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ON AIR BLOG / 2018.04.18 update

今日は、日米首脳会談直後ということで、最新のニュースを毎日新聞 論説委員 平田崇浩さんに解説していただきました。今回のテーマは「安倍総理とトランプ大統領がフロリダのリゾートで会談」。安倍総理は日本時間の今日未明にアメリカ・フロリダ州のパームビーチ国際空港に到着。初日の日米首脳会談が今朝行われた。

Q 去年も同じリゾートで会談しましたね。
A トランプ大統領が所有する高級会員制リゾート「マララーゴ」。去年、トランプ大統領が就任した直後の2月にも安倍総理は訪れている。外務省の説明では、マララーゴに招かれた外国首脳は安倍総理と中国の習近平国家主席だけ。安倍総理は2回目ということで、特別な歓迎を受けているのは確か。

Q 今回もゴルフはするのですか。
A トランプ大統領はゴルフをしたいと言っていて、米国時間の2日目の朝になりそう。

Q 首脳会談は2日間も行われるのですか。
A 先ほど終わった安倍・トランプ両夫妻の夕食会も含めて実質1日半、安倍総理がトランプ大統領を独占することになる。

Q 目的はどのようなことなのでしょう。
A 安倍総理が訪米した目的は、来月か6月上旬に開かれる予定のトランプ大統領と北朝鮮の金正恩氏との米朝首脳会談を前に、北朝鮮に対する政策を日米で一致させること。北朝鮮の核兵器・ミサイル開発を阻止すると言っても、米国に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)だけではだめで、日本を射程に収める中距離弾道ミサイルも放棄させなければならない。拉致問題も含めた包括的な解決が絶対に必要だと念を押しに行った。

Q 会談はうまくいったのですか。
A トランプ大統領は「北朝鮮の問題については完全に一致している」と言った。安倍総理とトランプ大統領はネクタイの柄まで同じ紺色の地に白のストライプで一致していた。ただ、手放しで喜んでいいのかどうか……。

Q 心配なところもあるのですか。
A トランプ大統領が重視しているのは北朝鮮問題と通商問題。今年11月の米議会の中間選挙を前に対日貿易赤字を削減する成果を得たい。今回の日米首脳会談の直前、ツイッターで「貿易と安全保障に取り組む」と「貿易」を先に挙げて意気込みを示した。

Q 安倍総理を歓迎するトランプ大統領の本当の目的はすれ違っているということですか。
A トランプ大統領は「北朝鮮問題では日本の希望を聞いてやる。だから、米国からもっと農産物を輸入しろ、もっと武器を買え」と言いたいのかもしれない。そんな話を1日半もかけて、ゴルフもしながら、面と向かって言われたら、安倍総理も断りにくくなる。経済の話は明日もじっくりやるようだ。大幅な譲歩をさせられなければいいのだが……。

Q 安倍総理の昭恵夫人も同行しているのですね。
A 首脳会談のたびにメラニア夫人と面会している。加計学園の問題で野党から証人喚問を求められている柳瀬経済産業審議官も訪米に同行。安倍総理としては、不祥事続きの国内を離れて、得意の外交で成果を挙げたいところ。ただ、通商交渉で譲歩すれば、批判を浴びる材料が増えることにもなる。政権への信頼を回復できるかどうかという意味でも正念場の訪米だと言える。

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