ケータイ・インターネットの歩き方

入門編

1.インターネットとは
 スマートフォン(以下「スマホ」)やケータイは立派なインターネットの端末機器です。ボディは小さくても、世界中の大きなネットワークにつながっています。
 特にスマホは高度な機能を持っており、小さなパソコンと考えた方がよいでしょう。インターネットへの接続がより手軽になったため、インターネット上のさまざまなサービスや音楽や動画などの利用が簡単にできます。また、アプリケーション(以下「アプリ」)をインストールすることで、さらにできることが増え使い勝手も向上します。スマホは高性能・高機能でとても便利ですが、従来のケータイ以上にさまざまなことが可能になった分だけ、危険も増えています。はやりだから、便利そうだから、と安易に考えず、よく熟知して使う必要があります。(詳しくは、ケータイ・インターネットの歩き方1 「入門編」別添「スマートフォン編」をご覧下さい。)
・インターネットで世界に広がる可能性
 日本は世界でもスマホやケータイ文化が進んでいる国のひとつです。
 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にその日の出来事を書いて自分の気持ちや考えを表現したり、「音楽」「写真」「動画」「小説」などで自分の作品を投稿したりと、スマホやケータイを使ってさまざまなことができますが、そうやってひとりひとりがスマホやケータイから発信した投稿には、スマホやケータイだけではなくパソコンから見る(読む、聴く)ことができるものもたくさんあります。そのため、日本ほどインターネットが進んでいない国々からでも、発信した投稿に簡単にアクセスが可能です。インターネットを上手に活用する方法を身につければ、世界の人々とコミュニケーションできるという大きな可能性も開かれます。
・いい人も悪い人も、みんなが見ているインターネット
 インターネットでSNSなどに書き込みをすると、想像をはるかに超える大勢の人がその内容を見ます。インターネットの向こう側にいる人たちの中には、いい人もいれば悪い人もいます。常に大勢の人に見られているということを忘れてはいけません。
・便利で楽しいけれど危険もたくさん!
 スマホやケータイは、電話やメールだけではなく、カメラ、ワンセグ、音楽プレイヤーなどのさまざまな機能があり、インターネットにつなげばさらに、動画を見たり、マンガを読んだり、知りたい情報を得たりと、手のひらサイズなのに驚くほど便利です。でも、インターネットに接続ができるということは、インターネットの世界に潜んでいる危険に出会ってしまう可能性もあるのです。ネットの向こう側にはいろんな人がいるからこそ、自分の身を守るためによく考えながら利用する必要があるのです。
2.情報発信者として知っておきたいこと
 インターネットを利用すれば、いつでもどこでも、手のひらから簡単に情報を発信することができます。
・コメントを書いただけでも、情報発信になる?
 友だちのSNSへのコメントも、立派な情報です。ですから、自分のホームページやブログを開設していなくても、SNSのアカウントさえあれば、すぐに情報発信者になれます。
・自分で発信した情報の責任は自分にあり
 インターネットは不特定多数の人たちが利用する「公共のメディア」です。テレビやラジオ、新聞や雑誌と同じメディアなのですから、ニュースキャスターやコメンテーター、記者と同様に、ひとつひとつの発言に情報発信者としての責任がともないます。それは友だちのSNSへのコメントであっても、例外ではありません。友だちあるいは特定の知人に向けて話している感覚で気軽に書き込みがちですが、よく考えればたくさんの人が読んでいることに気付くはず。
 インターネットに書き込むときは必ず、言葉のひとつひとつに発信者としての責任があることを思い出してください。
・一度公開した情報を「なかったこと」にはできません
 インターネット上に掲載されている情報は簡単にコピーができてしまいます。コピーをされた情報があちらこちらに転載されたり、売り買いされたりしてしまうと、削除することも取り戻すこともできなくなってしまいます。一度インターネット上に載せてしまった情報(写真も含む)は、載せる前の「誰も知らない状態」には二度と戻せません。名前や住所、電話番号やメールアドレスなど個人を特定できる情報は、不用意に書き込みをしてはいけません。
・被害者にも加害者にもならないで!
 何も考えずにインターネットを利用し続けていると、自分がトラブルに巻き込まれてしまったり、トラブルを起こしてしまったりする(=加害者になる)こともあります。また、知識や「これをしたらどんなことになるか」という想像力が足りなかったために、法律を犯してしまう危険性もあるのです。
 危ない目にあわないためだけではなく、自分が加害者になってしまわないためにも、正しい知識を身に付け、自分のやろうとしていることを考えながら情報発信をするように心がけましょう。
3.スマホやケータイ利用のためのルール作りを
 スマホやケータイの利用方法について、ひとりひとりの能力に応じたルールを家族で考えましょう。大人がインターネットに参加する場合は自己責任の範囲ですが、保護者の承諾がなければスマホやケータイを購入できない未成年者の場合、責任は自分自身だけではなく保護者にもあります。

・「スマホやケータイの利用は何のため?」を考えた行動をしよう
・危険なことはしない、危険なところにはアクセスしない(興味本位厳禁)
・個人情報を安易に書き込まない、教えない
・決められた利用時間(時間帯や長さ)は守ろう
・言葉使いに気をつけて、思いやりある表現を心がけよう
・困ったこと、気になることは、行動の前に身近な大人に相談しよう
・フィルタリングは勝手にはずさない

以上は一例ですが、これらを参考に家族でしっかり話し合ってルールを決めましょう。作ったルールをみんなで守ることと、定期的に見直すことも重要です。
 フィルタリングについては、不都合がないようによく考えながら、利用の目的、年齢、能力にあったものを選びましょう。
4.サービスを利用する前に確認・理解すべきこと
 インターネット上にはいろいろなサービスがあります。サービスを提供している事業者は、サービスを利用するための利用規約やガイドライン、プライバシーポリシーを掲載しています。長文で少々面倒であっても、利用登録をする前に必ず目を通しましょう。特に禁止事項の項目については、よく読んで理解しておくことが大切です。
・各サービスの中で守らなければならないこと
 「利用規約」および「ガイドライン」に掲載されている全て
※そのサービス独自に定められた禁止事項を含みます。
 不明な点は、FAQ(よくある質問や答え)で確認できます。
・アプリの普及にともない注意が必要なこと
 「プライバシーポリシー」には、サービスやアプリが取得する情報や、取得した情報の取扱いなどが記載されていますので、必ずチェックした方がよいでしょう。
・絶対にしてはいけないこと
 現実社会と同様、インターネットの世界であっても法律に違反する行為を行ってはいけません。インターネット利用に関連する主な法律違反は、次のとおりです。
 身近な法律違反:名誉毀損・犯罪予告・脅迫
 他人の権利を侵す:著作権侵害・肖像権侵害・プライバシーの侵害
5.不安を感じたら、信頼できる身近な大人や相談窓口に
 自分が被害に合うはずはない、自分だけは大丈夫という過信は禁物です。何かおかしいと思ったり、困ったり、迷ったりしたときは、自分ひとりで勝手に判断せず、すぐに保護者や先生など、信頼できる身近な大人に相談することが一番の安全策です。そのためにも、日ごろからコミュニケーションを取って、話しやすい関係を築いておきましょう。もちろん、自分たちでは解決できない場合、なかなか解決の糸口がみつからない場合は、専門の窓口を積極的に利用しましょう。
・専門相談窓口の紹介
違法・有害情報相談センター
http://www.ihaho.jp/

国民生活センター(PC・スマホ)
http://www.kokusen.go.jp/map/
国民生活センター 携帯版
http://www.kokusen.go.jp/mobile/

警察庁 インターネット安全・安心相談(PC・スマホ)
http://www.npa.go.jp/cybersafety/

こどものネット・ケータイトラブル相談【こたエール】(PC・スマホ)
http://www.tokyohelpdesk.jp/
こどものネット・ケータイトラブル相談【こたエール】(携帯)
http://www.tokyohelpdesk.jp/k/

インターネットホットライン連絡協議会(PC・スマホ)
http://www.iajapan.org/hotline/
インターネットホットライン連絡協議会 携帯サイト(携帯)
http://www.iajapan.org/hotline/mobile/
・違法・有害情報を見つけた場合の通報・情報提供窓口の紹介
インターネット・ホットラインセンター(PC・スマホ)
http://www.internethotline.jp/
インターネット・ホットラインセンター(携帯)
http://www.internethotline.jp/mobile/

迷惑メール相談センター(PC・スマホ)
http://www.dekyo.or.jp/soudan/
迷惑メール相談センター(携帯)
http://www.dekyo.or.jp/soudan/m/
インターネットを利用する上でよくある質問と対応(FAQ)
(この項目は、法律などの難しい表現があるので、保護者の方や身近な大人と一緒に読みましょう。それぞれの問題を自分の立場になって、一緒に考えてみてください。)
Q: インターネットでの情報発言や投稿などをする時に注意することはありますか?
A: 他の利用者の権利を侵害するような内容の投稿や違法な内容の投稿(例えば、他人の個人情報やプライバシーに関する情報の掲載、誹謗・中傷や著作権侵害となるような記載、わいせつな内容など)は、損害賠償責任を負ったり、刑事罰の対象となったりする場合もあります。また、Webサイトやアプリの規約で特定の内容の投稿が禁止されている場合があります。インターネット上の投稿は多くの人が見ることが可能なので、投稿前にはよく注意してください。
Q: 写真や画像などを掲載する時に注意することはありますか?
A: 他人が撮影した写真や作成した画像には、その人の著作権があります。また、写真や画像に他の人が写っている場合、写っている人の肖像権等があります(これは、写真だけではなく、似顔絵などの場合でも同じです)。また、有名人の写真の場合、パブリシティ権という権利がある場合もあります。これらの画像や写真を、きちんと許可を得ないまま勝手に使うと、これらの人の権利を侵害することになり、損害賠償等を請求される可能性があります。写真や画像を掲載する前に、使って大丈夫なものかどうかよく確認し、掲載許可があるかどうか不明な場合は、掲載を控えましょう。
Q: 個人情報を勝手に掲載され、迷惑を被っていますが、どうすればいいのでしょうか?
A: 個人情報が勝手に掲載された場合、その人の権利が侵害されています。通常のWebサイトやアプリでは、他人の権利を侵害する投稿は削除してくれる場合がほとんどですので、Webサイトやアプリの運営者に事情を説明して、削除を要求してみてください。なおこの場合、要求した人が権利を侵害されている本人であることの証拠を求められる場合があります。詳しくは、各Webサイトやアプリの案内を確認してください。
Q: 心当たりの無い内容の請求が来ましたが、どうすればいいのでしょうか?
A: 架空請求の可能性があります。身に覚えがない場合は、無視してください。また、一人で悩まずに、すぐに保護者の方や身近な大人に相談するか、相談窓口に連絡しましょう。安易にこちらから連絡をして、住所や電話番号などを相手に伝えることは決して行わないようにしてください。
Q: プロフィールに本名を出さなければ、自分の顔写真を載せて学校名など書いても問題ありませんか?
A: 本名を書かなくても、学校名の記載と顔写真があれば簡単に個人を特定できてしまう場合もありますので、個人を特定できる情報は載せないことが大切です。自らを危険にさらしてしまうことのないように充分に注意しましょう。
Q: 水着姿をプロフィールに載せてもいいですか?
A: インターネットは誰が見るか分かりませんし、一旦公開された情報(画像)は、コピーが簡単にでき、しかも、すべてを削除することは不可能です。また、アダルトサイトなどで悪用される危険がありますので、水着姿の画像などを公開することはお奨めしません。
Q: チェーンメールが届きましたが、どうすればいいですか?
A: このようなメールを友だちに送信し続けてしまうと、拡大する一方です。場合によっては、システムに負荷がかかり、大勢の人が迷惑を被る可能性もあります。あなたのところで止めて、決して転送しないでください。内容が興味深い楽しいものでも、悪質なものでも、自分のところで断ち切る勇気を持つことが必要です。どうしても心配な場合は、「迷惑メール相談センター」が転送先アドレスを公開しています。
「撃退!チェーンメール モバイルサイト」
http://www.dekyo.or.jp/soudan/chain/mobile/
上記のWebサイトで公開されている転送先にチェーンメールを転送して、他の人には送らないようにしましょう。

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