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ON AIR BLOG / 2017.08.30 update

今日のトピックスは「アメリカを横断した皆既日食」のお話。このコーナーサイエンスニュース現地まで行って来られた毎日新聞、青野由利さんにレポートしていただきました。

Q:青野さん、アメリカの皆既日食を見に行ったんですか?すごい!!
A:物好きといわれそうですが、実は私は3回目。1回目は2009年の硫黄島沖、2回目は2010年のアルゼンチン、今回のアメリカです。

Q:どうでした?
A:今回の皆既日食は、太平洋上で始まり、オレゴン州からサウスカロライナ州までの14州を横断して、大西洋上で終わる、というもの。私が行ったのは、テネシー州のナッシュビル。以前に南米で皆既日食をいっしょにみた科学記者仲間と行ったんですが、運良く晴れて、今回も見事な皆既日食をみることができました。同じ場所では、宇宙飛行士の山崎直子さんも観測していました。

Q:日本では、少し前に金環食がありましたね。
A:2012年5月。 ただ、金環食と皆既日食は、かなり違います。おさらいをすると、日食は、太陽と地球の間に月が入って太陽を覆い隠す現象。この時に、月が地球に近いと太陽をすっぽり覆って皆既日食に、月が遠いと太陽の縁が覆いきれずにリングのようになる金環食に。皆既日食では空がかなり暗くなって、星が見えますが、金環食ではそこまで暗くなりません。

Q:今回も暗くなった?
A:今回は夕方ぐらいの感じで、夜のようには暗くなりませんでした。だから、金星のような惑星は見えましたが、恒星は見えませんでした。他には気温がぐっと下がりました。皆既の直前と直後にはダイヤモンドリングが見えました。それから、月の周囲のデコボコから光が漏れてビーズのように見える「ベイリー・ビーズ」現象。そして、なんといっても、コロナが美しく見えました。

Q:コロナって?
A:太陽の大気の一番外側に広がる薄いガスの層で、温度が100万度と、超高温。太陽の表面が6000度ぐらいなので、それより高温。 普段は、太陽が明るくて見えませんが、皆既日食になると白く刷毛で書いたように広がって見えます。コロナは、太陽活動に影響されるので、その時々で、姿が異なります。今回は、3方向に広がるコロナが見えました。

Q:現地の人の熱狂ぶりは?
A:どこにいても見られるので、観測場所には、あまり人が集まっていませんでしたが、前日に地元の科学博物館をたずねたら、日食関係のプラネタリウムや、NASAの専門家のレクチャーなどがあって、親子連れでいっぱいでした。

Q:日本で次に皆既日食が見られるのは?
A:18年後の2035年9月ですね。能登から富山、長野、前橋、宇都宮、水戸などで見られます。 本州で見られるのは明治20年以来148年ぶり。当時のコロナのスケッチも残っているとのこと。


18年後にこんな楽しみが待っているなんて・・・!それまで、天体の知識を高めていたら、もっと楽しめそうですね。


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