あっきー先生


「桐島、部活やめるってよ」
朝井 リョウ(著)

実は映画を先に観てしまったのだけど、
原作を読んだらこれまたおもしろかったのでオススメします。
SOLの掲示板にもけっこう書き込まれているので、すでに読んでる生徒が多いみたい。

まず。取材力がハンパねー!と感心しました。
それぞれの登場人物の心の中へのダイブの仕方(全員ぜんぜん違う!)、
それから部活とか学校生活の中で感じていることを、
よくもまあ、ここまで丁寧に描ききったなあ。すごいなあ。と、そこに感動しました。
きっと、著者は小説を書くことがうれしくてたまらなかったのではないかな。
そういうもの(作り手が楽しんで創作している)って
受け手にビシバシ伝わって、こちらも幸せな気持ちになる。
そういう意味で、“ラジオ番組を創る人”である私はいろいろと感化されました。

そして、もしSOL生徒がこの本を読んだら、
今の自分の状況を客観視できるようになるかもしれない、と思いました。
自分を客観視できるようになると、徐々に自分のことを理解できるようになります。
何に対して傷ついて、何に対して喜ぶのか。
そういうひとつひとつの感情こそが、自分はナニモノなのかを知る大切な鍵。
まずは自分がナニモノなのか、輪郭くらいはつかめないと、
本当に“なりたい姿”になれないからね。

自分のこと嫌い!って思っている人もいると思うけれど、
どんなに苦しくたって、楽しくたって、“今”というこの瞬間を全力で生きてること、
自分が自分に褒めてあげなきゃ、前に進めない。
なんか、近頃、本当にそう思います。
そういうこと、考えるきっかけになれば、とこの本をオススメしました。