートっていう大きなテーマがあるから、それを歌にしにくいことはないんじゃないかな。」


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バレンタイン=「チョコ、恋愛」というイメージが定着していて、そのぶん歌詞に縛りがあるからだと思います。言葉の縛りがあると、そのぶん似たような歌ばかりになりそうな気がします。逆にクリスマスソングはイメージできる言葉が豊富で、縛りが少ないので、多いのだと思います。(122字)
ご飯は2膳
女性/18/北海道




「ほー……なるほどね。でも、時期的なこと?クリスマスって年末感とのだだ被り感と、休みがこの後くるっていうワクワク感も一緒に引きずっていますよね。バレンタインってなんか微妙なタイミングですよね。卒業して離れていくかもしれない……クラス替えでバラバラになっちゃうかもって時期でもありますね。」




書き込み文章をここに流し込みバレンタインソングがあまり増えない理由は、イベントの流行期間の短さだと思う。世間は12月になったらクリスマスムードになるけど、2月は節分などもありなかなかすぐにはバレンタインムードにはならない。それが音楽にも影響して、バレンタインソングはあまり作られないのかと思った。(133字)
妄想逃避。
女性/13/神奈川県




「はー……そういうもんなの?でも、基本的にバレンタインのことをすごく考えるのは女子だよね。バレンタインソングは女子の方が歌いやすいっていうのもありますね。」


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バレンタインは密かに想いを告げる日だからだと思います。もちろん大々的に告白をする人もいると思いますが、多くの女子は周りにばれないように、こっそり男子にチョコを渡すと思います。バレンタインソングとして歌ってしまったら、その密かな青い感じがなくなってしまうのかなと思います。(135字)
ぽわわ
女性/15/東京都




「えー、その密かな青い感じを歌にすればいいじゃんね。周りにばれないようにこっそり男子にチョコを渡す景色って思い浮かぶから歌にできそうだと思いますけどね。……先生もありますよ。呼ばれるの、女子に。「山口ー!○○ちゃんが校舎の裏で待ってるって言ってるよ。」って。何それーって感じで行くんですよ。チョコもらえるのかなって思っていると、結果的に、「山口って●●君と仲良いじゃん。これ渡しておいてくれる?」って感じね……。いいよ、お前●●のこと好きなの?って聞くと、「あんたに関係ないじゃん!」って(笑)。え、何……俺、役割任されてるのにもうちょっと感謝して欲しいんだけど……みたいなことが2回くらいあったね(笑)。そういうのはおもしろおかしくなっちゃうのかな。」




クリスマスに比べてバレンタインを題材にしたドラマ、映画が少ないので、主題歌として製作されず、増えないのだと考えます。その上、この時期に音楽番組の特番も少なく、恋、失恋の曲がこのタイミングで音源化されることが少ないと思います。(112字)
あぶりかるび
女性/18/兵庫県




「女子からの提出が多いですねー。でも、そうか?恋、失恋の曲はタイミングで作られている感じではないと思う。常にみんな作っているから。でも、バレンタインを題材にしたドラマや映画は確かに少ないよね。なんでバレンタインを題材にしたドラマや映画は少ないんだろう?……これは謎が深まってまいりました。」


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多分ですけど、いや、かなりの確率で作詞家の人は本命のバレンタインチョコをもらったことがなく、バレンタインの手間の歌詞を想像して書いても煮詰まってしまい、途中で諦めてしまっているからです。証明終了(97字)
Ryota_Sunset
男性/18/東京都




「なんだそれ(笑)。作詞家はモテないとか言っているわけ?そんなことないと思うよ。ミュージシャンはモテると思う……先生は分からないが(笑)。でもなー……。限定的になっちゃうんだろうね。情景がすごく少なかったり、リアル過ぎるのかな。あと、義理チョコの義理っていう響きがもうちょっと美しい響きだったら、バレンタインの曲はもう少し増えていたかもしれない。」


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「今、皆さんの意見を聞いて先生的に分析した結果があります。……多分、タイアップだな。お菓子のことを歌にしちゃうとチョコじゃないお菓子のタイアップから話が来なくなる可能性がある!……これどうだ?……可能性低い?(笑) 」

「僕的には、男子がバレンタインのことを歌うのはかっこ悪いのよ。チョコいっぱいもらったやったぜーって曲は書けないでしょう。するとチョコはもらえなかったっていう淋しい歌になっちゃうじゃん。それはあんまりハッピーじゃないよね。……いや、これどうなんだろうな……。シチュエーションが少ないっていうのもあるかな。あと、ホワイトデーがあるからっていうのもあると思うんだよね。

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「じゃあ、今回の結論……僕は、義理チョコ文化のせいだとする。山口先生からのバレンタインソングが少ない結論!義理チョコ文化のせい!

「義理チョコ文化があるから、バレンタインにチョコをあげるっていう行為が美しくなくなってしまってる。これは義理かもしれない……「義理だから」って言って義理じゃない場合もある……その曖昧さみたいなものを男性ミュージシャンが歌にするのを難しく感じるのかなと思う。情けない曲になりかねないね。だから、日本の男性ミュージシャンが歌にしないことで、半分は書かないことになる。女性が曲にしても一部だから、少なくなっていくっていう現象のような気がする。男性ミュージシャンが曲にしにくいという時点で、バレンタインソングが少ない。これが、サカナLOCKS!的結論です。」

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ということで、そろそろ授業も終了の時間になりました。
今回の宿題は、1名に一郎先生からのチョコのプレゼントがあるということでしたので、当選者を発表してもらいます!

「では、今日届いた宿題の中から1番良かった人に僕からのバレンタインチョコをプレゼントしたいと思うんですけど、どれかなー……。

RN 夏の星

シチュエーションがクリスマスに比べて少ないからっていう意見。これは共感できる。夏の星さんには、先生からの甘ーいバレンタインチョコを。ベットベトのやつ(笑)。プレゼントしたいと思います。ありがとうございました。先生がいつかアイドルグループをプロデュースすることになったら、バレンタインソングを書いてみようかなと思います。」

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