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ON AIR BLOG / 2018.01.31 update

(↑ヒュッゲを顔で表現する2人。笑)

今週のテーマは「デンマーク語の『ヒュッゲ』って知っていますか?」
毎日新聞 論説委員 中村秀明さんに解説していただきました。

まず、デンマークはどんな国か。北欧の国でノルウエーやスエーデンより南寄りにあって、ドイツと陸続きです。人口は600万人。アンデルセンを生んだ国で、レゴブロックもメードinデンマークです。

最近、話題になっているのがこの国で暮らす人々の満足度の高さです。国連が2012年からに始めた国別の幸福度調査でデンマークは4回も1位となり、トップ3の常連です。ちなみに日本は50番以下です。北欧型の福祉が充実している国ですが、高い幸福度のかぎを握っているのが「ヒュッゲ」だと言われ、最近、イギリスやアメリカなどで話題になっていますし、日本でも本が出て話題になっています。他の言語には置き換えにくい言葉ですが、説明するならば「気を使わずにゆったりくつろげる状態」や「温かな居心地のよい雰囲気」です。「まったり」とか「ほっこり」とか、「のほほん」という感じに近いのかもしれない。

さて、どうしたら「ヒュッゲ」な気分になれるか?現地のヒュッゲ事情に詳しい人に例をあげてもらいました。たとえば、暖炉がちろちろと燃える部屋で、キャンドルをともして家族とお茶を飲む時。会社のリフレッシュコーナーで同僚と休日にあった出来事などを語り合っている時。彼らは「ああ、ヒュッゲだね」「本当にそうね」などと口にするそうです。

余談ですが、デンマークの職場にはこういうちょっと明るさを落としたヒュッゲな空間が必ず用意されていて、人が集まってくるそうです。

日本でこの時期にヒュッゲをもたらすのはどんな時でしょうか?たとえば家族でこたつの中に入ってみかんを食べて、おしゃべりしている時。あるいは温かい鍋料理を友人と囲んで、ワイワイやっている時。ただし、1人ではヒュッゲになかなかなりにくいそうです。誰かと空間や時を分かち合うことが欠かせないのですね。

ヒュッゲは身近な、ありふれたことを大事にする価値観といった感じでしょうか。派手なことやお金をかけたことではなく、そこにあるものの価値に気づき、それを楽しむ感受性や心の余裕なのかなと思います。なんだか、私たち日本人にもそんなに難しいことではないように感じませんか?

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