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ON AIR BLOG / 2018.02.21 update

今日は「ニホンウナギの稚魚が記録的な不漁というお話」毎日新聞専門編集委員、青野由利さんに、解説していただきました。

Q:うなぎ、美味しいですよね。
A:そう思うと、ウナギの稚魚の不漁には無関心ではいられません。 まず、おさらいをすると、ウナギの稚魚は、シラスウナギと呼ばれます。 このシラスウナギは、秋から春にかけて、日本や台湾、 中国の沿岸に海流に乗ってやってきます。 日本国内で流通しているウナギの大部分は、こうしてやってきたシラスウナギを捕獲し、 業者が養殖したものなんですね。

Q:そのシラスウナギが激減している?
A:そうなんです。去年の11~12月に国内の養殖池に入れられたシラスウナギの量は 0・2トン。その前の年に比べると、30分の1になっているんだそうです。 台湾や中国でも不漁ということで、日本だけの話ではありません。

Q:そうなると、今年はウナギは食べられない?
A:気になりますよね。実は、ウナギの養殖の方法は2種類あるんだそうです。 1月ごろまでに漁獲した稚魚を約半年養殖し、夏の土用の丑にあわせて出荷するのが 「単年養殖」。2~4月に捕獲して1年半程度かけて養殖するのが「周年養殖」。 流通量の多くは周年養殖なので、今年の土用の丑には、 そんなに品薄にならないのではないかと見られていますが、だからといって、 どんどん食べても大丈夫という状況ではありません。

Q:ウナギは、絶滅危惧種になったのでは?
A:はい、そうです。 国際自然保護連合によって、2014年に「絶滅危惧種」の指定を受けています。 これを受けて、日本、中国、韓国、台湾は、2015年から養殖池に入れる シラスウナギの上限枠を設定しています。 でも、その枠が緩すぎて、事実上は取り放題になっているようなのです。

Q:減っている理由は?
A:今季の不漁の原因ははっきりしませんが、国内でのシラスウナギの漁獲量は、 年ごとの豊漁、不漁はあっても、全体としては1960年代から減り続けています。 環境の悪化に加え、乱獲、密猟などが原因だと考えられています。

Q:どうすればいい?
A:将来もウナギを食べ続けたいと思うなら、 今は我慢してもウナギの資源量を増やす努力が必要でしょう。 気軽に安く食べるものではなく、「たまのハレの日に食べるごちそうにしよう」 という提案がありますが、それでいいのでは?

*確かに!!!自然界の摂理を考えると当たり前のこと。 *まぐろしかり、食べたいものをひたすら食べてたら個体数が減るのは当然ですよね。

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