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ON AIR BLOG / 2017.04.05 update


今日のテーマは「知っているようで知らなかった「桜の品種」!」
解説して頂くのは、このコーナーのサイエンスニュース担当、毎日新聞専門編集委員の青野由利さんです。

お花見といえばソメイヨシノかもしれませんが、 実はこれ以外にも、いろいろな種類があります。
といっても、日本に生息している野生の桜は、 ヤマザクラ、オオヤマザクラ、オオシマザクラ、チョウジザクラなど 10種だけなんですが、これらが交配してできた栽培品種が 300種類以上あると言われています。

ソメイヨシノも、こうした栽培品種のひとつで、 江戸時代に染井村(現在の豊島区)で売り出された という話は聞いたことがあるでしょ?
森林総合研究所のDNA解析で、「エドヒガン(江戸彼岸)」を母親、 「オオシマザクラ(大島桜)」を父親とすることが確かめられていますが、 ヤマザクラの遺伝子もちょっと入っているんだそうです。

Q ソメイヨシノは、よくクローンだと言われますよね。
A そう。クローンというのは、遺伝子構成が同じ、 ということですが、どうしてそうなったかというと、 接ぎ木で増やされてきたからなんですね。
植物が交配してできる種や実から育てると、 異なる親の性質を受け継ぐことになりますが、 挿し木や接ぎ木で増やすと、遺伝子はそのままなので、クローンになります。ソメイヨシノが、一斉に開花して、一斉に散るのは、クローンだから。

Q ソメイヨシノ以外の品種には、どんなものがある?
A 陽光、白雪(しらゆき)、白妙(しろたえ)、鬱金(うこん)、 河津桜、高遠の小彼岸桜。。。。

Q ソメイヨシノ以外は、クローンではない?
A いえ、他の品種も接ぎ木で増やされてきたものがたくさんあるようですし、 異なる名前で呼ばれてきたサクラが、 実は、クローンだったとわかったケースもあります。たとえば、江戸、糸括、八重紅虎の尾、などと呼ばれてきた品種は、 名前は違っても、同じ遺伝子型を持っていたんですって。

この桜はどの品種でどこから来たのか? そんなことも考えながらお花見するのもいいかもしれませんね。

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