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ON AIR BLOG / 2017.11.15 update

今日は「隕石の衝突と恐竜絶滅の関係に進展が?」というニュースについて。「恐竜絶滅」に関しての新しい説が浮上してきたとか?毎日新聞、専門編集委員、青野由利さんに解説していただきました。

恐竜は今から2億2000万年前ごろから地上に登場し、繁栄していました。ジュラ紀とか、白亜紀とか、言われる時代です。それが、6600万年前に突然、滅びてしまうんですね。

Q その理由は、巨大隕石の落下だといわれているんですよね?
A そうです。メキシコのユカタン半島に巨大な隕石が落ちたことが引き金となって、恐竜だけでなく、陸上と海洋の動物の75%以上が滅びたといわれているんですね。この大量絶滅をもたらしたと考えられる隕石落下の跡は「チクシュルーブ・クレーター」として残っています。落ちた隕石の大きさは、直径約10キロぐらいと推定されています。そこへ今回、東北大学と気象研究所などの研究チームが新説を科学論文誌に発表しました。

Q どういう新説?
A もし、巨大隕石が別の場所に落下していたら、恐竜の絶滅は起きなかっただろう、というのです。まず、どうして巨大隕石の衝突が恐竜絶滅を招いたと考えられるか。それは、隕石の衝突で、岩の中の有機物や硫黄などが燃えて、大量のすすや硫黄化合物の粒子が放出されて、これらが太陽光を遮った結果、地球の気温が急激に下がって寒冷化したからだ、というのが研究チームによる分析です。さらに研究チームは、「そうはいっても、地球上の場所によって、岩石の成分は違うだろうから、隕石衝突で出るすすの量も違うだろう」と考えました。

そこで、彼らは、スーパーコンピュータを使って、どれぐらいのすすが出ると、恐竜が絶滅するほど気温が下がるか計算しました。その結果、地球の平均気温が8〜11度下下がると絶滅に結びつくと分析されました。さらに、それぐらい大量のすすを出すような地層が地球上のどこにあるかを調べたところ、地球の1割程度しかないことがわかったというのです。

Q つまり、残りの9割の場所に巨大隕石が落下しても、恐竜が滅びることはなかった?
A というのが、今回の新説なんです。もし本当にそうだったとすると、恐竜にとっては運が悪かった、ということですし、恐竜が滅びた後に繁栄したほ乳類にとっては、ラッキーだったということかも。

もし恐竜が滅びてなかったら映画の「ジュラシックパーク」みたいな人間VS恐竜みたいな、世界になっていたかもしれませんね!

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