SCHOOL OF LOCK!×ASIAN KUNG-FU GENERATION
『Wonder Future』特別インタビュー! Vol.4
Vo&G 後藤正文 先生Ver.

20150527_gotou01.jpg

 
後藤先生「ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文です」
 
とーやま校長「ゴッチ先生、お疲れじゃないですか?大丈夫ですか?」
 
後藤先生「大丈夫ですよ。元気ですよ(笑)」
 
とーやま校長「そこに布団があったら2秒後くらいに寝るんじゃないかってくらいの…」
 
後藤先生「いや、寝たりはしないですね。まぁ横にはなりますけど」
 
とーやま校長「(笑)。…『Wonder Future』聴かせて頂きました!」
 
後藤先生「ありがとうございます」
 
とーやま校長「もうね、色々言いたい事いっぱいあるんですけど…」
 
後藤先生「でも、あれでしょ?他のメンバー3人を先にインタビューして、僕はもう話す事ないですよ」
 
とーやま校長「えぇ!?」
 
後藤先生「エピソード出たでしょ?一通り」
 
とーやま校長「まぁ、その……山ちゃん先生が、向こうのエンジニアさんにベースを蔑ろにされたとか、あと何話したかなー?喜多先生が、ギターの“ジャーン”って一発目に弾いた時にすごい鳴りが良くて、よかったなぁ…って話とか、潔先生が、自分のグルメ本が音楽関係の店にしか置いていないんで、本屋さんとかにもおいて欲しいみたいな話とか」
 
後藤先生「潔は、あれなんだよね。自分の“コソピン”のプロモーションしたんだよね」
 
とーやま校長「(笑)。冒頭だけでしたけど」
 
後藤先生「あの、クソ料理本の」
 
とーやま校長「クソじゃないでしょ! だって手軽に美味しい料理が作れる素敵な本ですから!」
 
後藤先生「でもロックバンドのドラマーがやらなきゃいけない仕事じゃないから。必ずしも必要性はない」
 
とーやま校長「ただでもそういった側面もあって、料理好きな人が、これASIAN KUNG-FU GENERATIONって人なんだと」
 
後藤先生「はい」
 
とーやま校長「そこでもしかしたら知ってもらえることもあるかもしれないですよ」
 
後藤先生「料理がキッカケでね」
 
とーやま校長「ありますよ!たぶん…」
 
後藤先生「どうだろうなぁ?」
 
とーやま校長「(笑)。……コソピンって言うんですね」
 
後藤先生「そうですよ」
 
とーやま校長「コソコソピンでやっている仕事の事を…(笑)」
 
後藤先生「アイツのコソピン、最近すごくてね…俺がよく怒っていたんですよ。例えば、ロサンゼルスのレコーディング、あいつ途中で帰ったんですよ。それ何で帰ったかと言ったら自分の“PHONO TONES”って言うソロのバンドがあるからってそれのライブで帰ったんですよ。アイツの都合で」
 
とーやま校長「僕インタビューで読ませてもらったんですけど、例えば1日に2曲3曲も録らないといけなくて、ゴッチ先生、結構声もやっぱり酷使するじゃないですか」
 
後藤先生「そうですね。だから歌のスケジュールがすごいタイトになりましたよ。アイツのせいで」
 
とーやま校長「(笑)」
 
後藤先生「タイトって言うか…。まぁ色々タイトですね。それであれですよ。ミックスですよ。ミックスのアッシュビル」
 
とーやま校長「はい」
 
後藤先生「“絶対行ってやるべきだ!”ってなって、僕はマネジメントとかと話しつけて。“行くよ!”ってなって……。山ちゃん、すごい行きたそうだったんですよ。あいつは“タダならどこでも行きたい!”ってやつだから」
 
とーやま校長「(笑)。いや、好奇心が旺盛なんですよね?」
 
後藤先生「あいつはタダのものは何でも食うし、タダだったらどこでも行くやつだから。“俺は行きたい!”みたいな空気だったんだけど…。山ちゃんと俺と2人で行っても、たぶんアイツは来ただけになるから、だったらみんなで行こうよってなって、みんなに話を振ったら、潔が急にあわて始めて…」
 
とーやま校長「あれ……?」
 
後藤先生「あれ?何かコイツ様子がおかしいなってな?って思って、まぁその時は追求せずに…」
 
とーやま校長「一回泳がせたんですね」
 
後藤先生「そうそう。で、後日ちょっとカレンダーみたいのを見てみたら“PHONO TONES”ミックスダウンみたいのが書いてあって。お前、自分のバンドのアルバムの作業が日本であるから、俺と一緒に行けないって…バカヤロウ!って」
 
とーやま校長「ただ待って下さい!ゴッチ先生!そうは言いましてもみなさん出会われて20年くらいですよね?今までそんなに無かったってくらい話し合いとかもあったりとか、ゴッチ先生のホテルの部屋で、みんなで酒飲んで色々話し合ったみたいな話もされていましたよ?」
 
後藤先生「んーーーー。遅いよね」
 
とーやま校長「え? はい??」
 
後藤先生「僕はいつでもオープンでしたよ?僕のホテルの鍵はいつでも開いてましたよ。誰が入ってきてもいいぐらい」
 
とーやま校長「じゃあ入ってこなかった、彼らが良くないって事ですか?」
 
後藤先生「そうですよ。あいつらなんてもう、長年メールの返事すらよこさないんですから」
 
とーやま校長「それ、言ってましたね」
 
後藤先生「だから、LINEが導入されたんですよ」
 
とーやま校長「ちゃんと既読はつくんですか?」
 
後藤先生「既読ってひどいシステムだなぁと思いますよ」
 
とーやま校長「酷は、酷ですよね」
 
後藤先生「“読んだのに返事を何故よこさないんだ!?”って、俺も怒りの正当性を得られるわけですよ。今まではメールに気付かなかったと。そう言う事をね、言ってた訳なんですけど」
 
とーやま校長「まぁでも結果的に、『Wonder Future』って言う素晴らしいアルバムが出来…」
 
後藤先生「出来ましたけどね」
 
とーやま校長「出来ましたけどってね(笑)」
 
後藤先生「愛すべき、クソ野郎共ですよ、アイツらは」
 
とーやま校長「良い言葉頂きました。いや、本当に素敵なアルバムでした」
 
後藤先生「ありがとうございます」
 
 
とーやま校長「なんだろうなぁ、曲が本当に素晴らしかったです。あと演奏もめちゃめちゃ格好良くてドッシリしてますし、1曲目の『Easter/復活祭』だったら“ドゥドゥドゥ♪”みたいな……」
 
後藤先生「ん? そんなところありましたっけ?(笑)」
 
とーやま校長「ドゥドゥドゥ♪(笑)」
 
後藤先生「今って完全にあれでしたよ。スーパーマリオの“ドゥドゥドゥドゥドゥドゥ♪”(マリオのBGM)だったでしょ!(笑)」
 
とーやま校長「マリオのBGMじゃないですよ!違いますよ! “ドゥドゥドゥドゥ♪”で終わるじゃないですか?」
 
後藤先生「あれ二ドゥドゥ♪”じゃないですよ、“ッダッダッ♪”ですよ。全部裏なんで」
 
とーやま校長「“ドゥドゥドゥドゥ♪”じゃないんですか?」
 
後藤先生「それは、スーパーマリオですよ。“ドゥドゥドゥドゥドゥドゥ♪(マリオのBGM)”のとこでしょ?」
 
とーやま校長「んーーーーー」
 
後藤先生「“ッダッダッダッダッ♪”ですから」
 
とーやま校長「“ドゥドゥドゥ♪”入ってないですか?」
 
後藤先生「入ってないです。“ッダッダッダッダッ♪”です」
 
とーやま校長「僕が勝手に脳内補正しちゃっているって事ですか!?」
 
後藤先生「んー。そこの“ドゥ♪”は少なくとも俺達は言わないですね」
 
とーやま校長「ちょっと一回聴かせてもらって良いですか? 納得いかないです。オレ何回も聴いてますから!」
 
後藤先生「じゃあ聴いてみましょう」
 
 
♪Easter/復活祭 再生中
 
 
とーやま校長「来ますよ! はい、ココです!…………あ、ゴッチ先生。たぶん、僕、潔先生のスネアの音をカウントしていました」
 
後藤先生「あのね、スネアは“ドゥ♪”って言わない。“タン♪”ですよ」
 
とーやま校長「(笑)」
 
後藤先生「“タン、ダッダッダッ♪”ですよ。それ言うなら」
 
とーやま校長「すみません、これは謝ります。これは僕が悪いです」
 
後藤先生「そうですよね」
 
とーやま校長「あのー……。2タン、ドゥドゥドゥ♪”ですね」
 
後藤先生「“タン、ドゥドゥドゥ♪”それだったら、やっぱ何かマリオ感が……。“タン、ドゥドゥドゥドゥドゥドゥ♪”(マリオのBGM)って言う人居ないでしょ?」
 
とーやま校長「いないですね。……そっかー」
 
後藤先生「それ、誤解を招くんで」
 
とーやま校長「すみません」
 
後藤先生「全国のこれを聴いている生徒のみんなが“アジカンのアルバム、マリオなんだ…”って思うじゃないですか。マリオじゃないですよ! “L.Aに行ったからマリオなのかな”って思われても嫌でしょ」
 
とーやま校長「スーパーマリオU.S.Aって言うのもありましたよね」
 
後藤先生「そうそう、スーパーマリオU.S.Aみたいなアルバムじゃないんでね」
 
2人「んーーーーー」
 
後藤先生「反省してください」
 
とーやま校長「反省してます。これは本当に申し訳ないです」
 
後藤先生「帰ってから反省してください」
 
とーやま校長「分かりました…」
 
20150527_gotou02.jpg


 
とーやま校長「まだ格好良いところが僕の中でいっぱいあったんですけど……まだ言っていないやつが10曲目ですね」
 
後藤先生「10曲目?」
 
とーやま校長「『Signal on the Street/街頭のシグナル』これ、終盤も終盤じゃないですか、最初のギターとメロディーが、あぁもう終わっていくなこのアルバム…って言う感じの空気とかをすごい感じたんですよ。そのあと、ちょっとしたら“ドンッ♪”って一斉に演奏入るじゃないですか。あそこが、最後に来てもスゲーシンプルなロックがここで鳴ってるなって思ったんですよ。山ちゃん先生のベースもずーっと“ズンズンズンズン♪”とかじゃないですか、それがすごく格好良いなと思いまして…」
 
後藤先生「それ、山ちゃんの回で言ったらいいじゃないですか。別に俺に山ちゃんのベース格好良いって言われても…」
 
とーやま校長「(笑)」
 
後藤先生「俺の回なんで、もっと俺をほめてください」
 
とーやま校長「それは、4人の事言っているんだよなぁ……」
 
後藤先生「大丈夫ですよ(笑)。そんなにムキになっちゃって(笑)」
 
とーやま校長「そこが、すごくASIAN KUNG-FU GENERATIONが貫録あってドッシリして格好良いなって、まず思ったんですよ」
 
後藤先生「確かに。今回のベースラインとか、割と抑制されていると言うか…いつもね、山ちゃんのベースは色々動くんですけど、今回はシンプルにっていうのがあるからちゃんとおいしい所まで、ぐっと我慢してますよね。そういうアレンジも彼は彼で考えてやっているんだなぁと思って。それはさすがだなぁと思いますけどね」
 
とーやま校長「あと、4曲目の『Caterpillar/芋虫 』これのイントロがすごく好きで、あの混沌としたオルタナティブな感じがすごい良いなぁと思って…」
 
後藤先生「コード感がちょっとね、変わってるんですよね」
 
とーやま校長「あの、ラストとかの喜多先生のギターとか格好良いなぁと思って」
 
後藤先生「建さんのギターは格好良いですね」
 
とーやま校長「なんか喜多先生に聞いたら、ゴッチ先生に序盤の段階で“それ良いから崩さないで”って言われたっておっしゃってたんですけど…」
 
後藤先生「あんまり練習してほしくなかったんですよ。練習すると、置きに行くんで…。なんだろ、パッションが落ちてくるっていうか、セリフみたいのが入ってない方が良いんですよ。なんとなく意味さえ通っていれば良いみたいな。“勢いで言い切った!”くらいの方が。でも文字を一字一句覚えようと思っちゃうと置きに行くんで」
 
とーやま校長「セリフを追ってるなぁとかって思っちゃったりしますよね」
 
後藤先生「そうなんですよね。そうしないで欲しいって…スコアとか楽譜とかそういうの追いかけている感じじゃなくてフィーリングが先行するっていうか。そういう方がギターのソロが格好良いですよね」
 
とーやま校長「今回、こういうお話をされたのは、結構あったんですか?」
 
後藤先生「僕、すごい言いますよ、そう言う事。何回も言いますからね。本当に嫌な奴だなって思われるくらい言いますよ」
 
とーやま校長「(笑)……でもまぁそれはバンドの為ですしね」
 
後藤先生「でもやっぱりね、役割としてもプロデューサーの役割も担っているから…。それぞれに言い方もあるんですよね」
 
とーやま校長「その人に合わせたですか」
 
後藤先生「建さんは褒めてもやらないから、ネチネチ言います。“チクショー!”と思ったらやるから。絶対」
 
とーやま校長「山ちゃん先生はどうなんですか?」
 
後藤先生「山ちゃんは、別に普通に話していればやりますよ。山ちゃんはマジメだからちゃんとこうしてほしいって言えば…。山ちゃんはしっかりしてます」
 
とーやま校長「潔先生は?」
 
後藤先生「潔もね、割とちゃんとまともに話せば…音楽の事は。でもあいつはね、最初にスゲー盛り上がるんですよ、誰よりも。“良いね、この曲! 超良いもう最高!! ゴッチすげー! 最高!!”みたいなこと言って。上げてくれるんですよバンドをね」
 
とーやま校長「良いじゃないですか!」
 
後藤先生「けど、何かね完成するくらいになると現場にすら居ないみたいな…。アイツ一番盛り上がって“この曲アルバムに入らないなら俺辞める!”ぐらいの事言ってたのに最後の最後でいつもいないみたいな。冷めちゃうんですよ」
 
2人「熱しやすく冷めやすい」
 
とーやま校長「でもなんかそういう子供っぽいって言ったら失礼かもしれないですけど、4人いたらひとりはそういう人が居た方が良い潤滑油になったりするのかなと思ったんですけどね」
 
後藤先生「まぁ、でもだからアイツがノッってる時に進めちゃわないといけないってのはありますね。どっかのタイミングであんまり言わなくなると言うか…。よくいたでしょ? クラスとかで、マンガでもCDでも良いですけど、他のやつが自分より好きになっちゃうと去っていくヤツいるじゃないですか。あの感じです」
 
とーやま校長「(笑)」
 
後藤先生「だから、アイツが去っていく前にドラムとかも含め、リズムも核になるところはアイディア出し切っておかないと、途中でアイツのテンションが落ちて滞る時があるので、そこのタイミングは見てますよ、ちゃんと。コイツいつ冷めるかなぁって」
 
 
とーやま校長「(笑)……ゴッチ先生はやることが沢山あるんですね」
 
後藤先生「だから割と大変ですよ曲作ってフロントマンで、サウンドプロデュースとかもしてるって、やる事いっぱいあって…本当はアジカンのプロデュースやりたくないんですよ」
 
とーやま校長「プレイヤーとして専念しないと?」
 
後藤先生「そう自分の事に我をどんどん出していきたいんですけど…。10年経って現場では今、全部をバンド4人でやっているんで。基本的に僕はディレクションって言って良い、悪いのジャッジをしているんですけど、それをメンバーでやると、その時だけ僕が大人キャラを立ち上げないといけないんで」
 
とーやま校長「あんまり、本意ではないけれども…?」
 
後藤先生「まぁ、そうですね。全体をみたりね。本当はだから、自分のことだけずっとやっている瞬間とかもね、歌を歌うだけで良いとかあったら楽じゃないですか。歌だけに専念できたりとか、でもそうじゃないから。嫌な役回りもするし。だからいつもより今回は口うるさかったと思うんですけどね。それでも飲み会が上手く行われたのは、どういう事なんでしょうね」
 
とーやま校長「その『Wonder Future』のもとで出来たという喜びですとか…」
 
後藤先生「あ! それでもう浮かれちゃって?」
 
とーやま校長「って言うのもいい意味でね」
 
後藤先生「ゴッチは嫌な奴だけど、ロスだし一緒に飲んでもいいかみたいなね(笑)」
 
とーやま校長「とか(笑)」
 
後藤先生「そんなこと思われていないと思うんだけど…」
 
とーやま校長「(笑)」
 
後藤先生「割と前は一緒に飲んでたしね。でもまぁ、ちょっと浮かれていたのはあるかもしれないですね。みんな興奮して他の隠してたって言ってましたよ。盛り上がってくると俺にチクチク言われるから“来ただけで興奮してるんじゃないよ!”とか言われるから…。良いものを作って初めて評価されるし、むしろこんな世界的なロックバンドのスタジオで、しょうもないアルバム作ったら、何しに行ったんだと」
 
とーやま校長「言われる可能性もありますもんね」
 
後藤先生「もう2度と日本の他のロックバンドが、あそこを借りれないんじゃないかとかなちゃから」
 
とーやま校長「そうですね。責任も感じながらやったりとかしたんですかね、意識していないところで」
 
後藤先生「そういう意味ではプレッシャーはありましたよ。だから一切…“NO浮かれ”でしたね。“良いモノ作らなきゃ!”っていうそっちの緊張感が勝ってて」
 
とーやま校長「あと3曲目の『 Winner and Loser/勝者と敗者』。これ最初、歌詞をみないで聴いていたんですけど英語で歌っているのかな?って思ったんですよ」
 
後藤先生「全部?」
 
とーやま校長「ところどころなのか…でもよく見たらほとんど日本語だったじゃないですか、これってゴッチ先生がどういう歌入れをしているのか詳しくは分からないですけど、よく聴くのは、メロディ浮かんで、デモの段階でそのなんとなくのメロディにあった英語を当てていくみたいな、そんな手法あるじゃないですか。そのメロディに意味をとかなくして、会っている音とか、発音とかがその仮歌になっているのかなぁと思って」
 
後藤先生「そういうのありますよね。この曲は伽藍堂のプレイランド…って『ド』で韻を踏んでいくじゃないですか。だからその音は決まっているんですよ」
 
とーやま校長「これを聞いた時に、メロディがあってそこに一番しっくりくる言葉たちがココに収まっている曲なのかなって思ったんですけど」
 
後藤先生「そういうなかで意味があるように作って行きますけどね。所々でHIP-HOPほどの頻度ではないけど、音を揃えておくと曲って整って聞こえるし、本来そういうものです。詩って言うのは韻文なんで、韻を踏むものなんです。それが色々手法が出てきて、今は散文っていって韻を踏まないでバーッと、日記でも書くように書いたのも歌えるような手法とかあると思うんですけど」
 
とーやま校長「なんかそれがすごく気持ちのいい曲だなって思いました」
 
後藤先生「もちろん、そういうのは全編に渡って気持ちよさは用意していますけどね。何小節かに1回同じ音が来るとか、もっと頻繁に来る時もあるし」
 
とーやま校長「音が詰まる所とかも、キレイに合ってたりとか、さっきココで詰まったところが、こっちでもまた詰まっているとか…って言うのも意識されているんですか?」
 
後藤先生「一応、気にはしていますね。だた他の有名な曲で言えば、『リライト』とかも“消して リライトとして”って“て”が2回あるから気持ちいいんですよ。“消した”だと気持ちよくないんですよ。1回目が“た”で2回目が“て”とかだと何だこれ!? みたいな。だから2回同じことをいうことで曲にリズムとかドライブ感が出てくるんですよ」
 
とーやま校長「あとすごく思ったのが、少女とか少年とか出てくるじゃないですか。これはどういうことなのかな?ってふと思ったんですけど」
 
後藤先生「それはもうあれです。SCHOOL OF LOCK!の生徒のみんなの事を思って作ったからですよ」
 
とーやま校長「『Wonder Future』って…マジっすか!? SCHOOL OF LOCK!の生徒の為に作ってくれたアルバムって事で良いんですか!?」
 
後藤先生「そう、否めないですね」
 
とーやま校長「本当ですか!?」
 
後藤先生「否めない…否めないってことだけ言わせてください(笑)」
 
とーやま校長「でもですね、ゴッチ先生、今ニヤニヤしながらおっしゃってましたけど、本当にそうだなって思ったんですよ」
 
後藤先生「でも若い世代に向けて作ってますよ」
 
とーやま校長「なんだったら今の若い世代もそうですし、もっと先のたぶん僕らがもう生きていないとか、ジジイになった時とかの子たちにも届けたいのかなって思ったんですけど」
 
後藤先生「そうなんですよ、作品って本当に初めて聴く時が、その初めての時だから、別にそれは何年後でも何十年後でも、誰かが手に取って開いた時がその作品が世の中に出る瞬間じゃないですか。その時の事は信用してます。信用してるって言うか、その時の事を信じてやっている…。だからこのラジオを聴いているみんながCDを買って、曲を聴いて、“これは私の事を歌っている”とか、“元気が出た”とかなんでも良いんだけど、そうやって新しい感情が生まれる時の事を思って書いてます。だから誰にも向けていないんだけど、誰にも向けてる。全ての人に向けてる。それはでも“みんな”って感じでは無くて、今これを聴いている、“キミ”に向けて書いたんだよってこと。それが作品の1枚1枚を開く瞬間に宿っているつもりで作っていると言うか、その瞬間を信じて書いたから、みんなが、“アジカンの4人が私の為にこのアルバムを作ったんじゃないか?”って思ってくれたら嬉しい。僕はココで“本当にそうだよ”って、言います。それは、否めない。じゃなくて、本当にそうだ。って感じ」
 
とーやま校長「この間、うちの生徒4人がレコーディングLIVEにお邪魔させて頂いて、ありがとうございました」
 
後藤先生「僕らも新鮮だし、緊張しました。彼らの緊張が伝染しました。あぁ言うのは伝わりますよね」
 
とーやま校長「でも彼らもこの「『Wonder Future』って言うアルバムの前にアジカン先生の曲に出会って、ギターを始め、曲を作り、バンドを始めているんですよ。で、彼らは彼らで、何かを変えたいと思っているし、何かをやろうってずっと今も思いながら生きていると思うんですよ。そういう風にゴッチ先生に言っていただいて、僕もこの学校の長として本当にありがとうございます」
 
後藤先生「いやいや、ぜんぜん楽しかったですよ。楽器を弾いてくれる人が世の中に増えると、僕らもやっていることも、そういう角度から聞いてもらることも出来るんで。それはやっぱり、あんまり言いたくないけど、音楽をやっている人じゃないと聞けない事もあるし。バンドをやっている人だから分かることもある。だからそれが良いか悪いかは別として。僕らはその、音楽が好きで、楽器まで買って“やろう!”って言う人は仲間だと思ってるから。仲間が増えるのは嬉しいです、本当に」
 
とーやま校長「ゴッチ先生、最後に黒板を書いていただきたいんですけど…」
 
後藤先生「そうですねぇ…。合っているかなぁ?俺、スペルミスの天才なんですよ」
 
とーやま校長「(笑)」
 
20150527_gotou04.jpg

 
『 Wonder Future 』
 
20150527_gotou03_3.jpg

 
この、Wonderが何を指しているかって言うのは、きっと人それぞれで。
これには良い意味も悪い意味もあって。
でも僕は例えば、“Wonder Boy”みたいな“驚くべき未来”みたいな、そういうのがみんなにそれぞれに訪れたら良いかなって思いますね。

アジカンも、こうして海外で自分の好きなバンドのスタジオで録音できるなんて思ってもみなかったけど。
だいたいあの4人でバンドをするなんて僕は想像もしてなかったけど、まぁ何がおこるか分からないけど、自分の過去から今を眺めたら、なかなか『Wonder Future』だって思うんですよね。

だから「夢はあるよ」って思う。「夢は叶う」とかじゃなくて、まっすぐ生きてたら、こうやって幸せだなって思う瞬間、何回かあるよって感じがするから…。

学生のときとか色々辛かったけど、『生きる』って事は捨てたもんじゃない。
そう思ってれたらうれしいです。

ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文先生ありがとうございました!!

喜多建介先生へのインタビュー【 コチラ 】
山田貴洋先生へのインタビュー【 コチラ 】
伊地知潔先生へのインタビュー【 コチラ 】

“Wonder Future”STUDIO TOURレポート【 コチラ 】!!
『Wonder Future』をテーマにしたスペシャル授業の様子は【 コチラ 】!!

生放送教室 放送後記一覧

もっと見る

LOCKS!SCHOOL OF LOCK!の講師陣

  • ミセスLOCKS!

    Mrs. GREEN APPLE

  • Saucy LOCKS!

    Saucy Dog

  • 宮世琉弥

    宮世琉弥

  • 乃木坂 LOCKS!(賀喜遥香)

    乃木坂46(賀喜遥香)

  • 乃木坂 LOCKS!(井上和)

    乃木坂46(井上和)

  • SEVENTEEN LOCKS!

    SEVENTEEN

  • INI LOCKS!

    INI

  • 景井LOCKS!

    景井ひな

  • ビーバーLOCKS!

    SUPER BEAVER

  • 新しい学校のリーダーズLOCKS!

    新しい学校のリーダーズ

ページトップへ戻る