3月11日。私はあの時、痛みよりも優しさをすごく感じた。
私の家族は父の職場の指示があり、千葉にある祖父母の家にバスで向かうことになった。

宮城を出発して山形で一泊したときのこと。
深夜の到着にも関わらず、旅館の人が温かく迎えてくれた。

しかも、個々の部屋に入った瞬間、目に見えたものは、たくさんのおにぎり。

女将さんの一言は今でも忘れられない。
「おにぎりしか用意できませんが、 少しでも幸せになれますように。ゆっくりしていってくださいね」。

なんて優しいんだろうと思った。
心が本当にほっとした。

私は本当に幸福者。それからもたくさんの優しさに出会えた。
あのとき、私たちを受け入れてくれた旅館の方々へ、ありがとう。

これからは私が優しさを配っていける人になる。
いつか東北が、東北人が優しさに包まれるように。

今、私には夢がある。

私は小さい頃から宇宙が大好きだった。
そんな大好きな宇宙をたくさんの人に伝えていきたい。
そう思い、まず、宇宙を学ぶことにした。

私が第一志望に選んだのは、山形大学。
三年前、私たちを助けてくれた方々のいる、あの優しさ溢れる山形でぜひ学びたい。
そしていつかその方々に会ってお礼を言いたいと思っている。

優しさの連鎖があってこそ、復興は進んでいくと私は信じている。
まだまだ復興は遠いかもしれないけれど、幸せの輪が広がるように、精一杯に生きていきたい。


宮城県 17歳 女の子
ラジオネーム:めてお番長