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ON AIR BLOG / 2018.05.02 update

春に体調の変化をきたしやすことは知られていますが、 春バテ」という言い方が広まっているようです。今日は、健康に関する話題「春バテを解消をしよう!」がテーマ。毎日新聞 論説委員 中村秀明さんに解説していただきました。

Q:どういうメカニズムなのでしょうか?
A:ひと言でいえば、「自律神経のバランスが崩れる」ということです。 自律神経は、興奮と戦闘モードの「交感神経」と、リラックス・休憩モードの「副交感神経」がシーソーのように動いて体調のバランスを取っています。 変化に適応しようとする時は、「交感神経」がさかんに働いて、血圧や脈を上げ、 筋肉は緊張して気持ちも高ぶってきます。それ自体はいけないことではないけど、 過剰に働くと眠れないとか、食欲が落ちるとか、肉体も心もだんだん疲れて へばってきます。 こうした緊張を解く役目は「副交感神経」にありますが、この時期は「交感神経」の 優位になってなかなかリラックスできなくて、疲れが抜けなくなるようです。

Q:何が原因なのでしょうか?
A:1、まず春の大きな寒暖差。 身体が寒暖差に対応するため、交感神経の働きが活発になり、 疲れやだるさを感じやすくなる。そして、暖かに誘われて薄着になることで 身体が冷えやすくなり、血行も悪くなるそうです。
2、また春は低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わります。低気圧になると血中の 酸素濃度が下がって、昼でも眠くなったり、身体がだるくなったりします。
3、さらに大きいのが、新生活が始まることによるストレスです。 この時期は新入学や会社への就職、人事異動などによって友人や同僚、 仕事の内容などの身の回りの環境が変わって、大きなストレスがかかります。 アメリカで考案された有名な「ライフイベントのストレス表」によると、 一番ストレスの大きい「配偶者の死」を100点とすると、 「仕事上の変化」は 39 点、「転勤」は 35 点、「進学・卒業」は 26 点と、新生活は高いストレスを感じるとの結果が出ています。

Q:春バテを解消する方法はありますか?
A:今、疲れがたまってくると、エアコンを使う季節になって、 体調をますます崩しやすくなります。GWの、このタイミングで春バテを 解消させたいですね。 過敏になっている交感神経の働きを抑え、副交感神経の機能によって心身を ゆったりさせることが大切です。対策としては、体を冷やさないこと、副交感神経を 刺激することだそうです。 普段よりも多めに歩いたり、ヨガやストレッチなどで血行を促して、体を温めてあげる。 自律訓練法を行う、など多岐に及びます。ですが、もっともお手軽なのは、38 度から 40 度のぬるいお風呂で 15 分から 30 分ほど、肩までつかる「全身浴」を することだそうです。ぬるま湯に浸かると交感神経の活動が抑えられ、 副交感神経が刺激されることは、多くの科学的な研究で明らかになってそうです。 寝る前に入れば、すーーと眠れてなお効果的です。

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