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ON AIR BLOG / 2018.01.03 update


毎日新聞 論説委員 中村秀明さんをお迎えしていました。今年最初のテーマは「オバマさんからのメッセージ」です。

アメリカの前大統領のバラク・オバマさん。最近はどうしているのか、と思っていたら、年末に相次いでその名前がメディアに登場しました。まず、米国で年末恒例となっているアンケート調査「米国民が最も尊敬する存命中の人」で、10年連続でオバマさんが1位になりました。女性ではヒラリー・クリントンさんが16年連続の1位でした。ちなみにトランプ大統領は男性の2位に入っています。

そして、生オバマさんが登場したのがイギリスのBBCラジオです。この番組はヘンリー王子が編集長を務め、オバマさんにインタビューしています。最初は2択の「どっちが好き」という質問コーナーがあって、「映画館とボーリング場」「QueenとTheQueen」「タイタニックとボディガード」「ヘンリーウイリアム」といった冗談めかしたやりとりがありましたが、後半は地球温暖化などシリアスな問題が取り上げられました。

そして、話題はソーシャルメディア、SNSの危険性について話になりました。インタビューでは「偏った見方を正当化して、それを強めるような情報に接して、それで満足してしまう可能性がある」と指摘しています。そして、もっとリアルな世界に接して、さまざまな課題の複雑さを知らなければいけないと言っています。本来は、大きな声にならない多様な意見や主張を広める役割があるのに、逆に偏ったものの見方、複雑なことも単純化してしまうような見方に走らせてしまうと警告しています。オバマさんは最初の大統領選挙でネットを活用して支持を広げていったことで知られているだけに、なかなか重い指摘だなあと思いました。

日本でも昨年くらいから「SNS依存症」「SNS疲れ」ということが言われ始めています。信号待ちとか、エレベータの中とか、ほんのわずかな時間でも、1人になるとすぐにスマホをいじってしまう姿を結構見かけます。ぼーっとしたり、ぼんやり景色を眺めたり、近くにいる人を見たりすることだって意外と気持ちのリセットになるし、何かの発見もあると思います。みなさん、どうでしょうか?

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