あの日、地震発生から2時間くらい経ってたと思います。
余震が続く中、雪が降ってきて。
3月の中旬にしては珍しいくらい重たい雪でした。

“なんでこんな時に…”
そう思ったのを覚えています。

ただ、その時はまだ津波の情報とか入ってなかったし、
何が起こってるのか整理つかなかったからそんなことしか思わなかったけど、
雪の降る寒くて真っ暗闇の海にがれきと一緒に流されてしまった方々が、
どんな思いで亡くなっていったんだろうっていま思うと胸が痛いです。

その日の夜まだ19時とかの話です、
不謹慎かもしれないけど、星がすごくきれいだったこと今でも覚えています。
街灯も何もなかったから。あんなきれいな星初めて見ました。

震災が起こってから、今までなにも気づいてなかったことにありがたみを感じることが多くなりました。
やっと電気が通って炊いたごはんはものすごくおいしかったです。
それでも家族6人で分けた少ないごはんだから、おなかいっぱいにするために何十回も噛みました。
あったかいごはんがこんなにありがたいことなんだって、その時初めて気がつきました。

地震から10日くらい経ってから、ボランティアに登録して避難所の手伝いなどをしました。
そこで一番印象に残ってるのは、そこに避難してきたおばあちゃんが私にお菓子くれたことです。
おなかすいてるでしょって。

そのおばあちゃん、家を流されて避難してきた方で自分のことで精一杯なはずなのに、
私にこれ持っていきなって、おせんべい差し出してくれたんです。

「大切な食料じゃないですか、もらえないです」って断ったんですけど、
いいからいいからってポッケに入れてくれました。

なんか、すごくあったかい気持ちになりました。
あの時のおばあちゃん元気にしてるかな、会ってお礼が言いたいな。

でも、それっきり学校とか部活とかを言い訳に、被災地・被災者から自分自身遠ざかってしました。
きっとやる気になればいくらだって出来たはずなんですけどね。

そうやって中途半端にしてしまったことにどこか罪悪感のような、
自分に対する嫌悪感のような思いがあって、モヤモヤしてました。

だから、自己満足にすぎないのかもしれませんが、
大学に入って、2年生になる今年は被災地支援を行い、
石巻などに足を運んでいらっしゃる先生のゼミに入って、
今までやってこなかったこと、自分にできることを少しずつ仲間とともにやっていきたいなと思います。

また、震災をきっかけに生きることについて考えることもありました。
当時の私で16歳、同い年の人達が、まだまだやりたいたいこと、
勉強とか部活とか恋とか将来の夢とか、たくさん残して死ななければいけなかったことを思うと、
ちゃんと生きないといけないなと思いました。

亡くなった方々に怒られないように、恥ずかしくないように。
そんなこと初めて考えました。自分の中に一本芯が通った気がしてます。

なんか、うまくまとめられませんが、これが今の私の気持ちです。


宮城県 19歳 女の子
ラジオネーム:ゆずく