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ON AIR BLOG / 2017.10.18 update

今日は「今から勉強しても間に合う衆議院解散」。毎日新聞 政治部編集委員 平田崇浩さんに解説して頂きました。

Q いよいよ今度の日曜日は衆院選の投開票日ですね。
A 9月28日に衆議院が解散されてから3週間近く。想定外のいろんなことがあった。

Q 選挙がはじまる直前に民進党がなくなったのにはびっくりしました。
A 正確に言うとなくなったわけではなく、民進党のままでは選挙に勝てないから、候補者を全員、希望の党から出馬させると前原代表が言い出した。でも、希望の党の小池百合子代表(東京都知事)が「排除する」と言って、希望の党の公認がもらえない人がたくさん出てしまった。「排除組」の枝野幸男氏らが立憲民主党をつくって、二つの新党が衆議院選挙に候補者を立てている。

Q 報道によると、自民党が勝ちそうだと。
A 毎日新聞が先週末に行った情勢調査では、自民党が300議席に届くかもしれない。衆議院の定数は465。与党の自民党と公明党を合わせて過半数の233議席以上なら自公政権は続く。このままの情勢でいけば、自公で過半数どころか3分の2の310議席にも届きそうだ。選挙後も安倍政権が継続する見通し。

Q 小池さんの希望の党は?
A 過半数の233を超える候補者を立てたが、勢いが感じられない。小池氏に排除された側の立憲民主党は78人しか立てていないが、どちらが野党第1党になるかを争っているような状況。小池氏が自ら立候補しなかったことで、安倍政権を倒すと言っても本気ではないと思われた。民進党からの合流者を大量に排除し、準備不足の新人をたくさん擁立したのも伸び悩みの原因だろう。

Q 安倍総理の支持率は上がっていないのに、なぜ自民党が強いのか。
A 先週末の世論調査で、安倍総理が続投した方がよいと思うと答えた人は37%。思わないと答えた人が47%。それでも自民党が強いのは、小選挙区が中心の選挙制度だということが関係している。一つの選挙区で一人しか当選しない。民進党が分裂して希望の党や立憲民主党、無所属で出ている候補者もいる。ほかにも共産党、社民党など、野党の候補が乱立すれば、政権批判票は分散し、与党の候補が漁夫の利を得る。小池氏は2大政党を目指したはずが、余計に野党を分散させてしまった。

Q 投票日まであと4日。何を争点に判断すればよいのでしょうか。
A 選挙の争点というのは、政党が押しつけるのではなく、有権者一人一人が決めること。安倍総理は北朝鮮の脅威にどう対応するかや、消費税を増税する分の一部を少子化対策に使うことについて国民に信を問うと言ったが、生活に身近な子育て支援や教育、医療、年金、介護などから経済政策、憲法改正までいろいろある。各党の主張を詳しく調べるのもたいへん。新聞各紙がさまざまな切り口で分析しているから読んでくれたらと思う。最終的には「安倍政権を信任するかどうか」だ。

Q 自民党が勝てば、安倍政権が信任されたことになりますね。
A そうなれば、安倍総理は憲法改正を進めようとするかもしれない。野党でも希望の党と日本維新の会は憲法改正に積極的。選挙後は改憲論議が活発になりそう。安倍総理には、森友学園・加計学園の問題について、選挙後もしっかり説明してもらわないといけない。

Q 信任されれば、衆院議員任期の4年間、安倍総理が続けることになるのですか。
A それはわからない。来年9月には自民党の総裁選挙がある。そこでほかの人が総裁に選ばれれば、総理大臣も交代することになる。再来年2019年には参院選もあるし、また任期途中に衆院解散になるかもしれない。いずれにせよ、これから最大で4年間、安倍総理に日本国の舵取りを任せるかどうかを決める大切な選挙。期日前投票に行っていない人はぜひ投票に行ってください。

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※毎日新聞ボートマッチ えらぼーと 2017衆院選※

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